令和7年度1月の歯科医療費は6.9%増、年齢や地域で異なる伸び率の最新動向を解説
引用元:https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/shika_iryou/2026/01/
引用元: https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/shika_iryou/2026/01/
厚生労働省は、令和7年度1月分の「最近の歯科医療費(電算処理分)の動向」を公表しました。
この統計は、電算処理されたレセプトデータを基に、歯科医療費の動きを速報値としてまとめたものです。
全体的な傾向として、歯科医療費は前年の同じ月と比べて増加していることが明らかになりました。
今回は、その詳細な数値や、制度別、地域別、年齢別の特徴について詳しく見ていきましょう。
厚生労働省では、毎月、歯科医療費の動向等を迅速に把握するため、電算処理分のレセプトを集計した「歯科医療費(電算処理分)の動向」を公表していますが、このたび、令和7年度1月分の集計結果がまとまりましたので公表します。
(最近の歯科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)
主要な論点1:医療費全体の伸びと、受診日数および1日当たり医療費の動向
最初の重要な論点は、歯科医療費全体の伸び率とその内訳についてです。
令和7年度1月の歯科医療費全体の伸び率は、前年同月比でプラス6.9%となりました。
この増加の背景には、患者が実際に受診した日数を示す「受診延日数」の伸びがあります。
受診延日数は前年の同じ月と比べてプラス4.1%増加しました。
さらに、患者が1日受診するごとに発生する「1日当たり医療費」の伸び率はプラス2.7%となっています。
このように、受診する日数が増えたことと、1日当たりの診療規模が大きくなったことの双方が、全体の医療費を押し上げる要因となっています。
1.令和7年度1月の歯科医療費(入院・入院外の合計で、電算処理分に限る。以下同様。)の伸び率(対前年同月比。以下同様。)は+6.9%で、受診延日数の伸び率は+4.1%、1日当たり医療費の伸び率は+2.7%であった。(→P.1、P.2、P.4 他)
(最近の歯科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)
主要な論点2:加入する保険制度や、受診した医療機関の種類による違い
2つ目の論点は、患者が加入している医療保険制度や、受診した医療機関の種類による伸び率の違いです。
まず制度別に歯科医療費の伸び率を見ると、サラリーマンなどが加入する被用者保険がプラス9.2%と、最も高い伸びを示しました。
これに対して、自営業者などが加入する国民健康保険はプラス1.1%の伸びにとどまっています。
また、75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度はプラス7.1%、公費負担医療はプラス5.3%の伸びとなりました。
次に医療機関の種類別に伸び率を比較してみましょう。
歯科病院での歯科医療費の伸び率はプラス5.4%でした。
一方で、街の歯医者さんにあたる歯科診療所での伸び率はプラス7.0%となっています。
このように、被用者保険の加入者や、歯科診療所での医療費の伸びが全体を牽引していることが分かります。
2.制度別に歯科医療費の伸び率をみると、被用者保険は+9.2%、国民健康保険は+1.1%、後期高齢者医療制度は+7.1%、公費は+5.3%であった。(→P.1)
3.医療機関種類別に歯科医療費の伸び率をみると、歯科病院では+5.4%、歯科診療所では+7.0%であった。(→P.6)
(最近の歯科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)
主要な論点3:年齢階級別および都道府県別に見る顕著な特徴
3つ目の論点は、年齢層や地域によって、歯科医療費の伸び率に非常に大きながらつきがあるという点です。
年齢階級別に5歳刻みで伸び率を見ると、100歳以上の層がプラス18.4%と、最も大きな増加を記録しました。
これとは対照的に、80歳以上85歳未満の層ではマイナス0.6%となり、全年齢層の中で最も低い伸び率となっています。
高齢者世代の間でも、年齢層によって受診行動や医療費の動きに違いが出ていることが伺えます。
また、都道府県別に歯科医療費の伸び率を比較すると、地域差が鮮明に現れました。
最も伸び率が大きかったのは沖縄県で、プラス9.1%を記録しています。
逆に、最も伸び率が小さかったのは秋田県で、プラス0.8%にとどまりました。
このように、年齢や住んでいる地域によって、歯科医療費の変動には大きな差があることが示されています。
4.都道府県別に歯科医療費の伸び率をみると、沖縄県が+9.1%と最も大きく、秋田県が+0.8%と最も小さかった。(→P.11)
5.年齢階級別(5 歳階級)に歯科医療費の伸び率をみると、100 歳以上が+18.4%と最も大きく、80 歳以上 85 歳未満が▲0.6%と最も小さかった。(→P.16)
(最近の歯科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)
結び
今回の資料では、具体的な傷病名や診療内容、さらに治療で使用される貴金属ごとの伸び率も公表されています。
疾病別では、歯肉炎がプラス10.3%、歯周炎等がプラス7.5%と高い伸びを示しています。
診療内容別では、検査・病理診断がプラス9.8%、医学管理がプラス9.0%、処置がプラス8.6%となっています。
さらに、歯科用貴金属別では、歯科鋳造用銀合金第2種がプラス52.9%と、非常に高い伸びを記録しました。
厚生労働省は、こうした電算処理分のレセプトデータを毎月集計し、速報性の高い情報として公表を続けています。
歯科医療費の適正化や、今後の歯科保健政策の方向性を議論する上で、これらの詳細なデータの推移は極めて重要な指標となります。
私たちは今後も、これらの動向を継続して注視していく必要があるでしょう。
6.歯科疾病分類別に前年度の医療費の割合が高かった傷病の歯科医療費の伸び率をみると、歯周炎等が+7.5%、歯肉炎が+10.3%、う蝕が+4.8%、補綴関係(歯の補綴)が+0.8%、根尖性歯周炎(歯根膜炎)等が+2.3%であった。(→P.26)
7.診療内容別に前年度の医療費の割合が高かった診療内容の歯科医療費の伸び率をみると、歯冠修復及び欠損補綴が+4.6%、処置が+8.6%、医学管理が+9.0%、検査・病理診断が+9.8%、初診が+3.1%であった。(→P.31)
8.歯科用貴金属別に前年度の医療費の割合が高かった歯科用貴金属の歯科医療費の伸び率をみると、歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金 12%以上 JIS 適合品)が+13.9%、歯科鋳造用銀合金 第 1 種(銀 60%以上インジウム 5%未満 JIS 適合品)が+10.5%、歯科鋳造用銀合金 第 2 種(銀 60%以上インジウム 5%以上 JIS 適合品)が+52.9%であった。(→P.32)
(最近の歯科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)
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