CrossHealth / 薬局持久度レポート

薬局1軒あたりの処方せんは全国一。それでも閉局率は九州で最も高い

沖縄県5つの二次医療圏の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。地図の医療圏をクリックすると、市町村まで下りたレポートへ進めます。

対象 沖縄県 5二次医療圏・41市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

沖縄県の調剤薬局は440軒。高齢化率24.8%は東京都(22.8%)に次いで全国2番目に低く、処方せんの需要は今後20年で+27.0%——こちらも全国2位の伸びです。二次医療圏がひとつも減らない県は、全国47都道府県のうち沖縄県・神奈川県の2県だけ。しかも最も伸びない圏でも沖縄は+9.4%で、その下限の高さは全国1位です。ところが直近12ヶ月に沖縄で消えた薬局は18軒=4.09%で、九州8県で最も高い水準にあります(2位鹿児島県2.80%)。「高齢化が進むほど薬局は安泰」という読み方が、この県ではそのまま当てはまりません。

5
沖縄県の二次医療圏
440
県内の薬局数
18
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
18,490
薬局1軒あたり処方せん(年・全国最多)

地図 ── クリックで深掘り薬局1軒あたり処方せんの、医療圏ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化。薬局の数がいまのままだと仮定して、高齢化で処方せんがどう動くかを示しています。沖縄県は5医療圏すべてがプラスで、いちばん小さい北部医療圏でも+9.4%、いちばん伸びる中部医療圏は+35.0%。医療圏をクリックすると、その中の市町村差まで下りられます。

沖縄本島3圏
中部:薬局127軒/1軒あたり処方せん(→2045) +35.0%中部北部:薬局24軒/1軒あたり処方せん(→2045) +9.4%北部南部:薬局259軒/1軒あたり処方せん(→2045) +26.2%(クリックで詳細)南部
先島2圏(宮古・八重山/別縮尺)
八重山:薬局18軒/1軒あたり処方せん(→2045) +22.2%八重山宮古:薬局12軒/1軒あたり処方せん(→2045) +10.3%宮古
色=薬局1軒あたり処方せんの変化(→2045)
小さい(+9.4%)大きい(+35.0%)
医療圏そのものの形で塗り分けています。
Requestまだ公開されていない地域も、リクエストできます公開されたら、メールでお知らせします(無料)。 今すぐ必要な方は会員の優先生成へ。
Lv1のこの色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)です。医療圏ページ(Lv2)の色は圏内でのシェア移動を示す相対値で、意味が違います。また沖縄県は東西約1,000km(東経123.0036度〜131.2305度)に広がるため、本島と先島諸島・大東諸島は縮尺を分けて描いています。各ページの凡例に従ってお読みください。

人口動態 ── 需要の源5つの医療圏すべてで、65歳以上が増えます

沖縄県の総人口は146万→142万人(-3.0%)。減りはしますが、その減り方は東京都に次いで全国2番目に小さいものです。65歳以上は36万→46万人(+27.0%)、高齢化率は24.8%→32.5%へ。2045年の高齢化率も東京都に次ぐ全国2番目の低さで、65歳以上人口は推計期間の終わり(2050年)まで増え続けます。これまでのレポート(大阪・千葉・兵庫・福岡ほか)では、どの県にも「65歳以上がすでにピークを過ぎた医療圏」がありました。沖縄県にはそれがひとつもありません。ただし市町村まで下りると話は変わります。41市町村のうち15で65歳以上人口は2045年までに減ります。その15市町村にある薬局は10軒——県内のわずか2.3%です。

総人口65歳以上
0万38万75万112万150万202520302035204020452050139万47万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口は微減、65歳以上は2050年まで増加。

島 ── 医療圏という単位が隠すもの41市町村のうち11に、薬局が1軒もありません

沖縄県の41市町村のうち、調剤を行う薬局が0軒なのは11市町村です(東村・今帰仁村・伊平屋村・伊是名村・渡嘉敷村・座間味村・粟国村・渡名喜村・北大東村・多良間村・竹富町)。そこに住む人は20,002人=県人口の1.4%、うち65歳以上は6,779人。最も人口が多いのは今帰仁村の8,527人で、ここは離島ではなく沖縄島の北部にあります。医療圏の単位で見ると沖縄県は「どの圏も需要が増える県」ですが、その圏の中に、薬局のない島と町が含まれています。県は東西約1,000km(東経123.0036度の与那国町から東経131.2305度の南大東村まで)に広がり、先島諸島の2医療圏(宮古・八重山)にある薬局は合わせて30軒=県内の6.8%です。薬局が1軒しかない自治体、2軒しかない自治体では、その1軒がどうなるかが地域の医療の届き方を直接左右します。本レポートは個店の見通しを扱いませんが、分母の小ささそのものは地域の事実として記しておきます。

承継 ── 消えた薬局と、続いた薬局廃止届42件のうち、そのまま消えたのは18件でした

直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に沖縄県で出された薬局の廃止届は42件。ただしこのうち24件は新しい機関コードが記載されており、移転や承継で事業が続いた=その場所から薬局が消えてはいません。そのまま消えたのは18軒(薬局440軒の4.09%)でした。この4.09%は、同じ期間で数えた九州8県のなかで最も高い値です(2位は鹿児島県の2.80%、最も低いのは佐賀県の1.79%)。しかもこれは1年だけの偶然ではありません。ただし過去にさかのぼる際にはひとつ断りが要ります。九州厚生局の廃止名簿は2024年の5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08号)が手元に取り込めておらず、廃止日でいうと2023-12〜2024-07の8ヶ月は実際より少なく数えられています。そこで、この穴の影響を受けない年と、影響を受けた月を8県から等しく除いても順位が変わらない年だけを「比べられる年」として数え直しました。その4暦年(2021・2022・2023・2025年)すべてで、沖縄県の真の閉局率は九州8県のなかで最も高く出ています。2024年は12ヶ月のうち7ヶ月が穴にかかっており、順位を論じられないため外しました。なお上で見た直近12ヶ月の窓は、この穴の外にあります。引き継がれなかった割合は県全体で42.9%。圏域では中部医療圏の28.6%から宮古医療圏の100.0%まで開きますが、宮古は薬局12軒・廃止届1件の話なので、圏どうしの比較には使えません。件数として意味があるのは南部医療圏で、真の閉局13件・廃止届31件=県内の72.2%がここに集まっています。

ランキング ── 圏域差全国でいちばん厚い1軒あたり。その中でさらに開く

沖縄県の薬局1軒あたり処方せんは年間18,490枚で、全国47都道府県で最多です(2位青森県15,990枚、全国平均13,525枚)。その中でも圏域差があり、北部医療圏の22,677枚から宮古医療圏の15,338枚まで1.48倍開きます。最も厚い北部は薬局24軒しかない圏域で、1軒あたりが厚いことは「余裕がある」と同義ではありません。需要の伸びで並べると北部(+9.4%)から中部(+35.0%)まで25.6ポイント。実際には開局・閉局で店数も動きますが、その将来推計は現在再学習中です(下の注記)。

北部
+9.4%
宮古
+10.3%
八重山
+22.2%
南部
+26.2%
中部
+35.0%

くわしい数字5医療圏データ一覧

地域(医療圏)薬局1軒あたり処方せん
2025 → 2045(枚/年)
変化
南部25917,496 22,077+26.2%
中部12720,397 27,546+35.0%
北部2422,677 24,806+9.4%
八重山1815,867 19,390+22.2%
宮古1215,338 16,925+10.3%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)に、将来推計人口の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)の集計で、移転・承継を除いています。北部・宮古・八重山の各医療圏は薬局数が30軒未満で、率の比較には向きません。個店のランキングは作りません。

いま出していない数字供給の将来推計と、機能の届出率は出していません

このページでは3つの数字を外しています。ひとつめは2045年の薬局店数の推計と、医療圏を「都市型(競争淘汰)/郊外型(需要減)」に分ける分類。これらは開局・閉局を予測する統計モデルから出していましたが、そのモデルは近畿地方で学習したもので沖縄を含んでおらず、閉局の数え方も古いままなので、学習しなおす必要があります。ふたつめは、かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅対応の届出率。沖縄県は薬局機能情報提供制度のデータが手元のデータベースにまだ取り込まれておらず、いま集計すると全店0%になってしまいます。これは「届け出ている薬局が無い」のではなく「データが無い」だけなので、数字としては出しません。みっつめは徒歩圏カバー率で、こちらも250mメッシュの人口データが沖縄県分未投入のためです。なお離島県では「歩いて行ける距離に薬局があるか」より「その島に薬局が在るか」のほうが効くと考えられ、投入後もそのまま他県と並べられるとは限りません。できあがり次第このページに戻します。数字を急いで出すより、間違っていた数字を下げるほうを選びました。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 沖縄県(このページ・Lv1)=5つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 二次医療圏(Lv2)=圏内の市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【いま出していない数字(1)供給の将来】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類はこのページから外しています。供給の統計モデルが近畿地方で学習したもので沖縄を含まず、閉局の定義変更(移転・承継を除外)にも追随していないためです。
  • 【いま出していない数字(2)機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅対応の届出率は、沖縄県では掲載していません。薬局機能情報提供制度(GMIS)の届出データが当データベースに未取込で、集計すると全店0%になってしまうためです。0%は「届け出ている薬局が無い」という意味ではなく、単にデータが無いという意味です。他県版(大阪・千葉・兵庫)にはこの軸があり、沖縄版には無い、という違いがあります。なお同じ欠測は全国14県・薬局11,630店ぶんにあります(完全に空: 佐賀県・大分県・宮崎県・徳島県・沖縄県・熊本県・福岡県・福島県・長崎県・鹿児島県/ほぼ空: 宮城県・山形県・岩手県・秋田県)。
  • 【いま出していない数字(3)徒歩圏カバー率】250mメッシュ人口が沖縄県分未投入のため、「歩いて薬局に行ける人の割合」は出していません(千葉県版にはあります)。離島を多く抱える県では、徒歩圏より先に「島に薬局が在るか」「隣の島へ渡れるか」が効くため、この軸を入れても他県と同じ意味にはならない可能性があります。
  • 【処方せんの推計方法】NDBオープンデータの医療圏別・院外処方せん実績(2023年・県全体で年間8,135,695枚)に、その医療圏の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。医療圏より細かい単位では公表されていません。
  • 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。開局・閉局による店数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。沖縄県は高齢化率が全国で2番目に低い県であり、高齢者以外の受診が需要に占める割合は他県より大きい可能性があります。この点は本推計では扱えていません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)です。この期間の廃止届は42件で、うち24件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだと読めます。そのまま消えたのは18件です。兵庫・京都・滋賀・北海道・神奈川・富山・岐阜・三重・石川・静岡の公開値と同じ期間なのでそのまま比べられます。福岡県・大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)とは期間が違うため、参考として暦年2025の値も併記しています(真の閉局22件・廃止届39件)。
  • 【集計窓に収録の穴が無いことを確認済み】沖縄県は薬局440軒と小さいため、既定の12ヶ月のうち廃止届が0件の月が2ヶ月(2025年10月・2026年1月)あります。これが名簿の欠号ではないことを、同じ月に九州8県ブロック全体では18件・17件の収録があることで確認しています(本当に0件であって、データが抜けているのではありません)。
  • 【★過去にさかのぼる数字には名簿の穴があります】九州厚生局の廃止名簿のうち2024年の5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08号)が当データベースに取り込めていません。廃止の届出は廃止日の1〜3ヶ月後の号に載るため、廃止日でいうと2023-12〜2024-07の8ヶ月ぶんが実際より少なく数えられています(この期間の件数は下限としてお読みください)。**このページの中心である直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)は穴の外**で、12ヶ月すべてで必要な号がそろっています(最小カバー率94%)。
  • 【閉局の年次推移は参考値】2021〜2025の5暦年ぶんを clo_by_year に持っていますが、名簿の収集経路(過去分アーカイブと現行名簿)の重なり方が年で違ううえ、上記の欠号もあるため、年ごとの増減はトレンドの目安にとどめ、本文の断定には使っていません。「沖縄県の真の閉局率が九州8県で最も高い」という順位については、欠号の影響を受けない年と、影響月を8県から等しく除いても順位が変わらない年——あわせて4暦年(2021・2022・2023・2025)すべてで成立しています。2024年は12ヶ月中7ヶ月が欠号の影響下にあり、順位がどちらに動くかも判定できないため除外しました(全月で数えると8県中3位、影響月を除くと6位で、方向すら定まりません)。
  • 【小さい分母】沖縄県は5医療圏のうち3圏(北部・宮古・八重山)が薬局30軒未満です。これらの圏の閉局率は1件で数ポイント動くため、圏どうしの順位づけには使えません。市町村では15が薬局8軒未満、11市町村が0軒です。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません(県内90店を除外)。位置は届出上の市町村コードで割り当てています(沖縄県は全440店に市町村コードがあり、未割当は0件)。
  • 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。沖縄県は5つの二次医療圏に分かれ、うち宮古・八重山は先島諸島の島だけで構成される独立した医療圏です。
  • 【地図の縮尺】沖縄県は東西約1,000km(与那国町 東経123.0度〜南大東村 東経131.2度)に広がるため、本島と先島諸島・大東諸島を同一縮尺の1枚に載せると本島内の差が読めなくなります。地図は縮尺を分けて描いています。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。合計特殊出生率や社会増減そのものは当データベースに収録がないため、本レポートでは扱っていません。

この地図は今後も更新されます。あなたの地域の変化を見逃さないよう、無料会員登録でお知らせを受け取れます。

登録は無料・パスワード不要(メールに確認リンクが届きます)。登録済みの方はログイン

お仕事のご依頼

自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。

お問い合わせ →