令和5年度の病院立入検査結果を公表、実施率は93.2%に上昇も「サイバーセキュリティ確保」が適合率の最下位に
厚生労働省は、令和5年度に各都道府県などが実施した、病院に対する立入検査の結果を公表しました。
この検査は、医療法第25条の規定に基づき、病院が法令に定められた人員や構造設備を有しているか、また適正な管理を行っているかを確認するものです。
今回の報告では、全国の病院における管理状況や医療従事者の充足状況が明らかになりました。
医療法の規定に基づき、令和5年度に各都道府県等が実施した病院に対する立入検査の結果について、この度、とりまとめを行いましたので公表します。
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 1)
まず、立入検査の実施率に関する状況です。
令和5年度は、対象となる8,138病院のうち、7,587病院に対して立入検査が実施されました。
これにより、実施率は93.2%となり、前年度の87.8%から上昇しています。
なお、前年度である令和4年度においては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、書面による自主点検をもって立入検査とみなす特例措置が取られていました。
令和5年度の検査実施施設数は、7,587施設となっています。
令和5年度の立入検査は、8,138 病院中、7,587 病院に実施され、実施率は、93.2%(令和4年度は 8,136 病院中、7,146 病院に実施し、実施率 87.8%)。
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 1)
令和4年度においては、新型コロナウィルス感染症の感染状況に鑑み、同年度に立入検査の実施が困難な場合は、医療機関において書面による自主点検を行い、当該自主点検の結果を検査実施機関が確認をすることで令和4年度立入検査を実施したものとみなしています。
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 2)
令和5年度 7,587 施設(令和4年度は7,146施設)
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 2)
次に、医療法に基づく標準数に対する医療従事者数の適合率についてです。
医師数の適合率は97.9%で、前年度と比べて0.4%減少しました。
地域別に見ると、医師数の適合率は近畿が99.6%と最も高かった一方、北海道東北は94.2%と最も低い数値を示しています。
看護師および准看護師数の適合率は99.4%となり、前年度から0.1%減少しました。
また、薬剤師数の適合率についても97.7%となり、前年度比で0.4%の減少が見られました。
このように、すべての職種において適合率が前年度を下回る結果となっています。
・医師数の適合率は、令和4年度に対し 0.4%の減。
・看護師・准看護師数の適合率は、令和4年度に対し 0.1%の減。
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 1)
・医師数の適合率 ・・・ 5年度 97.9% (4年度 98.3%)
・看護師・准看護師数の適合率 ・・・ 5年度 99.4% (4年度 99.5%)
・薬剤師数の適合率 ・・・ 5年度 97.7% (4年度 98.1%)
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 1)
5年度 北海道東北 94.2 近畿 99.6
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 8)
3つ目の論点として、適合率の低かった具体的な管理項目が挙げられます。
病院全体で最も適合率が低かったのは「サイバーセキュリティの確保」で、適合率は91.1%でした。
これに続き、「職員の健康管理」が92.1%、「医療法許可事項の変更」が92.7%となっています。
特に、サイバーセキュリティの確保については、前年度のデータが存在しない新規 of 検査項目でありながら、全体のなかで最も低い適合率を記録しました。
また、精神科病院に限定した結果においても、サイバーセキュリティの適合率は89.5%と極めて低い水準にあります。
精神科病院における適合率のワースト1位は「診療放射線の安全利用に係る研修の実施」で、89.3%でした。
1 管 理 サイバーセキュリティの確保 6,188 5,639 91.1 -
2 管 理 職 員 の 健 康 管 理 7,554 6,961 92.1 94.9
3 管 理 医療 法 許可 事 項の 変更 7,406 6,865 92.7 97.1
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 7)
1 管 理 診療放射線の安全利用に係る研修の実施 1,049 937 89.3 91.0
2 管 理 サイバーセキュリティの確保 939 840 89.5 -
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 14)
今回の立入検査結果からは、検査の実施率が回復する一方で、医療従事者数の適合率の微減や、新たな課題であるサイバーセキュリティ対策の遅れが浮き彫りとなりました。
特に、サイバーセキュリティの確保は、医療機関の安全な運営において極めて重要な要素となっています。
病院全体における医師数および看護師数の充足状況を見ると、両方が100%以上充足している病院は全体の97.0%に達しています。
しかし、一部の病院では依然として人員不足や管理体制の不備が残されているのが現状です。
今後、各医療機関がこれらの指摘事項に対してどのような改善策を講じていくかが注視されます。
医師数100%以上 看護師・准看護師数100%以上 病院数 7,362 構成割合 97.0
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 12)
医療法第25条の規定に基づく立入検査は、病院等が医療法及び関係法令に規定された人員及び構造設備等を有し、かつ、適正な管理を行っているかについて検査を行うことにより、病院等を良質かつ、適正な医療を行う場にふさわしいものとすることを目的としています。
(立入検査結果(令和5年度)[294KB].pdf, Page 1)
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