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CKD診療における診療科間連携の課題とは 日本医療政策機構がヒアリング調査報告書を公表

引用元:https://hgpi.org/research/ckd-ncd-20260630.html

引用元: https://hgpi.org/research/ckd-ncd-20260630.html


日本医療政策機構は、慢性腎臓病(CKD)の診療における診療科間連携の実態と課題を把握するためのヒアリング調査報告書を公表しました。

この調査は、腎臓専門医以外の医師を対象に個別に実施されたものです。

領域横断的なCKD対策を効果的に推進するため、他領域の専門家との連携強化に向けた実態がまとめられています。

本報告書は、領域横断的な CKD 対策・診療を推進することを目的として、医師への個別ヒアリングにより収集した意見を整理し、「CKD 診療における診療科間連携の実態と課題」を明らかにしたものである。

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 2)

1. 診療科ごとのCKD認識と対応の温度差

1つ目の論点は、診療科の専門領域によって、CKDへの認識や対応、ガイドラインの活用状況に大きな差があることです。

高血圧や糖尿病などを管理する「CKDに親和性の高い科」では、自施設で慢性的な腎機能低下を継続管理することが多いとされています。

一方で、整形外科や耳鼻咽喉科などの「局所を主に扱う科」では、日常的に血液検査を行わないため、CKDの積極的なスクリーニングは行われていません。

また、ガイドラインについても、親和性の高い科や一般内科が治療に活用している一方で、局所を主に扱う科では参照する機会がほとんどない実態が示されています。

整形外科・耳鼻咽喉科・精神科:血液検査を日常的に実施しないものの、腎機能に応じた薬剤選択や造影剤使用等への配慮が必要な診療科

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 3)

研修医時代以来、腎臓に関するガイドラインは一度も開く機会がなく、診療ガイドも含めて日常診療では参照しない。

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 6)

2. 腎臓専門医への紹介タイミングとコミュニケーションの課題

2つ目の論点は、腎臓専門医への紹介タイミングの見極めが難しく、双方向のコミュニケーションが不足している点です。

一般内科などでは、紹介が「早い」あるいは「遅い」と指摘されることがあり、適切なタイミングの判断に苦慮しています。

さらに、紹介後の専門医からの返信内容が抽象的であり、具体的な治療方針が十分に共有されないことが、円滑な連携の妨げとなっています。

「局所を主に扱う科」では、腎臓専門医との直接の連携フローがなく、近隣の専門医の情報を特定できないことが最大の障壁として挙げられています。

早期に紹介すると「早い」と受け取られ、一定期間経過観察後に紹介すると「遅い」と指摘されることがあり、連携先の腎臓専門医が適切と感じるタイミングを見極めることに難しさがある。

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 7)

腎臓専門医との連携は属人的かつ非体系的であり、明確なフローが存在しない。また、普段から連携している腎臓内科はなく、近隣の腎臓内科専門医の所在や紹介先に関する明確な情報を特定できないことが最大の障壁である。

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 8)

3. 医療機関の規模による診療実態と連携のハードルの違い

3つ目の論点は、診療所と病院という医療機関の規模による課題の違いです。

診療所においては、検査機材や時間の制約から、現行のガイドラインの内容を現場で実行することが難しいと指摘されています。

また、慢性疾患であるCKD患者を他院へ紹介することに対し、「患者を逃してしまう」という心理的ハードルも存在します。

これに対して病院では、迅速な採血や腎機能評価が可能である一方、院内フローが整備されていないため、紹介の早さが専門科同士の日常的な関わりに依存しているという課題があります。

ガイドラインはよくまとまっているものの、診療所の検査機材や時間の制約を考慮できておらず、現場では実行しにくい内容となっている。

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 10)

CKDは継続的な通院を要する慢性疾患であることから、他院への紹介は「患者を逃してしまう」という心理的ハードルがある。

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 11)

結び

今後は、かかりつけ医が主体的にCKD管理を担い、必要に応じて専門医へ紹介するという役割分担の考え方をさらに周知することが求められます。

また、専門外の医師が日常診療で活用しやすいよう、よりシンプルで実践的なガイドラインや、他科の視点に合わせた情報発信の工夫が注視されます。

日本腎臓学会において既に示されている、かかりつけ医が主体的に CKD 管理を担い、必要に応じて専門医へ紹介するという基本的な役割分担の考え方について、現場における理解と実践がさらに進むよう、一層の周知と具体化が図られることが望ましい。

(HGPI_ResearchReport_20260630_Medical-Practitioner-Interviews_CKD_JPN.pdf, Page 12)


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