療養病床の在り方をめぐる議論が本格化、厚生労働省の検討会で示された慢性期医療の課題と地域差の実態
平成27年9月9日、第2回「療養病床の在り方等に関する検討会」が開催されました。
この検討会では、超高齢社会における慢性期医療の提供体制や、療養病床の役割について具体的な議論が行われています。
国が推進する社会保障制度改革の中で、慢性期医療が果たすべき機能やその配置基準について、専門家や自治体関係者を交えた本格的な検討が進められています。
今回は、提示された重要な論点や、地域別の最新データをもとに、現状の課題を整理していきます。
日時:平成 27 年 9 月 9 日(水)17:00~19:00
(議事次第.pdf, Page 1)
超高齢社会の進展に伴い、複数の疾患や医療と介護の双方のニーズを併せ持つ高齢者が増加しています。
今後の慢性期医療は、単に病気を治すだけでなく、患者の生活全体を視野に入れた「治し、支える」医療への転換が求められています。
医療提供の形態としては、療養病床のように医療スタッフが内包される形と、在宅医療のように住まいを拠点とする形に大別されます。
それぞれの提供形態の在り方や、選択肢を考える上での患者の状態像などの条件について、議論が交わされています。
また、在宅復帰を支援する役割や、人生の最終段階における看取りの体制についても、療養病床に求められる機能として整理が進められています。
今後の超高齢社会では、複数の疾患を持ち、医療と介護 of ニーズを併せ持つ高齢者が増加していくが、慢性期医療には急性期医療とは異なる役割があること等を踏まえ、今後の慢性期医療の在り方についてどのように考えるか。
(具体的な改革の選択肢の整理等にあたってご議論いただきたい論点(たたき台)(第1回の資料4ー1).pdf, Page 1)
医療療養病床と介護療養病床の現状について、人員配置や財源の違いが詳しく示されました。
医療療養病床は20対1や25対1の人員配置がなされており、医療保険を財源としています。
一方、介護療養病床は介護職員や看護師が配置され、介護保険を財源としています。
入院患者の状況を見ると、医療療養病床(20対1)では、重度の医療ニーズを示す医療区分2・3の患者が約9割を占めています。
これに対し、介護療養病床では、比較的軽度な医療区分1の患者が約8割を占めており、要介護4や5の重度要介護者が多くを占めています。
このように、両者の病床における患者の状態像には明確な差異が見られます。
医療療養病床 20対1 財源 医療保険
介護療養病床 財源 介護保険
(医療療養病床(20対1・25対1)と介護療養病床との比較.pdf, Page 2)
医療療養病床(20対1) 医療区分1 11.1 医療区分2 50.8 医療区分3 38.1
介護療養型医療施設(病院) 医療区分1 80.5 医療区分2 13.7 医療区分3 5.9
(医療療養病床(20対1・25対1)と介護療養病床との比較.pdf, Page 5)
全国の療養病床数や介護保険施設の定員数には、都道府県ごとに非常に大きな地域差が存在することがデータで明らかになりました。
例えば、75歳以上人口千人あたりの療養病床数と介護保険施設定員数の合計において、全国の中央値は80.0です。
高知県などではその数が100を超えるなど大きく上回る一方、東京都や神奈川県などは下回っています。
また、人口10万対の療養病床数では、全国平均が257.8床であるのに対し、高知県は904.7床と約3.5倍に達しています。
このように、地域における医療・介護資源の偏りが、効率的な医療提供体制を構築する上での大きな課題となっています。
中央値 80.0 (愛媛県)
(医療・介護資源等に関する地域差のデータ.pdf, Page 14)
療養病床数(都道府県別、人口10万対) 全国 総数 328,195床 人口10万対 257.8床
(医療・介護資源等に関する地域差のデータ.pdf, Page 7)
地域医療構想の策定に向け、各自治体での具体的な検討や、地域医療構想調整会議の開催が進められる予定です。
平成27年度中には、介護保険施設等における利用者等の医療ニーズへの対応に関する調査研究事業なども計画されています。
慢性期医療の機能分化を進めつつ、地域における福祉・介護の受け皿を充実させる施策が求められています。
10
==End of OCR for page 11==
==End of PDF==
この記事はアーカイブです。無料会員登録で続きをお読みいただけます。
登録は無料・パスワード不要(メールに確認リンクが届きます)。登録済みの方はログイン