医師の働き方改革は新局面へ、労働時間縮減の成果と残された「3つの課題」
導入
みなさん、こんにちは。
医療政策に関する最新のニュースをお伝えします。
令和8年9月10日、第2回となる「医師の働き方改革の推進等に関する検討会」が開催されました。
今回の検討会では、医師の労働時間が全体として着実に減少している成果が報告されました。
その一方で、地域医療の質を維持しながら、さらなる労働時間の短縮を進めるための課題も浮き彫りとなっています。
検討会では、現状の分析結果をもとに、より実効性の高い支援策について議論が交わされました。
日時:令和8年9月 10 日(木)
10 : 00 ~ 12 : 0 0
場所:日比谷国際ビルコンファレンススクエア(オンライン併用)
(議事次第[66KB].pdf, Page 1)
主要な論点1:医療勤務環境改善支援センターの機能強化と在り方
1つ目の重要な論点は、都道府県が設置する「医療勤務環境改善支援センター」、通称「勤改センター」の在り方についてです。
現在、全都道府県にセンターが設置され、医療機関への個別相談やアドバイザーの派遣などが行われています。
しかし、センターの運営体制や活動内容、医療機関への支援実績には地域ごとに大きなばらつきがあることが明らかになりました。
今後は、相談対応を中心とした従来の支援にとどまらず、医療機関の業務効率化に向けたICT機器の導入支援を強化していく方針が示されています。
また、支援の成果を適切に評価するため、実効性のある「アウトカム指標」の設定や、計画策定後の継続的なフォローアップ支援の充実が求められています。
〇 勤改センターについては、地域規模や医療機関数の違いといった構造的な要因も背景にあり、都道府県ごとに職員配置やアドバイザー等の支援体制に差がみられる。また、医療機関への支援実績や支援内容についても地域差が認められる。
(資料3 勤改センターの在り方・短縮目標ライン等[2.4MB].pdf, Page 10)
● その上で、勤改センターの機能強化と効果的な運営業務にあたっては、各都道府県において、支援の成果を適切に把握・評価できるよう、実効性のあるアウトカム設定を進めるとともに、相談対応を中心とした支援に加え、特定労務管理対象機関等に対する継続的な状況把握、課題分析及び改善に向けたフォローアップ支援の充実を図ってはどうか。
(資料3 勤改センターの在り方・短縮目標ライン等[2.4MB].pdf, Page 10)
主要な論点2:次期「短縮目標ライン」の検討と診療科ごとの課題分析
2つ目の論点は、時間外労働の段階的な引き下げ基準となる「短縮目標ライン」の見直しについてです。
特定労務管理対象機関における連携B・B水準適用医師の時間外・休日労働時間は、全体として着実に減少していることが示されました。
しかしその一方で、各医療機関における対象医師の最大労働時間が年960時間を超えている医療機関は、依然として全体の約8割を占めています。
特に、循環器内科、外科、心臓血管外科、救急科の4つの診療科において、年960時間を超える医師が多数存在している実態が報告されました。
国や都道府県は、長時間労働が継続している医療機関や診療科の課題を引き続き詳細に分析し、実効性のある労働時間短縮計画の策定を促す必要があります。
○ 特定労務管理対象機関における連携B・B水準医師の時間外・休日労働時間の実情については、全体として縮減傾向が見られた。
○ 一方で、高い労働負荷が認められる医師層においては依然として長時間労働が認められており、各医療機関における連携B・B水準医師の最大時間外・休日労働時間が年960時間を超える医療機関は、なお約8割を占めている。
(資料3 勤改センターの在り方・短縮目標ライン等[2.4MB].pdf, Page 21)
○ 年960時間超医師数を診療科別にみると、循環器内科、外科(外科+消化器外科)、心臓血管外科、救急科の順に多かった。
(資料3 勤改センターの在り方・短縮目標ライン等[2.4MB].pdf, Page 21)
主要な論点3:臨床研修医の修練機会確保とC水準の適切な運用
3つ目の論点は、若手医師の研修環境と、集中的に技能を向上させるための「C水準」の運用についてです。
アンケート調査によると、臨床研修医の約6割が「興味のある分野などで残って修練を積みたい」と回答しています。
しかし、一部の医療機関では、時間外労働を制限するために就業時刻後の院内滞在を一律に禁止するなどの過剰な制限が行われていることが指摘されました。
これに対し、医療機関ごとに研修医が希望する修練を行える環境を確保するための適切な周知を行うべきだとの方向性が示されました。
また、高度な技能修得を目指す「C-2水準」については、制度の理解不足や申請手続きの煩雑さが依然として課題となっており、手続きの簡素化やマニュアルの充実が求められています。
○ 臨床研修において、興味等に応じて残って修練を積みたいと回答した臨床研修医の割合は6割以上であった。そして、時間外・休日労働時間の規制によらず、臨床研修医を帰宅させる方針を採っている施設に従事していた医師の割合は2割程度であった。
(資料3 勤改センターの在り方・短縮目標ライン等[2.4MB].pdf, Page 25)
● 臨床研修医は、一定期間集中的に数多くの診療を行い様々な症例を経験することで、医師としての基礎的な技能や能力を修得することができる。各臨床研修病院が定めた臨床研修の目標や内容等を踏まえ、当直等も含め修練に励む時間を確保する必要がある場合には、例えば各病院において臨床研修医に対して就業終了時刻後の院内滞在を一律に禁止とするなどの過剰な制限まで求めているものではないといった周知を行うことで、医療機関ごとに臨床研修医が希望する修練を行える環境を確保できるよう対応してはどうか。
(資料3 勤改センターの在り方・短縮目標ライン等[2.4MB].pdf, Page 25)
結び
今回の検討会では、医師の働き方改革が着実に前進している一方で、制度の定着に向けた運用面での細かな課題が浮き彫りとなりました。
検討会は今後、今回の議論を踏まえたさらなる検討を重ね、労働規制に関する医師や医療機関への周知を徹底していく予定です。
そして、報告書の骨子作成やとりまとめに向けた作業が進められる見通しとなっています。
医師の健康を守り、地域医療の持続可能性を両立させるため、今後の動向が引き続き注目されます。
以上、医療政策に関する最新のニュースをお伝えしました。
第3回 以降
○ 第2回検討会を踏まえた議論
○ 労働規制に係る医師及び医療機関への周知等
○ その他の課題
報告書の骨子・とりまとめ
(資料3 勤改センターの在り方・短縮目標ライン等[2.4MB].pdf, Page 3)
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