2026年世界保健総会で新たな薬剤耐性グローバル計画が採択、10年の課題から公平なアクセスとワンヘルス強化へ
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2026年5月23日、スイスのジュネーブで開かれた第79回世界保健総会において、薬剤耐性(AMR)に関する新たなグローバル・アクション・プランが採択されました。
この計画は、2026年から2036年までの10年間を対象としており、2015年以来初めての包括的な改訂となります。
細菌性AMRは、2021年だけで推定114万人の直接的な死亡をもたらした、深刻な地球規模の健康課題です。
2026年5月23日、加盟国は2026年から2036年を対象とする薬剤耐性に関するグローバル・アクション・プラン(GAP-AMR: Global Action Plan on Antimicrobial Resistance)の改訂版を採択しました。
これは、2015年以来初めてとなる世界のAMR対策の包括的な見直しです。
(AMR Policy Update #6)
これまでの10年間で、178か国が国家行動計画(NAP)を策定しました。
しかし、実際に計画が実施されているのはそのうちの68%にとどまっているのが現状です。
さらに深刻なことに、計画を実行するための国内予算が確保されている国は、わずか11%しかありません。
特に低・中所得国においては、具体的な財政措置を報告できた国は2024年時点で10%にすぎず、予算不足が大きな課題となっています。
178か国がNAPを策定しているものの、現在実施されているのは68%にとどまり、国内予算が確保されているのはわずか11%にすぎません。
低・中所得国では状況はさらに深刻です。
2024年時点で、分野横断的な計画に対する具体的な財政措置を報告した国は10%にすぎませんでした。
(AMR Policy Update #6)
2015年に策定された前回の計画には、明確な数値目標や期限が設定されていませんでした。
また、抗菌薬の「適正使用」に重点が置かれすぎたあまり、薬を必要とする人々へ届ける「公平なアクセス」への配慮が不足していました。
その結果、2021年には、低・中所得国において、耐性感染症で亡くなった人よりも、必要な抗菌薬を入手できずに命を落とした人のほうが多かったという厳しい現実が報告されています。
また、2015年のGAP-AMRは期限付きの目標がなく、公平なアクセスよりも抗菌薬の適正使用に重きが置かれていた。
実際、2021年には、低・中所得国では、耐性感染症で亡くなった人よりも、必要な抗菌薬にアクセスできずに命を落とした人のほうが多かったことが報告されています。
(AMR Policy Update #6)
今回の新しいアクションプランは、国際的な分野横断の協力体制によって策定されました。
具体的には、世界保健機関(WHO)、国際連合食糧農業機関(FAO)、世界動物保健機関(WOAH)、および国連環境計画(UNEP)の四つの機関が共同で取り組んでいます。
この四者連携体制により、人、動物、そして環境の健康を一体として守る「ワンヘルス・アプローチ」が、AMR対策の基本原則として改めて強く反映されました。
新たなアクションプランは、四者連携(Quadripartite(クアドリパータイト))、すなわち世界保健機関(WHO: World Health Organization)、国際連合食糧農業機関(FAO: Food and Agriculture Organization of the United Nations)、世界動物保健機関(WOAH: World Organisation for Animal Health)、および国連環境計画(UNEP: United Nations Environment Programme)によって共同で策定されました。
また、世界のAMR対策の基本原則として、ワンヘルス・アプローチの重要性を反映しています。
(AMR Policy Update #6)
新たなアクションプランは、これまでの教訓を反映し、より説明責任を伴い、公平で、測定可能な枠組みを目指しています。
もし効果的な対策が講じられなければ、AMRは10年以内に世界の平均寿命を1.8年短縮させ、2050年までに累計で最大3,900万人の命を奪う可能性があります。
日本にとっても、アジア太平洋地域との密接なつながりを考えると、近隣諸国の対策状況は共通の健康安全保障上のリスクです。
この新しいグローバル計画が各国でどのように具体化され、予算化されていくのか、今後の動向を注視する必要があります。
断固たる対策が講じられなければ、AMRは10年以内に世界の平均寿命を1.8年短縮させ、AMRによって命を落とす人々の累計数は2050年までに最大3,900万人に達する可能性があります。
貿易や旅行、人の移動を通じて日本とアジア太平洋地域は密接に結ばれており、近隣諸国でAMR対策への投資が滞れば、地域共通の健康安全保障上のリスクに繋がりかねません。
(AMR Policy Update #6)
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