医療のデジタル化と負担軽減へ、政府が「規制改革実施計画」を閣議決定
引用元:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_plan.html
引用元: https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_plan.html
政府は、令和8年7月21日に「規制改革実施計画」を閣議決定しました。
この計画は、日本の経済成長や地域活性化に向けて、利用者目線での規制・制度改革を強力に進めるためのものです。
医療分野においても、デジタル技術の活用や、人手不足への対応を見据えた重要な見直し方針が示されています。
この規制・制度改革をより一層推進するため、内閣総理大臣の諮問機関として規制改革を総合的に調査審議する「規制改革推進会議」を令和元年10月に常設 of 会議体として設置して以降、規制改革推進会議においては、令和2年7月2日、令和3年6月1日、令和4年5月27日、令和5年6月1日、令和6年5月31日及び令和7年5月28日に答申が提出されていたが、その後、引き続き検討を行い、「規制改革推進に関する答申」(令和8年6月29日規制改革推進会議決定)が内閣総理大臣に提出された。
(『規制改革実施計画』(PDF形式_1,320KB).pdf, Page 1)
1つ目の大きな論点は、電子カルテデータの利活用を促す取り組みです。
医療の質を高め、研究開発を加速させるため、電子カルテ情報共有サービスで扱う情報の範囲を広げたり、データの保存期間を延長したりします。
さらに、二次利用を可能にするための対象情報の拡充についても検討が進められます。
これらは、令和8年に結論を出し、その後速やかに措置を講じる予定です。
厚生労働省は、電子カルテ情報共有サービスについて、現行の対象情報には、特定の疾患における検査結果や、災害時、救急時、転院時等に必要となる薬剤処方理由等が含まれておらず、臨床現場において必要となる情報としてはなお不足があるとの指摘や、患者本人の意思に即した適切な医療の提供のためには、長期的な治療方針及びそれに対する患者の考え方などを医療機関間で連携する必要があり、それらの情報も対象情報とすべきとの声、さらには、医療機関から登録された電子カルテデータの保存期間について、例えば、先天性疾患や小児がんは、ライフステージの早い段階で治療し長期にわたりフォローアップが必要となる一方、現行の電子カルテ情報共有サービスにおけるデータ保存期間が最長5年(個々の医師による判断で設定される長期保存フラグが付されたものを除く。)となっていることから利活用が困難であるとの声などを踏まえ、電子カルテ情報共有サービスの対象情報の拡充及びその標準化並びに医療機関から登録された電子カルテデータの保存期間の延長について、臨床現場のみならず患者の意見も十分に聴取し、具体的なニーズ及び重要性を踏まえつつ、以下の事項を含め検討し、結論を得次第、速やかに所要の措置を講ずる。
(『規制改革実施計画』(PDF形式_1,320KB).pdf, Page 21)
2つ目は、地域におけるオンライン診療のさらなる普及と円滑化です。
患者が看護師などと一緒にいる状態でオンライン診療を受ける「D to P with N」について、看護師が行う診療補助行為の範囲を明確にします。
具体的には、点滴や注射、血液検査などをオンライン診療専用車両等でも行えるようにします。
厚生労働省は、令和9年上期までに調査研究結果を取りまとめ、結論を得た上で速やかに必要な措置を行う方針です。
厚生労働省は、オンライン診療受診施設で D to P with N を実施する場合における看護師等による診療の補助について、現状の D to P with N の運用状況に関する調査研究の結果を取りまとめ、その結果を踏まえつつ、以下の事項を含めて必要な留意事項の周知及びガイドライン等の整備を行う。
・オンライン診療受診施設として届出されたオンライン診療専用車両等においても、点滴、注射、血液検査、尿検査、超音波検査、心電図検査などの一定の診療の補助行為が可能であることを明確化すること。
(『規制改革実施計画』(PDF形式_1,320KB).pdf, Page 143)
3つ目は、医師による画像読影等におけるAI技術の活用です。
現在、胃がん、肺がん、乳がんの検診では、見落としを防ぐために2名以上の医師による「二重読影」が求められています。
しかし、読影を行う医師の不足や高齢化が深刻化しているため、業務負担の軽減が急務となっています。
そこで、読影支援AIなどの技術を活用し、医師1名での読影でも可能とする方向で見直しが検討されます。
令和8年に検討を開始し、令和9年に結論を出すスケジュールとなっています。
厚生労働省は、がん検診指針において、国が推奨する検診方法として、胃がん検診における胃部エックス線検査、肺がん検診における胸部エックス線検査及び乳がん検診における乳房エックス線検査において二重読影が必要とされていることについて、読影精度を担保しつつ、読影医の業務負担を軽減するため、医師1名の読影でも可能とする方向で見直すことについて検討し、結論を得る。その際、医師1名の読影でも可能とする方向で見直すことについて、次の①及び②の検証に関して実施の可否を含めて検討を行う。
(『規制改革実施計画』(PDF形式_1,320KB).pdf, Page 38)
今回の閣議決定により、医療分野におけるデジタル技術の導入や、現場の負担軽減に向けた具体的なロードマップが示されました。
今後は、それぞれの検討項目について期限内に結論を出し、着実に制度改革が実行されるかどうかが注視されます。
医療の安全と利便性を両立させるための、これからの動きに期待が高まります。
上記答申等を踏まえ、対象となった規制や制度、その運用等については、直ちに改革に着手し、期限を定めて着実に実現を図っていくため、下記のとおり規制改革実施計画を定める。
(『規制改革実施計画』(PDF形式_1,320KB).pdf, Page 1)
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