生活保護基準の検証を補完する「社会的必需項目」の見直しへ、厚生労働省が新たな検証方針を提示
厚生労働省は、令和8年7月29日に第59回社会保障審議会生活保護基準部会を開催しました。
今回の会議では、一般の低所得世帯と生活保護受給世帯の生活実態を比較するため、「消費実態による検証を補完する方法」について議論が行われました。
特に、最低限の生活を営む上で必要とされる「社会的必需項目」の選定基準や評価方法について、最新の調査データを活用した見直し案が提示されました。
社会保障審議会生活保護基準部会(第59回)
令和8年7月29日(水)17時00分~19時00分
於:AP虎ノ門11階A室
< 議 事 次 第 >
1. 開会
2. 議事
・消費実態による検証を補完する方法について
3. 閉会
(議事次第.pdf, Page 1)
第一の論点は、これまでの定期検証で参照してきた13の「社会的必需項目」を、2023年の最新調査結果に基づいて22項目へ更新する案が示されたことです。
この更新にあたっては、住宅環境に関する項目を除外する一方で、「インターネット」や「テレビ」など11項目を新たに追加し、これまでの「固定電話の保有」や「親戚の冠婚葬祭への出席」の2項目を除外する整理が提案されました。
社会的必需項目の更新に当たって、2023年「大人の必需品に関する調査」において支持率が50%以上であって、「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」の質問項目となっている項目に基づくこととする場合、一部の項目について以下のとおりの取扱いとすることでよいか。
① 住宅環境に関する項目は、給湯器の保有状況を除き、不足している理由を把握しておらず、生活扶助で対応する項目でないことから、社会的必需項目から除外する整理でよいか。
((資料) 消費実態による検証を補完する方法.pdf, Page 14)
第二の論点は、社会的必需項目をさらに所得や生活意識との関連性から絞り込む検討が行われたことです。
金銭的な理由で不足している割合について、所得の差や主観的な生活困難感(生活意識)との間で統計的に有意な差がある項目に絞り込んだ場合、既存の「スマートフォン・携帯電話」や新規の「テレビ」、「冷蔵庫」などが除外され、合計13項目が残るという分析結果が示されました。
仮に、社会的必需項目について、所得または生活意識との関連が有意でない項目を除外する場合、既存項目の「スマートフォン・携帯電話」、「炊飯器」、「電気掃除機」が除外され、新規項目の「テレビ」、「洗濯機」、「冷蔵庫」、「電子レンジ」、「家族全員が座れる食卓」が除外され、合計13項目が残ることになるが、このような方法で項目を絞ることについてどのように考えるか。
((資料) 消費実態による検証を補完する方法.pdf, Page 22)
第三の論点は、社会的必需項目の不足状況を総合的に評価するための具体的な2つの方法が提示されたことです。
1つ目は、経済的な理由で項目が不足している世帯の割合を「不足している項目数別」に把握する方法です。
2つ目は、「大人の必需品に関する調査」における各項目の必要性(支持率)で点数を重み付けし、総合的な指標を算出する方法が示されました。
〇 令和4年「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」の個票データを用いて、以下の2つの方法により、社会的必需項目の不足状況を総合的に把握する。
① 社会的必需項目が経済的な理由で不足している世帯の割合を該当項目数別に把握する。
② 大人の必需品に関する調査における各項目の支持率(必要と回答した割合)で重み付けして、社会的必需項目に該当する項目の総合的な指標を算出する。
((資料) 消費実態による検証を補完する方法.pdf, Page 23)
今後の検証に向けて、部会ではこれらの社会的必需項目の充足状況について、一般世帯と生活保護受給世帯を比較する方針です。
また、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査結果について、時系列での変化を分かりやすく参照できるようにする作業を進めるとしています。
〇 家庭の生活実態及び生活意識に関する調査結果については、一般世帯と生活保護受給世帯との比較だけでなく、時系列での変化について分かりやすく参照できるようにする。
((資料) 消費実態による検証を補完する方法.pdf, Page 6)
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