2040年を見据えた介護保険制度の改革へ、改正社会福祉法等のポイントと第10期計画への影響
導入
厚生労働省は、令和8年7月15日に全国介護保険担当課長会議を開催しました。
この会議では、介護保険制度を取り巻く様々な課題や、今後の改革の方向性が示されました。
特に注目されるのは、令和8年6月に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」の概要です。
この法改正は、質の高い福祉サービスの確保と安定した経営基盤の確立を目的としています。
あわせて、令和9年度から始まる第10期介護保険事業計画の策定に向けた準備についても、具体的な方針が説明されました。
高齢化がさらに進む2040年を見据え、国と自治体が一体となって改革を進めていく姿勢が強調されています。
「社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第 51 号。以下「改正法」
という。)」が本年6月 19 日に成立し、同月 25 日に公布された。
(資料1 総務課.pdf, Page 3)
主要な変更点1:中山間・人口減少地域における「特定地域サービス」等の創設
1つ目の重要な変更点は、中山間地域や人口減少地域における介護サービスの確保に向けた取り組みです。
これらの地域では高齢者人口の減少や介護人材の不足が深刻化しており、従来のサービス提供が困難になっています。
そのため、地域の実情に応じた柔軟な配置基準や、月当たり定額報酬などの包括的な評価を導入できる「特定地域サービス」が新設されます。
また、地域のサービス提供主体が著しく少ない場合に、市町村が自ら事業として実施できる「特定地域居宅サービス等事業」も新たに創設されます。
これらの制度は、地域全体の支え合いを強化することを目指しており、令和9年4月1日から施行される予定です。
改正法は、介護保険関係では、①中山間・人口減少地域において、地域の実情に応じた
配置基準や包括的な評価の仕組みを導入できる特例介護サービスの類型
(「特定地域サービス」)の新設(令和9年4月1日施行)や、地域のサービス提供
主体が少ない場合に市町村が事業として居宅介護サービス等を実施できる「特定地
域居宅サービス等事業」の創設(令和9年4月1日施行)、
(資料1 総務課.pdf, Page 3)
主要な変更点2:ケアマネジャーの資格更新制度の廃止と法定研修の見直し
2つ目の変更点は、介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの資格更新制度の廃止と法定研修の見直しです。
これまでは専門知識の向上を目的に、5年ごとの更新と研修受講が義務付けられていました。
しかし、この仕組みはケアマネジャーにとって時間的、経済的な負担が非常に大きいという指摘がなされていました。
今回の法改正により、研修受講を要件とした従来の更新制度は廃止されることになります。
一度交付を受けた資格は、期限によって失効することがなくなります。
今後は、より柔軟に受講できる研修制度への移行が検討されており、この見直しは公布後1年6月以内に政令で定める日から施行されます。
⑤介護支援専門員の更新制の廃止・法定研修の見直し(公布後
1年6月以内に政令で定める日施行)を主な内容としており、
(資料1 総務課.pdf, Page 3)
研修受講を要件とした資格更新の仕組みを廃止
一度交付を受けた資格は、期限により失効することはなくなります。
(資料1 総務課.pdf, Page 16)
主要な変更点3:有料老人ホーム制度の見直しと登録制の導入
3つ目の変更点は、有料老人ホームにおける入居者保護を目的とした制度の見直しです。
近年、中重度の要介護者が入居する有料老人ホームが増加しており、入居者の保護やサービスの透明性が課題となっていました。
そこで、一定の要件に該当する有料老人ホームを対象に、都道府県等への登録制度が導入されます。
さらに、登録された有料老人ホームの入居者に対し、ホームとは独立した立場でケアプランの作成や地域生活相談を行う「登録施設介護支援」が新設されます。
これにより、入居者が安心して適切なサービスを選択し、利用できる環境が整えられます。
登録制度は公布後2年以内、相談支援の新設は公布後3年以内に、それぞれ政令で定める日から施行される予定です。
②中重度等の
要介護者を入居させる有料老人ホームに係る都道府県等への登録制度の導入(公布
後2年以内に政令で定める日施行)、その入居者に対する相談支援を行う「登録施
設介護支援」の新設(公布後3年以内に政令で定める日施行)、
(資料1 総務課.pdf, Page 3)
登録制の導入
有料老人ホームのうち、中重度の要介護者など、特に入居者保護の必要性が高い方を入居対象とするホーム(※1)について、
入居者保護の観点から、登録制を導入します。
(資料1 総務課.pdf, Page 11)
結び
今後のスケジュールについて、厚生労働省は各改正事項の円滑な施行に向け、社会保障審議会などで必要な政省令の改正等の準備を早期に進めていくとしています。
また、各地方自治体に対しては、円滑な準備ができるよう、できる限り早く情報を提供していく方針が示されました。
各自治体においては、今回の法改正の内容を十分に把握した上で、2040年を見据えた「第10期介護保険事業計画」の策定作業を進めていくことが求められます。
今後、各改正の施行に
向け、社会保障審議会介護保険部会や介護給付費分科会等の関係審議会で議論し、
必要な政省令の改正等の準備を早期に進めていくこととしている。
(資料1 総務課.pdf, Page 3)
各地方自治体において施行
に向けた準備に円滑に取り組んでいただけるよう、厚生労働省としても、できる限
り早く情報を地方自治体にお知らせしていきたいと考えている。
(資料1 総務課.pdf, Page 3)
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