包括的な福祉支援体制の強化へ、社会福祉法等改正の全容が明らかに
令和8年7月17日に、第30回社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会が開催されました。
この部会では、社会福祉法等の一部を改正する法律についての概要が詳しく報告されました。
今回の法改正は、質の高い福祉サービスの確保と、社会福祉事業等の安定した経営基盤の確立を両立することを目的としています。
多様で複雑化する福祉ニーズに対応するため、包括的な支援体制を強化することが目指されています。
質の高い福祉サービスの確保と、社会福祉事業等の安定した経営基盤の確立を両立するため、多様で複雑な福祉ニーズに対応した包括的な支援体制を強化します。
((資料2)社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について.pdf, Page 2)
1つ目の重要な変更点は、小規模市町村における包括的な支援体制の整備です。
現在、人口減少や高齢化が進む中で、生活上の課題は多様化しています。
しかし、小規模な市町村では、介護や障害、生活困窮といった分野ごとに対応する専門人材を確保することが困難になっています。
この課題を解決するため、分野を超えて柔軟に対応できる体制が整えられます。
具体的には、相談支援事業、地域づくり事業、そして地域と福祉支援体制の協働を推進する事業の3つを一体的に実施する事業が新設されます。
一次相談対応として、こども、介護、障害、困窮などの分野を問わず、身近な地域で多様な相談を受け止める体制が作られます。
専門的な対応が必要な場合には、都道府県や近隣自治体が後方支援を行います。
また、地域づくり事業においては、分野を超えて活動を支える地域活動コーディネーターが配置されます。
人口減少や高齢化が進み、生活上の課題も多様化しています。また、小規模市町村では、「介護・障害・こども・生活困窮などの分野ごとに対応する人を確保できない」という課題に直面しています。このような課題に対応するため、分野を超えて対応できる体制を整えます。
((資料2)社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について.pdf, Page 3)
2つ目の重要な変更点は、頼れる身寄りがいない高齢者等への支援の充実です。
単身世帯の増加や成年後見制度の見直しの動きなど、社会状況は大きく変化しています。
身寄りのない高齢者の方々が地域で安心して生活を続けるためには、日常生活の金銭管理や、入院・入所の手続き、死後の事務手続きなどへの支援が必要です。
これまでは家族や親族が担ってきたこれらの生活上の課題に対応するため、新たな仕組みが創設されます。
日常生活の支援や入院・入所の手続き支援、死後の事務支援などを、利用者のうち一定割合以上に無料または低額で提供する事業が、第二種社会福祉事業として明確に位置づけられます。
これにより、社会福祉協議会や社会福祉法人など、多様な主体が支援を提供できるようになります。
あわせて、介護、障害、生活困窮といった福祉の各分野における既存の支援体制においても、頼れる身寄りがいない高齢者等からの相談対応が明確に位置づけられます。
生活困窮者自立相談支援事業などの対象として、身寄りのない高齢者等への相談対応が明確化されることになります。
こうした課題に対応するため、日常生活の支援や入院・入所の手続支援、死後の事務支援などを利用者のうち一定割合以上に無料または低額で提供する事業を、第二種社会福祉事業として位置付け、多様な主体が支援の提供を担えるようにします。
((資料2)社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について.pdf, Page 6)
3つ目の重要な変更点は、ケアマネジャー、つまり介護支援専門員の更新制の廃止です。
これまでは、5年ごとの資格更新時に研修の受講が義務付けられていました。
しかし、この研修受講に紐付く負担が大きいとの指摘があり、見直しが求められていました。
今回の法改正により、研修受講を要件とした資格の更新制度そのものが廃止されます。
一度交付を受けた資格は、期限によって失効することがなくなります。
一方で、ケアマネジャーの専門性の維持や向上のため、定期的に受講する研修制度は継続されます。
新しい研修制度では、一定期間の間に任意のタイミングで分割して受講できる仕組みとし、全体としての受講時間数の縮減も検討されます。
さらに、事業者に対しても、従事するケアマネジャーが研修を受講できるよう、必要な措置を講ずる義務が課されます。
国による教材の一元作成や、オンライン受講の推進なども合わせて行われる予定です。
介護支援専門員(ケアマネジャー)の更新制を廃止し、法定研修の見直しを行います。
((資料2)社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について.pdf, Page 2)
・研修受講を要件とした資格更新の仕組みを廃止
・一度交付を受けた資格は、期限により失効することはなくなります。
((資料2)社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について.pdf, Page 14)
今回の改正事項は、令和9年4月1日の施行を原則としています。
ただし、改正事項によっては施行日が異なるため、個別のスケジュールを確認する必要があります。
生活困窮者自立支援制度や介護保険制度など、多岐にわたる福祉分野がどのように連携し、地域共生社会の実現に向けて進んでいくのか、今後の動向が注目されます。
施行日:令和9年4月1日が原則ですが、改正事項によって異なります。(各改正事項を参照ください。)
((資料2)社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について.pdf, Page 2)
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