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新たな薬剤耐性グローバル・アクション・プランが採択、10年の羅針盤となる「GAP-AMR 2026-2036」の要点と日本の役割

引用元:https://hgpi.org/research/amr-policy-update-7.html

引用元: https://hgpi.org/research/amr-policy-update-7.html


2026年5月23日、第79回世界保健総会において、新たな「薬剤耐性に関するグローバル・アクション・プラン」が採択されました。

これは、WHOなど四つの国際機関が共同で策定した、2026年から2036年までの10年間を見据えた行動計画です。

今回の改訂では、これまでの課題を踏まえ、より実効性を高めるための重要な見直しが行われました。

本日は、この計画の主な変更点や採択までの経緯、そして日本への影響について分かりやすくお伝えします。

2026年5月23日に2026–2036年のGAP-AMRが採択され、第79回世界保健総会は、世界のAMR対策における重要な節目となりました。新たなGAP-AMRは、2024年の国連ハイレベル会合の政治宣言に沿ったより明確な数値目標、四者連携によって制度化されたワンヘルス・アプローチの体制、そして公平性・アクセス・予防へのさらなる重点などを組み合わせながら、前身のGAP-AMRが抱えていた課題に対処しています。

(AMR Policy Update #7)

今回の改訂における1つ目の重要な変更点は、戦略目標が従来の5つから6つへと拡大されたことです。

新しく追加された6つ目の目標には、分野横断的なガバナンス、持続可能な財源の確保、そして説明責任という3つの要素が盛り込まれました。

これは、過去10年間の活動において大きな障壁となっていた、実施面や資金面の課題に対処するためのものです。

構造面での大きな変化は、戦略目標が5つから6つへと拡大されたことです。新たに加わった6つ目の目標には、過去10年間で明らかになった実装面や財政面の課題に対応するため、分野横断的なガバナンス、持続可能な財源確保、説明責任という3つの要素が含まれています。

(AMR Policy Update #7)

2つ目の変更点は、環境分野がヒトや動物の健康と同等の重要な柱として位置づけられたことです。

これにより、ワンヘルス・アプローチがより包括的な形でAMR対策の基本に据えられることになりました。

ヒト、動物、環境のデータを一元的に連動させる統合的なサーベイランスの仕組みなど、前回の計画からの教訓が数多く反映されています。

ここで重要なのは、環境という側面をヒトおよび動物の健康と並ぶ柱として位置づけられた点です。10年前のアクションプランよりも、ワンヘルス・アプローチがさらに包括的な形でAMR対策の基本に据えられました。

(AMR Policy Update #7)

3つ目の変更点は、「予防ファースト」をアクションプラン全体を貫く基本理念として強く打ち出した点です。

ワクチン接種、感染対策、水と衛生の改善、そして抗菌薬の適正使用が対策の中核に据えられました。

さらに、2030年までに細菌性AMRに関連するヒトの死亡を10%削減するという、具体的な数値目標も引き継がれています。

今回はそれを維持したうえで、予防ファースト(prevention-first)をアクションプラン全体を貫く考え方としてより重視しています

これらの取り組みが見据えるのは、2024年の国連政治宣言が掲げ、新たなGAP-AMRにも引き継がれた「2030年までに細菌性AMRに関連するヒトの死亡を10%削減する」という目標です。

(AMR Policy Update #7)

この新しい計画の採択に至るまでには、加盟国間での緊迫した交渉プロセスが存在しました。

特に、2026年2月のWHO執行理事会では、知的財産権と技術移転をめぐる議論が対立し、草案の採択が一時延期される事態となっています。

最終的には、国際的および国内的な規則を尊重しつつ、知識の共有や技術移転を促進するという表現で合意に達しました。

2026年2月の第158回WHO執行理事会では草案の採択が見送りとなりました。

見送りに繋がった大きな論点の1つが、知的財産(IP: Intellectual Property)および技術移転に関する規定です。

数か月にわたる協議を経て、加盟国は「国際的および国内的な規則を尊重しつつ、知識の共有およびAMR関連技術の移転を促進すること(the promotion of knowledge sharing and the transfer of AMR-related technologies, respecting international and national rules in line therewith)」という表現を採用することで合意しました。

(AMR Policy Update #7)

日本はこれまで、国家行動計画の策定や統合的なサーベイランスの実施など、世界のAMR対策をリードしてきました。

今回の新しい計画は、日本の今後の取り組みに対しても、いくつかの重要な示唆を与えています。

次期アクションプランの検討に向けて、必要な費用の事前見積もりや、測定可能な指標による進捗確認を行うことが求められるでしょう。

また、厚生労働省、農林水産省、環境省の連携をさらに深め、環境モニタリングやアジア太平洋地域での支援を強化することが期待されています。

日本は、AMRにおいて継続的なリーダーシップを発揮できる。これまでの国家行動計画(NAP: National Action Plan)と統合的なサーベイランスの実績を土台に、今後は省庁横断的な環境モニタリングをさらに深化させることができるだろう。さらに新たなNAP-GAPのもとで、必要な費用の見積もりや測定可能な目標を活用し、市民社会のプラットフォームと連携しつつ、アジア太平洋地域のキャパシティビルディングに貢献することが期待される。

(AMR Policy Update #7)


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