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新たな医療機器の保険適用とOTC類似薬「一部保険外療養」の全貌が決定、中医協総会で答申

引用元:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76219.html

引用元: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76219.html


令和8年9月16日に、中央社会保険医療協議会の第657回総会が開催されました。

今回の会議では、医療機器や臨床検査の新たな保険適用について重要な議論が交わされました。

また、デジタル技術を用いたプログラム医療機器を選定療養へ導入することについても報告が行われています。

さらに、患者の薬剤費自己負担に大きな影響を与える、一部保険外療養制度の創設に伴う療養担当規則の見直しについても審議されました。

医療現場の効率化や公平な負担の実現を目指し、数多くの具体的な変更が決定されています。

中央社会保険医療協議会 総会(第 657 回) 議事次第

令和8年9月 16 日(水)

議題

○ 医療機器及び臨床検査の保険適用等について

○ 個別改定項目について

(第657回総会議事次第.pdf, Page 1)

主要な論点の1つ目は、新規医療機器および臨床検査の保険適用についてです。

今回の総会では、患者の治療や診断に大きく寄与する新たな医療材料の保険償還価格が決定されました。

例えば、手術後の組織の癒着を軽減するために使用される粉末状の「シーエスバリア」が、区分C1の新機能として承認されています。

この製品は、腹部や骨盤腔の手術において術後癒着の頻度や程度を軽減する目的で使用され、1グラム当たり34,100円として保険償還されることが決まりました。

また、前立腺の手術後に生じた尿失禁の治療に用いられる「セルーション セルセラピーキット SUI」は、区分C2の新機能・新技術に指定されました。

こちらは、脂肪組織から間葉系幹細胞を分離して投与するための単回使用専用キットであり、1個当たり860,000円という高い償還価格が設定されています。

臨床検査の分野でも、結核や非結核性抗酸菌感染の診断を補助する「MEBGEN 抗酸菌核酸同定 キット」や、HTLV-1関連脊髄症の活動性を評価するための「CXCL10 ELISA コスミック」が新たに保険適用となります。

医療機器の保険適用について(令和8年 12 月1日収載予定)

区分C1(新機能)

① シーエスバリア 生化学工業株式会社 1g当たり 34,100 円

区分C2(新機能・新技術)

② セルーション セルセラピーキット SUI ADR セラピューティクス株式会社 860,000 円

(総-1-1 医療機器及び臨床検査の保険適用について.pdf, Page 1)

臨床検査の保険適用について(令和8年 10 月1日収載予定)

① E3(新項目) MEBGEN 抗酸菌核酸同定 キット PCR-rSSO 法(定性)

② E3(新項目) CXCL10 ELISA「コスミック」 ELISA 法(定量)

(総-1-1 医療機器及び臨床検査の保険適用について.pdf, Page 2)

2つ目の主要な論点は、デジタル技術を活用したプログラム医療機器の選定療養への導入についてです。

小児期の注意欠如多動症、いわゆるADHDの治療を補助するビデオゲーム型アプリ「エンデバーライド」が、選定療養の対象となることが報告されました。

このアプリは、環境調整や心理社会的治療で十分な効果が得られない6歳以上18歳未満の患者を対象としています。

これまでは、患者1人につき2回を限度として保険適用されていました。

しかし、令和8年10月1日以降は、3回目以降の使用について選定療養の枠組みが適用されることになります。

これにより、患者は3回目以降も継続してこの治療アプリを使用できるようになりますが、その費用は患者が自己負担することになります。

選定療養の対象とする製品

① ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)

選定療養の対象とする使用目的・使用方法等

小児期における注意欠如多動症(ADHD)の治療補助における、3回目以降の使用

※患者1人につき2回を限度として保険適用されている。

選定療養の対象とする時期

令和8年 10 月 1 日から

(総-1-2 プログラム医療機器の選定療養について.pdf, Page 1)

• 本品は、環境調整や心理社会的治療を実施しても期待する症状改善が見られない小児の注意欠如多動症(ADHD)患者の治療を補助するプログラム医療機器である。

(総-1-2 プログラム医療機器の選定療養について.pdf, Page 3)

3つ目の主要な論点は、OTC類似薬の一部保険外療養制度の創設と、それに伴う処方箋様式の改正についてです。

この制度は、市販薬との代替性が特に高い医療用医薬品について、薬剤費の4分の1を保険給付の対象外とし、患者の「別途の負担」とする仕組みです。

令和9年3月1日の施行を目指し、具体的な法改正や運用ルールが決定されました。

この新たな仕組みの導入に伴い、医療機関が発行する処方箋の様式が改正されます。

処方箋には新しく「一部保険外療養」という専用の欄が追加されることになりました。

医師が対象の薬剤を処方する際、患者に別途の負担が発生する場合は「○」を、負担の対象外とする場合は「ー」を記載する必要があります。

ただし、この一部保険外療養は全国一律の費用として運用されるため、医療機関や薬局における院内掲示やウェブサイトでの公開義務は課されない方針です。

また、こども、がん患者、難病患者など、配慮が必要な慢性疾患を抱えている方等に対する配慮についても検討が行われています。

令和9年3月1日(予定)に、健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第 31 号)のうち一部保険外療養に係る規定が施行されることに伴い、必要な改正を行う。

(総-2-1 個別改定項目について(一部保険外療養の創設に伴う療養担当規則等の所要の見直しについて).pdf, Page 1)

1.処方箋様式について【省令改正】

○ 処方箋様式については、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号。以下「療担規則」という。)で定めているところ、OTC類似薬の一部保険外療養の実施に当たっては、対象のOTC類似薬について別途の負担の対象か対象外かが処方箋上明確になるよう、処方箋上に「一部保険外療養」欄を追加し、対象医薬品を処方する場合は、別途の負担の対象である場合は「○」を、別途の負担の対象外である場合は「ー」を処方箋に記載することとする。

(総-2-2 補足資料.pdf, Page 2)

○ 一部保険外療養については、各医療機関がその内容及び費用を決定することが原則な選定療養等と異なり、全ての保険医療機関・保険薬局において一律の内容及び費用として行われる取組であることから、院内掲示・ウェブサイトへの掲示義務は課さないこととする。

(総-2-2 補足資料.pdf, Page 2)

○ 配慮が必要な者

こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方等に対する配慮を検討。

(総-2-2 補足資料.pdf, Page 8)

結びとして、今後のスケジュールと注目すべき点を確認しておきましょう。

今回の中央社会保険医療協議会で取りまとめられた各種改定案は、同日付で厚生労働大臣へと正式に答申されました。

新規医療機器の保険適用は令和8年12月1日に、臨床検査薬の適用は令和8年10月1日にそれぞれ予定されています。

また、治療用アプリ「エンデバーライド」の選定療養への導入は、令和8年10月1日から開始されることになります。

そして、医療用医薬品の自己負担に大きな変化をもたらす一部保険外療養制度は、令和9年3月1日からの施行が予定されています。

これらの新しい制度が医療現場や患者の負担にどのような影響を与えるのか、引き続き高い関心を持って見守る必要があります。

答 申 書

(一部保険外療養の創設に伴う療養担当規則等の所要の見直しについて)

令和8年9月9日付け厚生労働省発保 0909 第1号をもって諮問のあった件について、別紙の改正案を答申する。

(総-3 答申について(答申書).pdf, Page 1)


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