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法的脳死判定基準の見直しへ、検査回数の削減など3つの重要変更案を議論

引用元:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76035.html

引用元: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76035.html


令和8年9月16日に、第1回法的脳死判定基準に関する作業班が開催されました。

この作業班は、厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会において、医学的、法的、倫理的な観点から法的脳死判定基準の見直しを検討するために設立されたものです。

関連学会の合同会議から提出された要望書に基づき、現在の医療水準を反映した基準の改正について議論が開始されました。

第1回法的脳死判定基準に関する作業班

議事次第

日時: 令和8年9月 16 日(水)

13:00~14:30

(議事次第.pdf, Page 1)

要望書の提出を受けて、令和8年7月の第80回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会において、提案項目について医学・倫理・法律の観点から検討する作業班の設立について承認された。

(資料1 法的脳死判定基準に関する見直しについて.pdf, Page 6)

主要な変更点1:脳血流消失確認検査を1回とすること

法的脳死判定における脳血流消失確認検査の実施回数を、現行の2回から1回に変更することが提案されています。

脳血流の消失は、ゴールドスタンダードとされる脳血管造影や、高い特異度を持つCTアンギオグラフィなどの方法で確認されれば、1回でも極めて高い信頼性で脳機能の不可逆的停止を証明できます。

造影剤を繰り返し使用することによるドナーの腎機能障害のリスクや、重症患者を検査室まで搬送する際のリスクを低減することが目的です。

国際的にも、脳血流消失確認検査は1回で運用されることが一般的となっています。

法的脳死判定における脳血流消失確認検査について、実施回数を2回から 1 回に変更する。

脳血流消失を高い特異度を有するモダリティで確認できた場合、脳機能の不可逆的停止を証明でき、2 回目の検査による診断上の追加的価値は限定的である。

また、検査反復によるドナー及びレシピエントへの侵襲を軽減できる。

(資料2 法的脳死判定基準の見直しに係るエビデンス集.pdf, Page 1)

造影剤を用いた検査を反復することにより、腎機能障害を中心としてドナー・レシピエントに健康障害が生じるリスクがある。

呼吸器や多数の機材を装着した重症患者を検査室まで搬送することでドナーに合併症が発症するリスクが上がる。

(資料1 法的脳死判定基準に関する見直しについて.pdf, Page 7)

主要な変更点2:成人の無呼吸テストを1回とすること

自発呼吸の消失を確認する無呼吸テストについて、成人患者における実施回数を2回から1回に削減することが提案されています。

無呼吸テストは、人為的に呼吸を止めることで低酸素血症や血圧低下、さらには心停止などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。

1回目のテストで基準を満たした後に、2回目のテストを行う追加的な診断価値は限定的であると報告されています。

海外の主要なガイドラインでも、成人の無呼吸テストは1回のみの実施が標準となっています。

法的脳死判定における無呼吸テストについて、成人については 2 回実施から 1 回実施へ変更する。

無呼吸テストは脳死判定に必要な検査である一方、低酸素血症や循環動態悪化などの有害事象を伴う。

(資料2 法的脳死判定基準の見直しに係るエビデンス集.pdf, Page 8)

人為的に呼吸を止めることにより、ドナーの全身状態が大幅に悪化し、最悪の場合、心停止に至って移植中止に至ったケースが報告されている

肺の虚脱を中心として臓器状態の悪化を招き、移植中止や移植成績の悪化につながる可能性が指摘されている

(資料1 法的脳死判定基準に関する見直しについて.pdf, Page 7)

主要な変更点3:平坦脳波の代替検査として脳血流消失検査を追加すること

脳波測定が困難な場合に、脳血流消失検査によって代替可能な判定項目として『平坦脳波』を追加することが提案されています。

頭蓋内出血や減圧開頭術などを行った症例の一部では、頭皮に脳波電極を適切に貼付することが困難な場合があります。

このような場合、代替検査として脳血流の消失を確認することで、平坦脳波の確認に代えることができるようにする提案です。

これにより、本来であれば脳死判定が可能であるにもかかわらず、脳波測定が困難なために判定ができない症例を救うことが可能になります。

該当検査が実施できない場合における脳血流消失で代替できる項目に「平坦脳波」を追加

頭蓋内出血などによる二次的脳損傷を防ぐため、減圧開頭術を行ったような症例の一部では、頭皮に脳波電極を適切に貼付できない場合が存在する。

(資料1 法的脳死判定基準に関する見直しについて.pdf, Page 7)

今般、脳死下臓器提供や法的脳死判定に関連する9学会の合同会議から、現在の医療水準を踏まえた法的脳死判定項目の改正提案として、脳波検査が実施できない場合における代替検査の対象症例の拡大及びドナー・レシピエントに対して有害性が高い項目の検査回数の削減を提案する要望書が提出された。

(資料1 法的脳死判定基準に関する見直しについて.pdf, Page 6)

結び

この作業班では、提案された見直し項目について、医学的、法的、倫理的な観点から慎重な検討が進められます。

作業班としての結論がまとまり次第、厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会へ報告される予定です。

そこで承認が得られた項目については、速やかに厚生労働省令の改正手続きが進められる流れとなっています。

今後の議論の行方と、国内の移植医療体制への影響が注視されます。

作業班については終了時期を定めることなく、結論がまとまり次第とりまとめを作成し、臓器移植委員会へ報告する。

(資料1 法的脳死判定基準に関する見直しについて.pdf, Page 12)


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