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移植医療の大きな転換期へ:vCJD制限撤廃と診療報酬改定など、第62回造血幹細胞移植委員会で決定された3つの重要変更点

引用元:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75766.html

引用元: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75766.html


第62回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会が、令和8年8月27日に開催されました。

この委員会は、わが国の造血幹細胞移植の実施体制や、骨髄バンク、さい帯血バンクの運営状況について議論を行う重要な会議です。

今回は、ドナー登録の現状や、移植実績の推移が報告されたほか、安全性に関わる大きな規制緩和が審議されました。

全体として、ドナーの確保や医療アクセスの向上、業務の効率化を目指す方針が示されています。

日時: 令和8年8月 27 日(木)

16:30~18:30

(議事次第.pdf, Page 1)


1つ目の重要な変更点は、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、いわゆるvCJDに係る造血幹細胞移植制限の撤廃です。

これまで、欧州滞在歴がある方や、プラセンタ注射剤の使用歴がある方からの造血幹細胞の提供は、安全性の観点から制限されていました。

しかし、国内外における感染リスクの評価や、欧州等への滞在歴に基づく献血制限が薬事審議会で撤廃されることを受け、移植制限も同様に撤廃することが決定されたのです。

日本独自の数理モデルを用いたリスク評価においても、制限を解除しても国内のvCJD患者が増加することはないと結論付けられています。

この見直しは、令和8年秋の献血制限の撤廃時期に合わせて、関連通知の改正が行われる予定となっています。

vCJD の発生状況、国内における感染リスクの評価結果及び諸外国における献血制限の状況等を総合的に勘案し、薬事審議会血液対策部会での審議により欧州等への滞在歴に基づく献血制限が撤廃されることを受け、造血幹細胞移植制限についても同様に撤廃する。

また、欧州等滞在歴に基づく制限と同様の考え方に基づき設定されていた、ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴による献血制限についても、併せて撤廃されたことを受け、造血幹細胞移植制限についても同様に撤廃する。

(【資料4】変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)に係る造血幹細胞移植制限の見直しについて.pdf, Page 2)


2つ目の重要な変更点は、令和8年度の診療報酬改定を踏まえた、臍帯血移植術における評価の新設です。

医療機関において、質の高い造血幹細胞移植を推進するための見直しが行われました。

組織適合性試験において、高精度な「NGS-SBT法」を用いた場合について、「NGS-SBT法実施加算」として2,000点が新たに所定点数に加算されます。

また、これに伴い、臍帯血バンクへの配分についても、NGS-SBT法を用いた場合には20,000円が加算される仕組みが導入されます。

これにより、移植医療の質を高めるための技術や検査手法が、適切に経済的評価を受ける体制が整えられました。

質の高い造血幹細胞移植を推進する観点から、組織適合性試験にNGS-SBT法を用いた場合について、NGS-SBT法実施加算を新設する。

(【資料5】令和8年度診療報酬改定を踏まえた臍帯血移植術の取扱いについて.pdf, Page 3)


3つ目の重要な変更点は、日本骨髄バンクが推進する、手続きのデジタル化と「家族の署名」の廃止です。

骨髄バンクでは、適合ドナーが実際に移植に至る割合を高めるため、ドナーの負担軽減やコーディネートの効率化を進めています。

その一環として、令和8年度より、最終同意面談における「家族の署名」を廃止することが決定されました。

確認検査や最終同意書の電子署名化など、ペーパーレス化が進められる中での、手続きの簡素化を目的とした変更です。

なお、書面への署名は廃止されますが、ドナーの安全や意思確認のために重要な「家族の同意」そのものについては、これまで通り確実に確認する運用が維持されます。

変更:最終同意面談における「家族の署名」廃止(2026年度〜):

・有識者による審議を経て、最終同意面談での家族の署名廃止を決定

※「家族の同意」自体は、これまで通り確実に確認する運用を継続

(【資料3】直近2年間(2024年度・2025年度)における取組み(公益社団法人日本骨髄バンク).pdf, Page 13)


今回合意された変更点は、いずれも移植医療の安全性と効率性を高めるための画期的な一歩です。

特に、vCJDに係る制限撤廃は、ドナー候補者の拡大につながる可能性を秘めています。

令和8年秋の運用開始に向けて、日本赤十字社における問診システムの改修や関係者への周知が、段階的に進められる見通しです。

今後は、これらの制度変更が、移植を必要とする患者のもとへ、より迅速に造血幹細胞を届けることにつながるか、その実効性が注視されます。

運用開始時(令和8年秋を予定)には、課長通知により、vCJD に関連する欧州等滞在歴及びヒト胎盤エキス注射剤使用歴に基づく献血制限を廃止するとともに、運用開始日について周知する。

(【資料4別紙1】変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)に係る献血制限の見直しについて(令和7年度第2回安全技術調査会資料1-1).pdf, Page 2)


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