医薬品の適正販売に向けた実態が明らかに、令和7年度調査結果が公表
厚生労働省は、令和7年度における医薬品販売制度の実態把握調査の結果を公表しました。
この調査は、一般消費者の視点から医薬品の販売ルールがどの程度守られているかを調べる目的で行われたものです。
若年者の間での医薬品の濫用問題や、販売ルールの遵守状況について、薬局や店舗販売業、インターネット販売などを対象に調査が実施されました。
調査結果からは、店舗やインターネットにおける販売ルールの実施状況について、いくつかの課題が浮き彫りとなっています。
1.調査の目的
若年者の間で医薬品の濫用が問題になっていることや、医薬品の販売制度に関する
検討会での検討等を踏まえ、医薬品の販売ルールの遵守状況等について、一般消費者
の立場からの目線で調査することにより、医薬品販売の適正化を図ることを目的とし
ている。
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査結果(概要).pdf, Page 1)
一つ目の重要な論点は、濫用のおそれがある医薬品を複数購入しようとした際の店舗の対応についてです。
調査店舗においてエフェドリンやコデインなどの成分を含む医薬品を複数購入しようとしたところ、適切な対応が取られなかった事例が確認されました。
具体的には、質問などを一切されずにそのまま購入できてしまったケースが全体の13.2%存在しています。
これは、前年度の調査における11.6%から、ルールが守られなかった割合が増加している実態を示しています。
一方で、特定販売(インターネット販売)においては、質問等されずに購入できた割合は9.5%にとどまり、1つしか購入できなかった割合が85.1%と高い水準でした。
⑭ 濫用等のおそれのある医薬品(*1)を複数購入しようとした時の対応(*2):
調査件数 809 件(薬局 220 件 店舗販売業 589 件)
1つしか購入できなかった 37.5%(303 件)/複数必要な理由を伝えたところ、購入
できた 49.3%(399 件)/質問等されずに購入できた 13.2%(107 件)
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査結果(概要).pdf, Page 8)
⑩ 濫用等のおそれのある医薬品(*1)を複数購入しようとした時の対応(*2):
調査件数74件(薬局15件 店舗販売業59件)
1つしか購入できなかった(*3) 85.1%(63件)/複数必要な理由を伝えたとこ
ろ、購入できた 5.4%(4件)/購入せずに医者を受診するようにすすめられた
0.0%(0件)/質問等されずに購入できた 9.5%(4件)
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査結果(概要).pdf, Page 15)
二つ目の論点は、要指導医薬品を販売する際の購入者本人の確認状況についてです。
要指導医薬品の購入者が、実際に使用しようとする本人であるかどうかの確認が行われた割合は、全体で73.6%でした。
これは、前年度である令和6年度調査の89.9%と比較して、大幅な低下となっています。
業態別に見ると、薬局での確認割合が74.1%、店舗販売業での確認割合が70.4%となっており、いずれも前年度を下回る結果となりました。
使用者の状況についての確認自体は96.8%と高い割合で実施されていますが、本人確認のプロセスにおいて遵守状況の悪化が見られます。
② 要指導医薬品の購入者が使用しようとする者本人かどうかの確認:
調査件数220件(薬局193件 店舗販売業27件)
確認あり 73.6%(162件)/確認なし 26.4%(58件)
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査結果(概要).pdf, Page 2)
① 誰が使用するかの確認の有無(図表Ⅱ-6)
要指導医薬品の調査店舗(220 件)のうち、要指導医薬品を使用しようとする者が
本人であることの「確認があった」のは、73.6%(162 件)であった。
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査調査結果(報告書).pdf, Page 11)
三つ目の論点は、特定販売(インターネット販売)における相談対応者の資格についてです。
インターネット販売において、第1類医薬品の相談を行った際、適切な回答があった割合は100.0%でした。
しかし、その相談に対応した者の資格について調べたところ、薬剤師であると確認できた割合は58.8%にとどまっています。
一方で、対応した者の資格が「わからなかった」と回答した割合は41.2%に達しました。
実店舗での相談対応においては、対応者が薬剤師であった割合が89.5%であり、資格不明の割合は5.0%と低くなっています。
インターネットを介した取引において、消費者が対応者の資格を把握しにくい現状が数字として現れています。
⑥ 第1類医薬品販売時の相談に対応した者の資格:
調査件数:49件(薬局14件 店舗販売業35件)
薬剤師 58.8% (30件)/ 登録販売者 0.0% (0件)/
わからなかった 41.2% (21件)
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査結果(概要).pdf, Page 12)
⑪ 第1類医薬品に関する相談に対応した者の資格:
調査件数 420 件(薬局 360 件 店舗販売業 60 件)
薬剤師 89.5% (376件)/ 登録販売者 4.3% (18件)/一般従事者 1.2% (5件)/わか
らなかった 5.0% (21件)
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査結果(概要).pdf, Page 7)
今回の調査結果により、医薬品の適正な販売に向けた課題が改めて明確になりました。
特に濫用のおそれがある医薬品への対応や、購入時の本人確認の徹底、さらにはインターネット販売における情報提供のあり方などが注視されることになります。
厚生労働省は、これらの結果をもとに今後の医薬品販売制度の適正化に向けた検討を進めていく予定です。
関係機関や販売事業者によるルールの遵守徹底が今後どのように図られるのか、引き続き動向が注目されます。
1.調査目的
若年者の間で医薬品の濫用が問題になっていることや、医薬品の販売制度に関する
検討会での検討等を踏まえ、医薬品の販売ルールの遵守状況等について、一般消費者
の立場からの目線で調査することにより、医薬品販売の適正化を図ることを目的とし
ている。
(令和7年度医薬品販売制度実態把握調査調査結果(報告書).pdf, Page 3)
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