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緊急避妊薬のスイッチOTC化へ、調査事業から見えた販売体制の変遷と今後の展望

引用元:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40123.html

引用元: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40123.html


厚生労働省の委託を受け、日本薬剤師会が実施してきた調査事業の最終報告書が公表されました。

この調査は、緊急避妊薬の適正販売に向けた環境整備を検証するために行われたものです。

実際の店舗での試験販売を通じ、安全性や販売プロトコールの最適化について検証が進められてきました。

緊急避妊薬は、これまで医師の処方箋が必要な医療用医薬品として使用されてきました。

しかし、アクセス向上の観点から、処方箋なしで薬局で購入できるようにする要望が高まっていました。

これを受けて、厚生労働省の検討会議などでスイッチOTC化に向けた議論が重ねられてきた経緯があります。

今回の調査事業は、実際の薬局での試験的販売を通じて、適正な販売が確保できるかを検証するために実施されました。

我が国において緊急避妊薬は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品として使用されてきたが、アクセス向上の観点から、医師の処方箋なしで薬局等において購入できるようにすることの要望を踏まえ、医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(以下、「評価検討会議」)において、医療用医薬品から要指導・一般用医薬品への転用(いわゆるスイッチ OTC 化)の検討がなされてきた。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 1)

今回の報告書から、事業の中で実施された重要な変更点を3つお伝えします。

1つ目の重要な変更点は、試験販売を行う協力薬局数の大幅な拡大です。

令和5年度の事業において、都道府県ごとに販売数量のばらつきがあることが課題として浮かび上がりました。

そこで、より継続的で安定的な研究体制を整えるため、協力薬局の数を増やす対応が取られました。

具体的には、第1期研究計画の145施設から、第2期以降は339施設へと拡大されています。

2か月間という時間的制限はあったものの、都道府県によっては販売数量が少なく、十分なデータを得られたとは言えない状況であったことから、より幅広くデータを収集し、販売体制を考察する必要性が明らかとなった。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 7)

上記を踏まえ、第Ⅱ期研究計画から、協力薬局数を増やすこととした(Ⅱ-2-(5)参照)。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 8)

③研究協力機関(巻末資料②)※本報告書において「協力薬局」という。

第Ⅰ期研究計画 145 施設(Ⅱ-2-(2)参照)

第Ⅱ期研究計画以降 339 施設(Ⅱ-2-(5)参照)

(報告書[11.8MB].pdf, Page 5)

2つ目の変更点は、購入者の「妊娠の可能性」を評価するプロトコールの見直しです。

事前の調査において、薬剤師から「妊娠の可能性」の判断に関する項目を改善すべきとの意見が数多く寄せられました。

これを受け、すでに妊娠が成立している場合のリスクを防ぐため、対応が強化されました。

具体的には、妊娠の可能性が否定できない購入者に対し、販売前に妊娠検査薬を使用してもらう手順が追加されています。

薬剤師が販売の可否判断に用いる「緊急避妊薬(ECP)販売に係るチェックリスト」について、約半数の薬剤師が改善すべき項目として「妊娠の可能性」の判断に係る項目を挙げたことから、その内容を変更し適切な販売判断に繋げる必要性が明らかとなった。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 8)

すでに妊娠が成立している場合、緊急避妊薬の服用により安心し、その結果予期せぬ妊娠の継続や中絶機会の喪失につながる可能性があり、これを防ぐためにも、薬剤師が妊娠の可能性について十分に理解して購入者に対応する必要があるため、以下のとおり対応の見直しを行った。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 17)

3つ目の変更点は、緊急避妊薬の服用から「約3週間後の妊娠の有無の確認」を手順に追加したことです。

これまでの調査では、服用後に産婦人科を受診した割合が約14パーセントと非常に低いことが明らかになっていました。

服用後に予期せぬ妊娠の継続に気づかないリスクを低減するため、避妊成否の確認を徹底する対応が導入されました。

購入者が予定する確認方法を聞き取って記録するほか、服用後のアンケートでも確認状況を回答してもらう仕組みに変更されています。

服用後3~5週間後に実施した服用者アンケートにおいて「産婦人科を受診した」と回答した者は 14.4%であり、本剤を服用後に産婦人科を受診しない方が多数いることが確認された。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 7)

薬剤師から購入者に対し、3週間後の妊娠の有無を確認することの必要性を伝え、その後の実施につなげるため、購入者が予定する確認方法(以下 1~3)を聞きとり「緊急避妊薬(ECP)販売に係るチェックリスト」に記録することとした。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 18)

これらの調査事業の成果や評価検討会議での議論を踏まえ、薬事審議会において緊急避妊薬のスイッチ化が了承されました。

そして、令和8年2月1日をもって、この調査研究に基づく処方箋なしの試験販売は終了となりました。

翌2月2日からは、要指導医薬品としての緊急避妊薬の一般販売が正式に開始されています。

薬剤師会や関係機関による環境整備の取り組みは、今後の適正な販売体制の維持に向けて重要な役割を果たしていくとみられます。

令和7年8月 29 日、令和7年度第2回薬事審議会要指導・一般用医薬品部会において、緊急避妊薬のスイッチ化に係る承認の可否等の審議が行われ、要指導医薬品としての製造販売承認を可とすること、要指導医薬品として指定すること、期間を定めない要指導医薬品として指定すること、特定要指導医薬品として指定することが了承された。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 1)

令和8年2月2日に要指導医薬品たる緊急避妊薬が販売開始されたことに伴い、本調査事業に基づく試験販売は令和8年2月1日をもって終了し、令和8年3月 31 日に調査事業を終了した。

(報告書[11.8MB].pdf, Page 2)


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