がん検診指針の見直し議論、乳房構成の通知要件化や大腸がん・子宮頸がん検診の提供情報変更案を提示
厚生労働省は、令和8年7月16日に「第47回がん検診のあり方に関する検討会」をオンラインで開催しました。
この検討会では、自治体が実施するがん検診のあり方について、専門家による議論が行われています。
今回は、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針の改正案などが主な議題となりました。
第 47 回がん検診のあり方に関する検討会
議事次第
日 時:令和8年7月 16 日(木)13:00~15:00
場 所:オンライン開催
(議事次第.pdf, Page 1)
1つ目の主要な論点は、高濃度乳房を含む乳房構成の受診者への通知についてです。
乳がん検診を受診した人に対して乳房構成を通知する際、市町村が満たすべき要件を指針に追加する案が示されました。
具体的な要件として、受診勧奨時に通知する旨を事前に伝えることや、適切な情報提供を行うこと、受診者からの問い合わせに対応することなどが盛り込まれています。
またマンモグラフィ検査によって判定される乳房構成について、市町村は以下の要件を満たした上で、受診者に通知すること。
判定に当たっては、日本乳癌検診学会によるマニュアル等(※1)を参考にすること。
<要件>
・がん検診の受診勧奨の際に、当該自治体においては乳房構成を通知する旨を、事前に伝えること。
・乳房構成の通知に併せて乳房構成について適切な情報提供を行えること。情報提供にあたっては厚生労働省HPで公表している「乳房構成に関する情報提供資材」(※2)を参照すること。
・通知を受けた受診者からの問い合わせを受け付けること。対応に当たっては厚生労働省が示す自治体担当者向けのQ&A(※3)を参照すること。
(資料1 高濃度乳房含む乳房構成の通知について.pdf, Page 6)
2つ目の論点は、大腸がん検診における精密検査の検査方法に関する記載の見直しです。
現行の指針では、大腸がん検診の項目にのみ精密検査の手法が具体的に記載されています。
今回の改正案では、この具体的な手法の記載を指針から削除する方針が示されました。
代わりに、各都道府県が関係学会のガイドライン等を参照し、精密検査医療機関リストの作成に努める旨を指針の総則に追記することが提案されています。
関係学会のガイドライン等を参照し、各都道府県において精密検査医療機関リストの作成に努めること。
(資料2 精密検査に係る指針上の記載について.pdf, Page 8)
③ 精密検査の第一選択は、全大腸内視鏡検査とする。全大腸内視鏡検査を行うことが困難な場合は、S状結腸内視鏡検査と注腸エックス線検査(二重造影法)の併用による精密検査を実施する。ただし、その実施に当たっては、十分な精度管理の下で、注腸エックス線検査の専門家により実施する。便潜血検査のみによる精密検査は、大腸がんの見落としの増加につながることから、行わない。
(資料2 精密検査に係る指針上の記載について.pdf, Page 8)
3つ目の論点は、子宮頸がん検診における性交経験がない方への情報提供についてです。
性交渉の経験がない人は、ヒトパピローマウイルスへの感染率が低く、子宮頸がんの罹患リスクも低いとされています。
そのため、受診勧奨を行う段階で、性交経験が一度もない対象者は検診の利益が小さいことを伝えることが望ましいとする内容が、指針の実施体制に追加される見込みです。
また、子宮頸がん検診の実施に当たっては、性交経験が一度も無い対象者は、性交経験がある対象者と比べて子宮頸がん検診の利益が小さいことを伝えることが望ましい。
(資料3 子宮頸がん検診の情報提供について.pdf, Page 5)
検討会では、これらの指針改正案のほか、報告事項として攻めの予防医療における取組や、がん検診情報の一体的な把握、HPV検査単独法の導入状況などが共有されました。
これらの改正案や報告内容を踏まえ、今後の自治体におけるがん検診の運用体制がどのように変化していくのか、引き続きその動向が注目されます。
(4)報告事項
・攻めの予防医療におけるがん検診の取組の推進について
・がん検診情報の一体的な把握について
・HPV検査単独法の導入状況について
(議事次第.pdf, Page 1)
この記事はアーカイブです。無料会員登録で続きをお読みいただけます。
登録は無料・パスワード不要(メールに確認リンクが届きます)。登録済みの方はログイン