がん登録情報の利活用が大きく前進へ!生存確認情報の提供方法追加と胃がん届出ルール改訂を決定
厚生労働省は、令和8年6月12日に第36回厚生科学審議会がん登録部会を開催しました。
この会議では、がん登録情報の利活用と個人情報の保護を両立させるため、様々な議論が行われています。
今回は、決定された主な変更点についてお伝えします。
第36回厚生科学審議会がん登録部会
議事次第
日時:令和8年6月12日(金)10:00~12:00
(議事次第 第36回厚生科学審議会がん登録部会.pdf, Page 1)
1つ目は、最終生存確認日または死亡日の加工方法に新たな選択肢が追加された点です。
これまでは、診断日からの期間に変換する際、診断日等の「日」の情報を削除する現行の運用しかありませんでした。
今回の改訂により、データを別々のデータベースで管理して復元しないことを誓約する方法や、日付にランダムな整数値を加える方法が選択可能になります。
最終生存確認日又は死亡日について、病院等は、病院等から提供を受ける者と必要に応じて協議の上、以下(1)ア、イ又は(2)の3つのいずれかの場合から1つを選択し、(1)であれば変換後の期間(日数)、(2)であれば置換後の日付を提供する。
(資料1 法第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いに対する対応<公開>.pdf, Page 5)
2つ目は、提供される死因情報の粒度が向上することです。
従来は「がんによる死亡」と「がん以外の死亡」の2分類のみで提供されていました。
これが改められ、がんによる死亡についてはICD-10コードの3桁目までを、がん以外の死亡については中間分類で提供されることになります。
・現行で「がんによる死亡」となる死因については、ICD-10コードの4桁目を削除し、3桁目までを提供する。これにより、原発部位のがんによる死亡かどうかの判別が可能となる。
・現行で「がん以外の死亡」となる死因については、中間分類として提供する。
(資料1 法第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いに対する対応<公開>.pdf, Page 6)
3つ目は、胃の上皮内がんに係る届出ルールの変更です。
学会の規約改訂に伴い、胃がんの上皮内がんが「T1a」から分離されました。
これを受けて、全国がん登録では進展度の「上皮内」として、院内がん登録ではUICC TNM分類の「Tis」として届け出ることになります。
UICC TNM分類と同様に、胃がんにおける上皮内がんがT1aから分離されたことを受けて、令和9年1月1日以降に新たに胃がんと診断された症例から、上皮内がんと確認されたものについては、全国がん登録では進展度における「上皮内」、院内がん登録ではUICC TNM分類における「Tis」として届け出ることとする(表2)。
(資料2 全国がん登録及び院内がん登録における届出ルールの変更について(報告)<公開>.pdf, Page 2)
胃の上皮内がんに係る新しい届出ルールは、令和9年1月1日以降に新たに診断された症例から適用されます。
生存確認情報の新しい加工方法については、利用マニュアルの改訂を通じて速やかに運用が開始される見込みです。
がん登録情報の利活用がどのように進むのか、今後の動きが注目されます。
UICC TNM分類は第8版から第9版に改定されており、院内がん登録においては、令和9年1月1日以降に新たに診断された症例から、UICC TNM分類第9版を適用する予定。
(資料2 全国がん登録及び院内がん登録における届出ルールの変更について(報告)<公開>.pdf, Page 2)
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