← 医療政策ウォッチャー 記事一覧

令和7年度1月の医科医療費は1.0%増、受診日数は減少も1日当たり費用が上昇

引用元:https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/ika_iryou/2026/01/

引用元: https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/ika_iryou/2026/01/


厚生労働省は、令和7年度1月分の医科医療費の電算処理分に関する集計結果を公表しました。

この資料は、毎月の入院および入院外の医療費の動向を迅速に把握するために、レセプトを集計してまとめられたものです。

今回の調査結果からは、医療費全体が緩やかに増加している一方で、受診延日数が減少し、1日当たりの医療費が上昇しているという特徴的な傾向が見えてきました。

厚生労働省では、毎月、医科(入院・入院外)医療費の動向等を迅速に把握するため、電算処理分のレセプトを集計した「医科医療費(電算処理分)の動向」を公表していますが、このたび、令和7年度1月分の集計結果がまとまりましたので公表します。

(最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)

まず、全体の伸び率について詳しく見ていきましょう。

令和7年度1月の医科医療費全体の伸び率は、前年の同じ月と比べてプラス1.0%となりました。

しかし、実際に患者が医療機関を受診した延べ日数は、マイナス2.0%と減少していることが分かります。

その一方で、患者が1日受診するごとに発生した医療費の伸び率は、プラス3.1%と上昇しました。

このように、受診日数は減ったものの、1日当たりの医療費が高くなったため、結果として全体の医療費が押し上げられる形となっています。

1.令和7年度1月の医科医療費(電算処理分に限る。以下同様。)の伸び率(対前年同月比。以下同様。)は+1.0%で、受診延日数の伸び率は▲2.0%、1日当たり医療費の伸び率は+3.1%であった。

(最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)

次に、制度別および医療機関の種類別の医療費の動向についてです。

制度別に医療費の伸び率を見ると、被用者保険がプラス1.6%、後期高齢者医療制度がプラス2.0%、公費がプラス1.2%とそれぞれ増加しました。

一方で、国民健康保険はマイナス2.0%と減少を示しています。

医療機関の種類別では、大学病院の伸び率がプラス7.2%と非常に大きくなっている点が注目されます。

また、病床数が200床以上の医科病院ではプラス1.8%の伸びとなったのに対し、医科診療所ではプラス0.0%と横ばいの結果でした。

2.制度別に医科医療費の伸び率をみると、被用者保険は+1.6%、国民健康保険は▲2.0%、後期高齢者医療制度は+2.0%、公費は+1.2%であった。

(最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)

3.医療機関種類別に医科医療費の伸び率をみると、医科病院の大学病院は+7.2%、公的病院は+0.9%、法人病院は+0.2%で、医科病院において病床数 200 床未満は+0.5%、200 床以上は+1.8%で、医科診療所は+0.0%であった。

(最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 1)

さらに、疾病の分類や診療内容ごとの特徴についても、大きな変化が見られます。

疾病分類別では、新生物がプラス6.5%、筋骨格系及び結合組織の疾患がプラス6.1%、循環器系の疾患がプラス3.0%と、それぞれ高い伸びを示しました。

これに対して、呼吸器系の疾患はマイナス19.1%と、大幅に減少していることが際立っています。

診療内容別に見ると、薬剤料がプラス5.2%、手術・麻酔がプラス4.1%と増加した一方で、検査・病理診断はマイナス2.1%、DPC包括部分はマイナス0.9%と減少しました。

6.疾病分類別に前年度の医療費の割合が高かった傷病の医科医療費の伸び率をみると、循環器系の疾患が+3.0%、新生物が+6.5%、筋骨格系及び結合組織の疾患が+6.1%、腎尿路生殖器系の疾患が+1.5%、損傷、中毒及びその他の外因の影響が+4.1%、また,呼吸器系の疾患が▲19.1%であった。

(最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 2)

7.診療内容別に前年度の医療費の割合が高かった診療内容の医科医療費の伸び率をみると、入院基本料、特定入院料等が+0.0%、DPC 包括部分が▲0.9%、薬剤料が+5.2%、検査・病理診断が▲2.1%、手術・麻酔が+4.1%であった。

(最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 3)

今回の集計結果からは、高齢化や医療技術の高度化を背景とした1日当たり医療費の上昇が、全体の医療費を押し上げる主因となっていることが浮き彫りになりました。

特に大学病院や大病院での医療費の伸びが目立つ一方、呼吸器系疾患の減少が全体に与える影響も無視できません。

厚生労働省が公表するこの医療費動向は、今後の医療保険財政の安定性や、診療報酬改定に向けた議論において、極めて重要な基礎資料となります。

今後も受診動向や疾病構造の変化が医療費に与える影響について、継続して注視していく必要があります。

「最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号)」は、厚生労働省のホームページにも掲載しています。

(最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和7年度1月号).pdf, Page 3)


← 記事一覧へ