気候危機を成長の機会へ、日本医療政策機構が「日本型プラネタリーヘルス戦略」を提言
特定非営利活動法人 日本医療政策機構のプラネタリーヘルスプロジェクトが、共同声明を発表しました。
この声明は、気候変動や環境汚染などの地球規模の危機を、健康や経済、社会を高める最大の機会と捉えるものです。
自然環境を単に保護する対象ではなく、人々の健康を支える必須の基盤として位置づけています。
実際に、2024年の暑熱曝露により、日本では多大な潜在労働時間や潜在所得が失われたと推計されています。
次期の「骨太の方針」や「成長戦略」に向けて、環境と健康を統合した5つの具体的な提言を行っています。
自然環境を単に「保護する対象」とみなす発想から、人々の健康と社会の繁栄を支える「必須の基盤」と捉え戦略的に投資する発想への転換――すなわち「地球と人の健康を同時に守る」プラネタリーヘルスへの転換を提起する。
(FINAL-Takaichi-Administration_Joint-Statement_JPN_20260624_vfin.pdf, Page 1)
主要な提言の1つ目は、ガバナンスの再構築です。
気候や健康の課題をマクロ経済や国家の持続可能性を左右する中核課題と再定義します。
経済財政諮問会議の下に、政府横断的な統合評価体制を構築することを求めています。
次期の気候変動適応計画に「健康影響評価」などを明記し、縦割りを横断する政策調整を実現するとしています。
人と動物、環境の健康を一体的に捉える「ワンヘルス」などの議論も、この大きな枠組みに位置づけられます。
- ガバナンスの再構築:気候・健康課題をマクロ経済・国家の持続可能性を左右する中核課題と再定義し、経済財政諮問会議の下に政府横断的な統合評価体制を構築する。「健康影響評価(HIA)」と「すべての政策に健康の視点を組み込むこと(HiAP)」を次期気候変動適応計画に明記し、縦割りを横断する政策調整を実現する。
(FINAL-Takaichi-Administration_Joint-Statement_JPN_20260624_vfin.pdf, Page 1)
提言の2つ目は、サプライチェーンの強靱化と病院のグリーン化です。
医療物資や電力網への依存、老朽化した病院の問題を、国家ガバナンス上の重大なリスクと位置づけます。
医療分野は2026年に経済安全保障上の基幹インフラに追加されたことを踏まえ、さらなる備えを提言しています。
医療機関の脱炭素化や「ZEB Ready」の推進を、国の「危機管理投資」として明確にすることを求めています。
4省庁が連携したワンストップの支援体制や、まちづくりと連動した施設整備を進めることを提言しています。
- 危機管理投資としてのサプライチェーン強靱化と病院グリーン化:医療物資・電力網への依存と老朽病院問題を国家ガバナンス上の重大リスクと位置づけ(医療分野は 2026 年に経済安全保障上の基幹インフラに追加)、医療機関の脱炭素化・ZEB Ready 推進を「危機管理投資」として明確化し、4 省庁連携のワンストップ支援とまちづくり連動の施設整備を進める。
(FINAL-Takaichi-Administration_Joint-Statement_JPN_20260624_vfin.pdf, Page 1)
提言の3つ目は、防災庁の機能と気候変動適応計画の連動です。
熱中症や感染症、メンタルヘルスなどの健康適応策を、次期の計画に実質的に組み込みます。
新設される防災庁の機能と、制度的に連動させることが必要とされています。
自然を基盤とした解決策やグリーンインフラを国土強靱化計画に明示し、国と地方の取り組みを接続します。
さらに、包括的な暑熱健康影響対策への転換を求めています。
- 防災庁の事前防災機能と次期気候変動適応計画の連動:熱中症・感染症・メンタルヘルス等の健康適応策を次期計画に実質的に組み込み、防災庁の機能と制度的に連動させる。自然を基盤とした解決策(NbS)やグリーンインフラを国土強靱化計画に明示し、国と地方の取り組みをシームレスに接続する。
(FINAL-Takaichi-Administration_Joint-Statement_JPN_20260624_vfin.pdf, Page 1)
今後は、2026年度内の閣議決定を目指して、次期気候変動適応計画の改定プロセスが進行します。
関係機関において、自治体や事業者などを交えた幅広いヒアリングが行われています。
また、2028年秋には、経済協力開発機構(OECD)とともに「第8回 OECD Well-being 世界フォーラム」が東京で開催される予定です。
ヘルスケアセクターが環境再生に積極的に貢献する存在へと転換し、多様な関係者と連携しながら具体的な道筋を示すことが期待されています。
現在、2026 年度内の閣議決定を目指して次期気候変動適応計画の改定プロセスが進行中であり、気候変動適応推進会議および中央環境審議会などにおいて、自治体・気候変動適応センター・事業者等を交えた幅広いヒアリングなどが行われている。
(FINAL-Takaichi-Administration_Joint-Statement_JPN_20260624_vfin.pdf, Page 3)
2028 年秋に OECD と共に東京で開催される「第 8 回 OECD Well-being 世界フォーラム(the 8th OECD World Forum on Well-being)」は、こうした成長戦略の進化を国際社会に示す重要な機会となる。
(FINAL-Takaichi-Administration_Joint-Statement_JPN_20260624_vfin.pdf, Page 6)
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