大阪府三島(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

薬局が消えていない大阪、その筆頭

三島医療圏4市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 三島医療圏 4市区町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

2025年に三島医療圏で出された薬局の廃止届は15件。そのうち13件は別の担い手に引き継がれ、そのまま消えたのは2軒だけでした。引き継がれなかった割合13.3%、真の閉局率0.53%は、いずれも大阪府8医療圏でいちばん低い数字です。

4
三島医療圏の市区町村
377
圏内の薬局数
2
2025年に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-5〜+8%
経営体力の変化レンジ(市区町村差)

薬局の廃止届には、移転や承継で別の機関コードに引き継がれたものと、そのまま無くなったものが混ざっています。三島医療圏の2025年は、廃止届15件のうち引き継がれたのが13件、消えたのは2軒でした。引き継がれなかった割合は13.3%で、府内で最も高い北河内医療圏(64.7%)とは5倍近い開きがあります。薬局377軒に対する真の閉局率0.53%も府内最低。店主や法人が代わっても、その場所の薬局は残っている——承継がいちばん機能している圏域だと読めます。背景には需要の条件があります。65歳以上人口は今後20年で+14%増え、処方せん需要の指数も2045年に114.5。総人口は-8%減りますが、買い手から見て「引き継ぐ価値のある商圏」が保たれている状態だと言えます。圏内の差も小さく、経営体力の変化は-5.4%から+8.0%の13ポイントに収まります(大阪市医療圏は59ポイント)。ただし一律ではありません。高槻市の落ち込みが圏内で最も大きく、65歳以上の伸びが+8%と、茨木市の+24%に比べて明らかに鈍い。高齢化が先に進んだぶん、伸びしろが先に尽きつつある形です。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市区町村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが高槻市(-5.4%)、いちばん緑なのが茨木市(+8.0%)で、同じ三島医療圏の中に13ポイントの開きがあります。高槻市をクリックすると、区界・薬局分布・徒歩アクセスまで踏み込んだ詳細レポートへ進みます。

高槻市:薬局186/1軒あたり処方せん -5.4%高槻市摂津市:薬局32/1軒あたり処方せん -0.7%摂津市島本町:薬局16/1軒あたり処方せん -0.6%島本町茨木市:薬局143/1軒あたり処方せん +8.0%茨木市
色=経営体力の変化(→2045)
減る(-5%)増える(+8%)
市区町村そのものの形で塗り分けています。
高槻市の詳細レポートを見る →

人口動態 ── 需要の源三島医療圏は「人が減り、お年寄りが増える」

なぜ市区町村で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。三島医療圏全体では、総人口は75.4万→69.1万人(-8%)と減り、65歳以上は20.8万→23.8万人(+14%)と増えます。高齢化率は27.6%→34.5%へ。65歳以上のピークは2045年で、その波がいつ来るかが市区町村で違うのです。

総人口65歳以上
0万20万40万60万80万20252030203520402045205067万24万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口は2025年から2050年まで一貫して減り、65歳以上は2045年にピークを迎えます。

ランキング ── 市区町村差経営がしんどくなる市町・楽になる市町

圏内の差は府内でも小さいほうです。それでも高槻市(-5.4%)と茨木市(+8.0%)では方向が逆を向きます。マイナス側は高槻市を含め3市町です。

高槻市
-5.4%
摂津市
-0.7%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
島本町
-0.6%
茨木市
+8.0%

くわしい数字4市区町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
高槻市18629.9%13,230 → 12,515-5.4%
茨木市14325.2%12,061 → 13,024+8.0%
摂津市3226.4%16,959 → 16,848-0.7%
島本町1628.4%12,974 → 12,898-0.6%

※処方せん需要は三島医療圏全体の実績(NDB)を市区町村の高齢人口で按分した推計です。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 大阪府(ひとつ上・Lv1)=8つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 三島医療圏(このページ・Lv2)=4市区町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 高槻市(詳細・有料)=区界・薬局分布・徒歩アクセス・経営2シナリオまで。薬局持久度カルテ会員向け。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は潰れる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】三島医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間4,935,718枚)を、市区町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(大阪府=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に114.5)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は、Lv1の供給動学モデルでのみ扱っています。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方】近畿厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(三島医療圏の2025年で2件)。廃止届は全部で15件出ていますが、そのうち13件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。「薬局が無くなったか」を問うレポートなので、承継・移転は閉局に数えません(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。2026年分は本稿執筆時点でまだ年の途中のため、参考値(真の閉局1件)として別に持っています。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出住所または座標に基づき、市区町村境界の点内判定で割り当てています。
  • 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある323店を分母にしています(圏内全377店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。

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