千葉県千葉(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

同じ千葉市の中で、需要の伸びが4倍違う

千葉医療圏6区の薬局を、供給・高齢化・経営体力・徒歩アクセスで見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 千葉医療圏 6区期間 2025年 → 2050年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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千葉医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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千葉医療圏は千葉市の6区、そのまま政令指定都市が1つの医療圏です。薬局は494店と県内で3番目に多く、処方せん需要は2050年まで+21.3%伸びます。ただし6つの区は同じ速さでは歳をとりません。需要の伸び(絶対量)は若葉区の+9.6%から緑区の+37.6%まで、同じ市の中でおよそ4倍の開きがあります。

6
千葉医療圏の区(=千葉市)
495
圏内の薬局数
5
2025年に閉じた薬局
+10〜+38%
需要の伸び(区の差・絶対量)

6区のうち65歳以上人口のピークが2045年に来るのは若葉区・花見川区・美浜区の3区。残りの稲毛区・中央区・緑区は2050年の推計期間内はまだ増え続けます。どの区も需要は増える——けれど増え方が違う。圏内の相対で見ると、若葉区(-9.5%)は圏内シェアを落とし、緑区(+13.6%)が伸ばします。いま1軒あたりがいちばん軽いのは中央区の7,596枚(薬局159店=圏内最多が集まるため)で、区の間には1軒あたり8,594枚の差があります。閉局は2025年に5軒(1.0%)。いっぽう移転・承継は10件と、閉局の2倍あります。都市部では「消える」より「引き継がれる」が主流です。徒歩アクセスは88.4%と県内でも高い水準ですが、区別に見ると若葉区の76.5%が最も低く、内陸の団地・農村部を抱える区で網が粗くなります。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、区ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力・圏内相対)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが若葉区(-9.5%)、いちばん緑なのが緑区(+13.6%)です。6区とも絶対量では需要が増えるため、赤は「衰退」ではなく「伸びの遅さ」を意味します。

徒歩アクセス ── 歩いて行けるか住民の11.6%は、薬局まで徒歩10分より遠い

250mメッシュごとに、最寄りの薬局まで実際の道路を歩いて何分かかるかを計算しました(OSRM実道路網)。千葉医療圏で徒歩10分以内に住む人は88.4%で、県平均の79.0%に対して県平均を上回ります。112,848人が徒歩10分圏の外に住んでいます。区別では若葉区の76.5%から美浜区の94.0%まで開きます。

人口動態 ── 需要の源6区すべてで高齢者は増える。ただし2倍の速さの差がある

総人口は970,981→897,073人(-7.6%)、65歳以上は266,446→323,309人(+21.3%)。高齢化率は27.4%→36.0%です。区別の65歳以上の伸びは+9.6%(若葉区)から+37.6%(緑区)まで開きます。

総人口65歳以上
0万25万50万75万100万20252030203520402045205090万32万
実データ(社人研 2023年推計)。千葉医療圏の65歳以上人口のピークは2050年。

医療計画 ── 県の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

千葉医療圏等に流出があり、外来患者数全体では1日あたり3,500人程度の流出超過と推計されます。

千葉県保健医療計画 別冊_第6章〜第9章 PDF 5ページ

千葉医療圏への流出があり、外来患者数全体では1日あたり1,000人程度の流出超過と推計されます。

千葉県保健医療計画 別冊_第6章〜第9章 PDF 80ページ

長時間搬送先が決まらない救急患者を一時的であっても受け入れる医療機関を確保する搬送困難事例受入医療機関支援事業を千葉保健医療圏において実施しています。

千葉県保健医療計画 疾病_救急医療 PDF 2ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

ランキング ── 区差

若葉区
-9.5%
花見川区
-5.9%
美浜区
-1.3%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
稲毛区
-0.0%
中央区
+6.3%
緑区
+13.6%

くわしい数字6区データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2050
変化
中央区15924.2%7,596 → 8,076+6.3%
花見川区7128.5%16,190 → 15,239-5.9%
若葉区6831.9%15,664 → 14,179-9.5%
稲毛区6827.9%15,369 → 15,367-0.0%
緑区6725.7%11,278 → 12,816+13.6%
美浜区6127.7%15,637 → 15,432-1.3%

※処方せんは千葉医療圏のNDB実績(2023年・年間6,188,095枚)を高齢人口で按分した推計です。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 千葉県(ひとつ上・Lv1)=9つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 千葉医療圏(このページ・Lv2)=6区で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・徒歩アクセス・経営シナリオまで(受注生産)。

千葉医療圏 6市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は都市型(競争淘汰)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。千葉医療圏にいまある494軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.75です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は都市型(競争淘汰)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-5.9%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は89.7%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。千葉医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は468軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 420軒=89.7%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 255軒=54.5%、在宅薬学総合体制加算 186軒=39.7%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 382軒=81.6%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回54.5%/これまで59.9%(差-5.4ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回89.7%/これまで40.7%(差+49.0ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回39.7%/これまで48.9%(差-9.2ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き、そして徒歩でのアクセスです。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は潰れる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断もしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】千葉医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間6,188,095枚)を、市区町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。市区町村別の実処方せんは公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは別で、この圏域は2025年を100として2050年に121.3——つまり圏全体では+21.3%増えます。表の「絶対量ベース」列(chg_abs)が、その地域の実数としての増減です。
  • 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。
  • 【閉局の数え方】関東信越厚生局の保険薬局「廃止」情報のうち、届出に新機関コード(=別のコードで事業が続く移転・承継)の記載がないものだけを「閉局」として数えています。2025年の千葉県は、廃止届115件のうち移転・承継が73件、閉局が42件でした。※ 公開済みの大阪府版レポートは、この移転・承継を分けずに廃止届の全件を「閉局」として数えています。県をまたいで件数を比べるときはご注意ください。
  • 【件数は2026-07-27時点の名簿(関東信越厚生局・2026.7号まで)の値】廃止情報は名簿への掲載が届出から遅れることがあり、ここに載せた年別の件数は下限です。同じ年の件数が、名簿の更新により今後増えることがあります。
  • 【閉局の地域割当て】原則は届出座標の市区町村境界への点内判定ですが、全件の住所照合で座標と届出住所が食い違ったもの(1件)は届出上の所在地を優先し、住所欄が欠けて市区町村を特定できず座標も実在の所在地を示さないもの(1件)は圏・市区町村の集計から外しています(県の合計には含まれます)。
  • 【徒歩アクセス】250mメッシュの人口(国勢調査ベースの将来人口メッシュ)ごとに、最寄りの調剤薬局までの徒歩時間をOSRM(OpenStreetMapの実道路網・徒歩プロファイル)で計算した実経路ベースの値です。坂・信号・バスは考慮していません。市区町村の境をまたいだ最寄り薬局も「近い」と数えています(郊外では市境をまたぐ通院がふつうのため)。※ 県版(Lv1)ページの医療圏別の徒歩カバー率には、直線距離による旧方式の値が残っている圏域があります。方式の違いにより本ページの値と一致しないことがあります(順次、実道路網の値に更新されます)。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、調剤をしないドラッグストア専業は含みません。位置は届出座標にもとづき、国土数値情報の市区町村境界への点内判定で地域に割り当てています。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅対応などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告にもとづき、申告データのある454店を分母にしています(対象494店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。

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千葉医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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