大阪府 › 南河内(二次医療圏)
CrossHealth / 薬局持久度レポート
大阪でただ一つ、お年寄りさえ増えない医療圏
南河内医療圏9市町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
大阪府の8医療圏のうち7つでは、総人口が減っても65歳以上は増えます。南河内医療圏だけが違います。65歳以上人口は2025年の18.7万人から2045年に18.7万人——20年間で実質横ばい(±0%)。高齢化率43.5%は府内で最も高く、薬局数296軒は府内で最も少ない圏域です。
南河内医療圏は、大阪府で唯一、65歳以上人口が増えない圏域です(2025→2045で±0%。他の7圏域は+6%から+17%)。総人口は-24%と府内最大の減少で、高齢化率は33.1%から43.5%へ。処方せん需要の指数も、2025年を100として2045年に100.0——つまり20年間ほぼ横ばいのまま、その先はしぼんでいきます。薬局の数がいまのままなら、1軒あたりの処方せんも±0%。大阪府の8医療圏で、これだけが増えません。薬局のある8市町村の中では、河内長野市がもっとも先を行きます。高齢化率は39.1%から51.2%へ上がり、65歳以上人口は-10%と減少します。総人口は-31%。薬局は53軒です。なお圏域全体では2025年の廃止届11件のうち8件が承継・移転で引き継がれており、消えたのは3軒。需要が細る圏域ではありますが、閉局そのものはまだ府内で少ないほうです。さらに千早赤阪村には、本データ上、調剤薬局が1軒も確認できません。高齢化率は48.4%(2045年に58.4%)。薬局の空白が、すでに現実になっている地域です。いっぽうで、かかりつけ薬剤師の届出率は82.5%と府内8医療圏でもっとも高い。需要が細る地域ほど、薬局が機能で応えようとしている——そう読める数字が並んでいます。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市区町村ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが河内長野市(-9.9%)、いちばん緑なのが大阪狭山市(+8.5%)で、同じ南河内医療圏の中に18ポイントの開きがあります。
人口動態 ── 需要の源南河内医療圏は「人が減り、お年寄りも増えない」
なぜ市区町村で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。南河内医療圏全体では、総人口は56.3万→42.8万人(-24%)と減り、65歳以上は18.7万→18.7万人(±0%)と、ほぼ増えません。高齢化率は33.1%→43.5%へ。65歳以上のピークは2040年で、その波がいつ来るかが市区町村で違うのです。
ランキング ── 市区町村差経営がしんどくなる市町村・楽になる市町村
河内長野市(-9.9%)から大阪狭山市(+8.5%)まで。ただしこの圏域では、プラス側も「圏内で相対的にまし」という意味であることに注意してお読みください。圏全体の処方せんは20年でほぼ増えません。
くわしい数字9市区町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 松原市 | 64 | 31.9% | 10,845 → 11,010 | +1.5% |
| 河内長野市 | 53 | 39.1% | 13,559 → 12,220 | -9.9% |
| 富田林市 | 53 | 33.0% | 12,386 → 12,227 | -1.3% |
| 羽曳野市 | 47 | 32.5% | 13,882 → 14,407 | +3.8% |
| 藤井寺市 | 38 | 29.9% | 9,339 → 10,052 | +7.6% |
| 大阪狭山市 | 30 | 29.5% | 10,968 → 11,903 | +8.5% |
| 河南町 | 6 | 33.9% | 16,162 → 16,127 | -0.2% |
| 太子町 | 5 | 32.1% | 15,334 → 15,948 | +4.0% |
| 千早赤阪村 | 0 | 48.4% | 薬局なし | ― |
※処方せん需要は南河内医療圏全体の実績(NDB)を市区町村の高齢人口で按分した推計です。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 大阪府(ひとつ上・Lv1)=8つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 南河内医療圏(このページ・Lv2)=9市区町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・徒歩アクセス・経営シナリオまで。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は潰れる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】南河内医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間3,620,507枚)を、市区町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(大阪府=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に100.0)。
- 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は、Lv1の供給動学モデルでのみ扱っています。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方】近畿厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(南河内医療圏の2025年で3件)。廃止届は全部で11件出ていますが、そのうち8件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。「薬局が無くなったか」を問うレポートなので、承継・移転は閉局に数えません(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。2026年分は本稿執筆時点でまだ年の途中のため、参考値(真の閉局3件)として別に持っています。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出住所または座標に基づき、市区町村境界の点内判定で割り当てています。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある263店を分母にしています(圏内全296店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【薬局のない自治体】千早赤阪村は本データ上、圏内に調剤薬局が確認できません。1軒あたり処方せんは計算できないため空欄としています。
- 【小さすぎる分母】河南町・太子町は薬局数が8軒に満たない自治体です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。
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