← 医療政策ウォッチャー 記事一覧

令和7年度の概算医療費は49.2兆円に、受診延日数は減少するも1日当たり医療費が増加

引用元:https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/25/index.html

引用元: https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/25/index.html


厚生労働省は、令和7年度の「医療費の動向」に関する概算医療費の集計結果を公表しました。

今回の発表によると、令和7年度の概算医療費は49.2兆円となり、前年度と比べて約1.3兆円の増加となっています。

受診延日数は全体として減少に転じたものの、1日当たりの医療費が伸びており、全体として医療費が膨らむ結果となりました。

厚生労働省では、毎月, 医療費の動向を迅速に把握するために、医療機関から提出された診療報酬明細書(レセプト)に基づいて集計を行っています。

厚生労働省では、毎月、医療費の動向を迅速に把握するために、医療機関から提出された診療報酬明細書(レセプト)に基づいて、医療保険・公費負担医療分の医療費を集計した「医療費の動向」を公表しています。このたび、令和7年度の集計結果がまとまりましたので公表します。

(ダウンロード.pdf, Page 1)

○ 令和7年度の概算医療費は49.2兆円、金額で1.3兆円、伸び率で2.6%の増加となっている。また、その内訳を見ると受診延日数は▲0.7%の減少、1日当たり医療費は3.3%の増加となっている。

(ダウンロード_1.pdf, Page 2)

令和7年度の概算医療費の伸び率は、対前年度比で2.6%の増加となりました。

この2.6%の伸び率の内訳を分析すると、人口増の影響がマイナス0.5%、高齢化の影響がプラス0.6%となっています。

さらに、診療報酬改定などの影響がマイナス0.39%、そして医療の高度化や受療行動の変化といった「それ以外の影響」がプラス2.9%となりました。

このように、高齢化や医療の高度化が医療費を押し上げる大きな要因となっています。

○ 令和7年度の概算医療費の伸び2.6%のうち、人口増の影響は▲0.5%、高齢化の影響は0.6%、診療報酬改定等の影響は▲0.39%、それ以外の影響は2.9%となっている。

(ダウンロード_1.pdf, Page 2)

医療費の内訳を診療種類別に見ると、医科入院が19.6兆円、医科入院外が16.5兆円となりました。

また、歯科が3.5兆円、調剤が8.8兆円という結果です。

伸び率では、入院が2.3%、入院外が1.6%、歯科が3.5%、調剤が3.9%と、すべての診療種類で前年度を上回りました。

一方、受診延日数は歯科が0.4%増加したものの、入院がマイナス0.5%、入院外がマイナス1.6%、調剤がマイナス1.1%と、多くの種類で減少しています。

それに対して、1日当たりの医療費は調剤の5.0%を筆頭に、すべての種類でプラスとなりました。

○ 医療費の内訳を診療種類別にみると、入院19.6兆円(構成割合39.8%)、入院外16.5兆円(33.5%)、歯科3.5兆円(7.2%)、調剤8.8兆円(17.8%)となっている。

(ダウンロード.pdf, Page 1)

■ 令和7年度 診療種類別医療費の 対前年度伸び率 (単位:%)

総数 入院 入院外 歯科 調剤

医療費 2.6 2.3 1.6 3.5 3.9

受診延日数 ▲ 0.7 ▲ 0.5 ▲ 1.6 0.4 ▲ 1.1

1日当たり医療費 3.3 2.8 3.2 3.2 5.0

(ダウンロード_1.pdf, Page 3)

調剤医療費について見ると、コロナ禍以降で初めて処方箋枚数が減少に転じました。

令和7年度の処方箋枚数の伸び率は、マイナス1.1%となっています。

しかし、処方箋1枚当たりの医療費の伸び率がプラス5.7%と非常に大きく、これが調剤医療費全体を押し上げました。

また、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の割合は、数量ベースで91.7%、薬剤料ベースで75.9%に達しています。

これは、令和6年10月から導入された長期収載品の選定療養制度の開始が影響しており、高水準での推移が続いています。

○ 調剤については、コロナ後以降初めて処方箋枚数が減少した。令和7年度においては処方箋1枚当たり医療費の伸びが特に大きく、コロナ前と比べても大きい水準となっている。

(ダウンロード_1.pdf, Page 14)

○ 後発医薬品割合(数量ベース、新指標)は、令和7年度末(令和8年3月)時点で91.7%。

○ 後発医薬品割合(薬剤料ベース、新指標)は、令和7年度末(令和8年3月)時点で75.9%。

○ 令和6年10月、長期収載品の選定療養の制度が開始されて以降、高水準で推移している。

(ダウンロード_1.pdf, Page 33)

今回の結果から、受診する延べ患者数は全体的に減少しているものの、1日当たりの医療費が上昇している実態が明らかになりました。

特に高齢化や医療技術の高度化が、今後の医療費にどのような影響を与えるかが注目されます。

また、後発医薬品の普及や長期収載品に関する制度改正の動向についても、引き続き注視していく必要があります。

厚生労働省が公表する毎月の医療費の動向は、今後の医療保険行政における重要な判断材料となるでしょう。

本調査は、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会)から診療報酬に関する審査支払業務において集まる医療費情報の提供を受け、これらを集約することで、医療費の動向を迅速に把握し、医療保険行政のための基礎資料を得ることを目的としたものです。

(ダウンロード.pdf, Page 1)


← 記事一覧へ