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すべての人に届く聴覚ケアへ、日本医療政策機構が「切れ目のない難聴対策」を提言

引用元:https://hgpi.org/research/hl-20260730.html

引用元: https://hgpi.org/research/hl-20260730.html


日本医療政策機構が、ライフコースを通じた難聴対策に関する政策提言を発表しました。

超高齢化社会を迎えた日本において、健康寿命の延伸と強く関連する難聴への対策は急務となっています。

この提言書は、すべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指して取りまとめられました。

難聴は認知症や社会的孤立、うつ病などとの関連が示唆されており、その対策はグローバルな課題としても注目されています。

日本における難聴者数は今後も増加が見込まれる一方で、適切な時期に診断や介入につなげる仕組みは十分に整備されていません。

このような背景から、産官学民が一体となった切れ目のない支援体制の構築が急がれています。

日本医療政策機構は、中立・独立の立場から各分野の専門家で構成されるアドバイザリーボードを組成し、会合を開催し、議論から抽出された論点に基づき、本政策提言書を取りまとめた。

(<政策提言>ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言ーすべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指してー.pdf, Page 4)

1つ目の重要な論点は、難聴や補聴機器に対する社会的認識の向上と、広告規制の見直しです。

日本における補聴器の普及率は諸外国と比較して著しく低く、先進国の中で最低水準にあります。

その背景には、難聴が加齢によるものだから仕方がないという誤った認識や、補聴器に対する心理的抵抗感があります。

提言では、当事者が主体的に情報を得て選択できるよう、国による広告規制の緩和を検討すべきだとされています。

また、医療上の安全性や有効性が担保されていない非医療機器との違いを、分かりやすく表示する仕組みの整備も求められています。

日本補聴器工業会が公表する JapanTrak によると、日本の難聴者における補聴器所有率は 15.6% にとどまり、先進国の中で最低水準にあるだけでなく、その普及率は 10 年前と比べて数 % の上昇にとどまっている。

(<政策提言>ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言ーすべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指してー.pdf, Page 3)

2つ目の重要な論点は、早期発見のためのスクリーニング体制の整備と、聴覚データの経年的な連携・管理です。

現状の健診制度では、特定健診や後期高齢者医療制度に聴力検査が含まれておらず、スクリーニング体制が不十分です。

また、健康診断のデータが一元管理されていないため、経年的なデータの追跡が困難となっています。

提言では、新生児から高齢者まで一貫してデータを紐づけ、受療が必要な人を確実にフォローアップする基盤の構築を求めています。

さらに、日常生活の中で聴力低下に気づくための仕掛け作りや、問診環境の整備も重要な一歩とされています。

健診、医療、その他関連データの集約・連携・組織間(保険者間、事業者、医療機関等)の共有に関する課題は、日本の保健医療全体に共通している。マイナンバーが導入され、医療 DX 化の推進に期待が寄せられるが、経年的にデータをフォローアップできるような仕組みが必要である。

(<政策提言>ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言ーすべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指してー.pdf, Page 8)

3つ目の重要な論点は、難聴の段階に応じた体系的なパスウェイの確立と、経済的負担の軽減に向けた支援です。

現在、公的な補聴器購入補助は身体障害者手帳の取得者を対象としており、軽度・中等度難聴の成人は対象外となっています。

提言では、介護保険などの既存の枠組みを活用し、中等度難聴者を介護予防給付の対象に位置づけるなどの段階的な公的支援を提案しています。

また、18歳を境に小児期から成人期への移行期において支援が途絶える「制度的な空白」を解消することも急務です。

こども家庭庁、厚生労働省、文部科学省などが縦割りを排し、省庁横断的な調整の枠組みを構築することが強く求められています。

18 歳を境とした支援の断絶を解消するためには、こども家庭庁・厚生労働省・文部科学省等にまたがる運動体としての継続的な省庁横断的調整が不可欠である。

(<政策提言>ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言ーすべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指してー.pdf, Page 13)

難聴対策を実効性のあるものにするためには、産官学民の緊密な連携と、エビデンスに基づく政策判断が不可欠です。

今後は、公的支援の拡充に向けたエビデンスの整備や、具体的な制度設計の進展が注視されます。

すべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の実現に向け、本提言が重要な一歩となることが期待されます。

難聴者は数が多く、症状も軽度から重度まで幅広いため、公的支援の拡充にあたっては、エビデンスに基づき支援対象の優先順位を判断することが重要である。

(<政策提言>ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言ーすべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指してー.pdf, Page 14)


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