臓器提供者数は155名に増加、新たなあっせん機関の参入と今後の体制見直し方針を公表
厚生労働省は令和8年6月9日に「臓器移植の実施状況等に関する報告書」を公表しました。
この報告書は、国内における臓器提供や移植の実施状況、そして厚生労働省の具体的な取り組みをまとめたものです。
全体として、現状の数値報告と今後の課題解決に向けた方針が淡々と示されています。
臓器移植の実施状況等に関する報告書
令和8年6月9日
厚生労働省
(臓器移植の実施状況等に関する報告書[61KB].pdf, Page 1)
主要な論点の1つ目は、令和7年度における臓器提供と移植実施の具体的な実績についてです。
法に基づく脳死下での臓器提供者数は155名で、前年度の139名から増加しました。
臓器ごとの移植実施数では、腎臓が293件、眼球が979件、肺が149件などとなっています。
また、移植後の1年生存率は、心臓で96.6%、肺で90.9%、肝臓で88.3%と報告されています。
臓器の移植に関する法律(平成9年法律第 104 号。以下「臓器移植法」という。)に基づき、令和7年度には、155 名(139 名)からの脳死下における臓器提供が行われた。
(臓器移植の実施状況等に関する報告書[61KB].pdf, Page 1)
生存率 心臓 96.6% 肺 90.9% 肝臓 88.3% 腎臓 96.6% 膵臓 95.8% 小腸 94.2%
(臓器移植の実施状況等に関する報告書[61KB].pdf, Page 1)
主要な論点の2つ目は、臓器あっせん機関における新たな動きについてです。
令和8年1月30日付で、一般社団法人中部日本臓器提供支援協会(CODA)が眼球を除く臓器のあっせん業を新たに許可されました。
これにより、令和8年3月31日時点における心臓や肺、肝臓などのあっせん機関は、これまでの日本臓器移植ネットワーク(JOT)と合わせて2機関体制となっています。
なお、眼球のあっせんを行う機関は54機関存在しています。
令和8年1月 30 日付で一般社団法人中部日本臓器提供支援協会(以下「CODA」という。)が眼球を除く臓器のあっせん業を行うことを許可した。
令和8年3月 31 日現在、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓及び小腸のあっせんは2機関(JOT及びCODA)、眼球のあっせんは 54 機関となっている。
(参考資料[377KB].pdf, Page 2)
主要な論点の3つ目は、今後の臓器移植医療のあり方に関する方針決定についてです。
令和6年12月と令和8年5月に開催された厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会において、それぞれの課題に対する対応方針が取りまとめられました。
具体的には、これまですべてJOTが担っていた眼球を除く臓器のあっせんを、複数の機関で行えるようにする見直しが進められています。
さらに、移植希望者が医療機関側の都合によらずに移植を受けられるよう、移植実施施設を複数登録できる仕組みの整備や、多数・多臓器の移植を実施する施設の体制整備が推進される予定です。
対応方針を踏まえて、臓器提供施設の体制整備や連携強化を更に推進するとともに、これまでJOTのみが担っていた眼球を除く臓器のあっせんについて、複数の機関が行えるようにすることや、移植希望者(レシピエント)が医療機関側の都合によらず移植を受ける機会が確保されるように、移植実施施設を複数登録できる仕組みの整備など、臓器移植体制の見直しに係る取組を進めている。
(参考資料[377KB].pdf, Page 3)
また、あっせんされた臓器が臓器移植を必要とする患者に適切に移植されるようにするため、令和8年5月 27 日の厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会において、移植実施施設における課題解決に向けた取組について取りまとめられた。今後、当該取りまとめを踏まえ、多数・多臓器の移植を実施している施設の体制整備を推進していく予定である。
(参考資料[377KB].pdf, Page 3)
結びに、今後の注視すべき点について整理します。
厚生労働省は、一人一人が臓器提供に関する意思表示を行えるよう、普及啓発活動を継続して進めています。
今後は、新たに許可されたあっせん機関との連携や、複数登録制度の整備など、取りまとめられた方針がどのように具体化されていくかが重要なポイントとなります。
移植医療の提供体制がより円滑に機能するための環境整備について、引き続きその動向が注目されます。
厚生労働省では、一人一人が臓器を「提供する」、「提供しない」にかかわらず、意思表示をしていただくような普及啓発を進めることが重要との観点から、臓器提供に関する意思表示を促進するため、公益社団法人日本臓器移植ネットワーク(以下「JOT」という。)とともに、地方公共団体、関係諸機関等の協力を得ながら、以下の方法により、啓発資料の配布や臓器提供に関する意思表示の機会の普及を図っている。
(参考資料[377KB].pdf, Page 1)
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