WHOが蚊の殺虫剤抵抗性モニタリング基準を更新!新しい殺虫剤の識別濃度と感受性定義を公表
世界保健機関、通称WHOは、病気を媒介する生物の対策に関する最新情報を公表しました。
これは、蚊やスナバエといった、感染症を運ぶ媒介動物における殺虫剤への抵抗性を監視するための方法に関するものです。
WHOは、こうした抵抗性を監視するための方法や基準を、定期的に更新して提供しています。
今回の更新では、新しく登場した殺虫剤の基準や、これまでの基準の明確化が行われました。
The WHO regularly provides updated information on methods for monitoring insecticide resistance in arthropod vectors of disease, such as mosquitoes and sandflies.
(殺虫剤抵抗性モニタリングの更新)
今回の更新にあたり、WHOは新しい殺虫剤の効果を判定するための研究を委託しました。
この研究は、複数の研究機関が共同で実施した多施設共同研究となります。
対象となったのは、屋内に残留させて噴霧するタイプの2つの新しい殺虫剤です。
それらは、アイソシクロセラムと、ブロフラニリドという殺虫剤です。
この共同研究により、これら2つの殺虫剤の「識別濃度」が決定されました。
この研究結果は、プレプリントとして公開された論文に基づいています。
Recently the WHO commissioned a multi-center study to determine the discriminating concentrations of two new insecticides for indoor residual spraying: isocycloseram and broflanilide (Praulins et al., preprint,https://www.biorxiv.org/cgi/content/short/2026.05.22.726487v1).
(殺虫剤抵抗性モニタリングの更新)
次に、具体的な試験条件と識別濃度について整理された内容をお伝えします。
今回の更新では、蚊の種類に応じた2つの表が作成されました。
1つ目は、ヤブカ属の蚊を対象とした「表1」です。
2つ目は、ハマダラカ属の蚊を対象とした「表2」です。
これらの表には、WHOボトルバイオアッセイにおける識別濃度と、試験を行うための条件がまとめられています。
試験の条件としては、ボトルの乾燥時間が24時間と指定されています。
また、蚊を殺虫剤に曝露させる時間は1時間です。
そして、その後の経過を保持し、記録する時間は24時間と定められています。
Table 1 - Summary of insecticide discriminating concentrations forAedesspecies for WHO bottle bioassays (bottle drying time 24hr; mosquito exposure time 1h; holding/recording time 24hr)
Table 2 - Summary of insecticide discriminating concentrations forAnophelesspecies for WHO bottle bioassays (bottle drying time 24hr; mosquito exposure time 1h; holding/recording time 24hr)
(殺虫剤抵抗性モニタリングの更新)
さらに、既存の殺虫剤であるクロルフェナピルに関する重要な合意が行われました。
この殺虫剤に対する「感受性」の定義について、これまでは完全に明確ではありませんでした。
2022年に発行された、蚊の媒介生物における殺虫剤抵抗性モニタリングのマニュアルでも、曖昧な部分が残されていました。
そこで、2024年に技術協議が開催され、この定義についての議論が行われました。
Furthermore, in a technical consultation held in 2024 (WHO 2025), a definition of chlorfenapyr susceptibility was discussed, as this was not entirely clear in theManual for monitoring insecticide resistance in mosquito vectors and selecting appropriate interventions(WHO 2022).
(殺虫剤抵抗性モニタリングの更新)
この技術協議を経て、クロルフェナピルへの感受性を確認するための新しい基準が合意されました。
新たな定義では、1回のバイオアッセイにおいて、死亡率が98%以上であることが求められます。
それに加えて、同時に行われる各テストにおいて、感受性サンプルの死亡率が同じ時間枠で98%以上である必要があります。
この2つの条件が満たされたときに、初めてクロルフェナピルへの感受性があると確認されます。
Susceptibility to chlorfenapyr will be confirmed when mortality is ≥ 98% in one bioassay, with mortality in the susceptible sample being ≥ 98% in each test at the same time point.
(殺虫剤抵抗性モニタリングの更新)
今回の重要な変更点や新しいデータは、今後のマニュアルに反映される予定です。
具体的には、『蚊の媒介生物における殺虫剤抵抗性モニタリングおよび適切な介入の選択に関するマニュアル』の将来の改訂版に追加されます。
これにより、世界各地での殺虫剤抵抗性の監視活動が、より正確に行われるようになることが期待されます。
新しい殺虫剤の導入や、基準の明確化が、感染症対策にどのように寄与していくのか、今後の動向が注目されます。
These updates will be added to a future update of theManual for monitoring insecticide resistance in mosquito vectors and selecting appropriate interventions
(殺虫剤抵抗性モニタリングの更新)
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