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CrossHealth / 薬局持久度レポート
県で2番目に大きな街が、もう縮みはじめている
高岡医療圏3市の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
高岡医療圏(高岡市・射水市・氷見市)は、薬局150軒。富山県で2番目に薬局の多い圏域です。65歳以上人口は2045年までに-5.2%と減り、ピークはすでに2025年——つまりもう減りはじめています。3市のうち2市がピークを通過済みで、2市は2045年までに65歳以上人口そのものが減ります。それでも市ごとの落差は21.8ポイントあり、同じ圏域の中で起きていることは同じではありません。
高岡医療圏でいちばん目を引くのは、高岡市です。富山県で2番目に人口の多い市(16.0万人)で、薬局97軒は圏内の64.7%を占めます。その高岡市の65歳以上人口が、2045年までに-3.5%と減ります。ピークは2025年——起点の年です。人口の多い街が需要の担い手であり続ける、という前提が、この圏域ではすでに崩れています。もっと速いのが氷見市で、65歳以上人口は-20.8%、総人口は-36.3%。2045年の高齢化率53.5%は富山県15市町村のなかで2番目に高い水準です。逆に射水市は65歳以上人口が+1.0%とほぼ横ばいで、ピークも2040年。圏内で唯一、まだ需要が増える側にいます。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん伸びるのが射水市(+6.4%)、いちばん沈むのが氷見市(-16.5%)で、その差は22.9ポイントです。面白いのは現在の水準が逆だということ。いま薬局1軒あたりの処方せんがいちばん少ないのは高岡市の8,945枚で、いちばん多いのが氷見市の13,857枚。薬局が最も密なのも高岡市(2.2km²に1軒)、最も疎なのが氷見市(12.1km²に1軒)です。店が密なところほど1軒あたりが薄く、疎なところほど厚い——人口の集まる街に薬局がそれ以上に集まっている、という形です。機能の届出では、かかりつけ薬剤師指導料の届出率が50.0%で県平均(54.9%)を下回り、4医療圏で4位。在宅患者訪問薬剤管理指導は38.7%で4位です。院外処方せん率は69.1%で県平均71.6%より低く、圏内の医療機関では年間698,737枚が院内で出ています。閉局については、この12ヶ月に出た廃止届5件(県内4圏で最多)のうち3件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは2軒でした。5年に広げても真の閉局は10件です。この件数は市ごとの比較に耐える量ではありません。閉局は圏の合計としてだけお読みください。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが射水市(+6.4%)、いちばん赤いのが氷見市(-16.5%)で、同じ高岡医療圏の中に22.9ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要が-5.2%と減る推計なので、緑の市も絶対量では楽になるとは限りません(絶対量の変化は各市の chg_abs をご覧ください)。
人口動態 ── 需要の源高岡医療圏は「もう増えない」側にいます
なぜ市で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。高岡医療圏全体では、総人口が28.7万→22.6万人(-21.1%)と減り、65歳以上も10.0万→9.5万人(-5.2%)と減ります。高齢化率は35.0%→42.0%へ上がりますが、それは総人口がもっと速く減るからです。65歳以上のピークは2025年——推計の起点の年で、つまり高齢者の実数はもう減りはじめている、という意味です。圏内3市のうち2市がこのピーク済みの側にいます。富山県全体でも4医療圏のうち3圏がピーク済みで、県の65歳以上人口は2045年までに-1.6%減ります。高岡医療圏はその真ん中にいる圏域です。
ランキング ── 市の差圏内で相対的に厚くなる市・薄くなる市
氷見市(-16.5%)から射水市(+6.4%)まで22.9ポイントの開き。この圏域は3市とも薬局が19軒以上あり、「薬局8軒未満の自治体も、薬局0軒の自治体も含まない」圏域は富山県で2つ(砺波・高岡)だけで、そのうち薬局がいちばん多いのがこの圏域です(県内には薬局5軒の町や、薬局0軒の村もあり、そこでは1軒あたりの数値が意味を持ちません)。広さの差も見ておきます。薬局1軒あたりの面積は高岡市の2.2km²から氷見市の12.1km²まで5.5倍開きます。
くわしい数字3市データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 高岡市 | 97 | 34.9% | 8,945 → 9,105 | +1.8% |
| 射水市 | 34 | 31.5% | 12,703 → 13,522 | +6.4% |
| 氷見市 | 19 | 43.1% | 13,857 → 11,577 | -16.5% |
※処方せん需要は高岡医療圏全体の実績(NDB)を市の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市別は件数が少なすぎます)。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 富山県(ひとつ上・Lv1)=4つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 高岡医療圏(このページ・Lv2)=3市で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】高岡医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間1,562,837枚)を、市ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【院内処方は含みません】この圏域では年間698,737枚が院内で出ており、院外処方せん率は69.1%です(富山県計71.6%・全国80.7%)。上の枚数はすべて院外=薬局に来た分だけの数字で、院内の枚数は含みません。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。プラスでも、その市の処方せんが絶対量で増えるという意味ではありません。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(富山県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に94.8)。
- 【薬局数は2025年で固定】市別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】東海北陸厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(高岡医療圏で2件)。廃止届は全部で5件出ていますが、そのうち3件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。集計期間は完全な12ヶ月がそろう2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)で、名簿アーカイブに月の欠落が無いことを確認したうえで2021年5月〜2026年4月(5年)の値(真の閉局10件・廃止届17件)も併記しています。他県の公開値と直接は並べられません(集計期間の違いに加えて、厚生局ブロックによる名簿の捕捉率の違いがあるため。次の項目)。
- 【★閉局データの限界】東海北陸厚生局の廃止名簿は画像PDF(OCR)から起こしたもので、他ブロックより拾えている件数が少ないことを確認しています。同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届を数えると、東海北陸6県は1.42〜2.65%で、その最大が他ブロックの最小を下回ります=ブロックが完全に分離しています。この圏域や富山県の閉局率を、他の地方の都道府県と直接比べてはいけません。富山県内の医療圏どうし・市どうしは同じ名簿なので比較できます(ただし件数が少なすぎるので、市別は上の項目のとおり読まないでください)。
- 【閉局は市別に読まないでください】この圏域の真の閉局2件は富山県全体でも5件しかない事象の一部です。市ごとに割ると0〜1件となり、1件の増減で率が数ポイント動きます。市別の閉局数はJSONには入れていますが、市どうしの順位づけや「この市は閉局が多い」という読み方には使えません。なお富山県には、名簿の住所欄が空でどの市町村か分からない廃止届が3件あり(うち真の閉局2件)、県計にだけ計上しています。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきます。この圏域は150店すべてに申告データがあり、分母は150店=全店です。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【面積の使い方】薬局1軒あたりの面積(km²/軒)は、行政区域ポリゴンの球面積を薬局数で割ったものです。人口が住んでいない山地も面積に含まれるため、「住民から薬局までの距離」ではありません。250mメッシュによる徒歩アクセス率は、富山県分のメッシュが未投入のため出せません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【名前が似ている単位】このページの「高岡医療圏」は高岡市・氷見市・射水市の3市を指します。隣の「富山医療圏」は富山市・滑川市・舟橋村・上市町・立山町の5市町村で、富山県全体のことではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません(Lv1と同じ理由・供給の統計モデルを再学習中のため)。
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