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CrossHealth / 薬局持久度レポート
同じ圏の中に、増える町と、半分になる町があります
徳島県東部医療圏 12市町村の薬局を、圏内での需要シェアの移動で見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
東部医療圏の調剤薬局は275軒——徳島県全体385軒の71.4%がこの圏に集まっています。県全体では65歳以上人口がすでに減り始めていますが、東部医療圏は2040年まで微増してから減りに転じ、20年では-1.9%とほぼ横ばいです。ただし圏の平均はこの圏の実態をほとんど説明しません。圏内で処方せんのシェアがいちばん減るのは神山町(-44.4%)、いちばん増えるのは北島町(+18.6%)で、その落差は63.0ポイント。県の圏域差24.9ポイントの2.5倍です。
東部医療圏は、徳島市(薬局165軒=圏の60.0%)を中心に、北側の吉野川下流の3町(北島町・藍住町・松茂町)、西側の吉野川中流域(吉野川市・阿波市)、南西の山間部(神山町・佐那河内村)がつながった圏です。65歳以上人口の向きは、この地理でほぼ決まります。増えるのは徳島市と北側3町の4市町だけ(北島町・藍住町・松茂町・徳島市)で、残る8市町村は減ります。7市町村では65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っています。逆に、藍住町・北島町は2050年まで増え続ける——徳島県で唯一の場所です。
地図 ── 地域差を見る圏の中で、処方せんはどこへ動くか
色は圏内での需要シェアの移動です。東部医療圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで市町村に分け直し、2025年と2045年で比べています。プラスは「圏の中での取り分が増える」、マイナスは「取り分が減る」という意味で、その市町村の処方せんが実際に増えることを意味しません。圏全体では65歳以上が-1.9%とほぼ横ばいなので、この地図はおおむね実量の向きとも一致しますが、絶対値は県のページ(Lv1)の色をご覧ください。
人口動態 ── 圏の中の分裂12市町村のうち8は、高齢者の数が減ります
東部医療圏の総人口は488,174人→392,555人(-19.6%)、65歳以上人口は166,396人→163,241人(-1.9%)。圏の平均はほぼ横ばいですが、内訳は真っ二つです。増えるのは北島町(+16.4%)・藍住町(+16.3%)・松茂町(+14.7%)・徳島市(+2.6%)の4市町。減るほうの極は神山町(-45.4%)と佐那河内村(-32.9%)で、20年で高齢者そのものが3〜4割減ります。高齢化率で見ても北島町の26.8%から神山町の56.3%まで開いており、同じ二次医療圏の中に、全国平均(29.6%)より若い町と、住民の半分以上が65歳以上の町が同居しています。
ランキング ── 1軒あたりの厚み薬局1軒あたりの処方せんは、圏内で3倍ひらきます
薬局1軒あたりの処方せん(2025年推計)は、圏全体で年11,772枚。薬局が8軒以上ある7市町だけで比べると、北島町の7,002枚から阿波市の23,177枚まで3.3倍開きます。いちばん薄いのが北島町——圏内で65歳以上人口の伸びがいちばん大きい町でもあります。薬局が数軒しかない町の「1軒あたり」は、事実上その1〜数軒の数字になるのでここでは使いません(表には注記付きで載せています)。広さで見ると、薬局1軒あたりの面積は圏全体で3.7km²、同じ7市町では北島町の0.5km²から阿波市の17.4km²まで開きます。人口の集まり方と薬局の集まり方が、この圏では地理にそのまま従っています。
くわしい数字12市町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 徳島市 | 165 | 32.5% | 9,389 → 9,824 | +4.6% |
| 鳴門市 | 30 | 37.1% | 12,335 → 11,370 | -7.8% |
| 北島町 | 17 | 26.8% | 7,002 → 8,306 | +18.6% |
| 吉野川市 | 13 | 40.9% | 21,798 → 18,696 | -14.2% |
| 石井町 | 12 | 34.6% | 13,468 → 13,272 | -1.5% |
| 藍住町 | 12 | 27.8% | 15,869 → 18,810 | +18.5% |
| 阿波市 | 11 | 41.6% | 23,177 → 19,554 | -15.6% |
| 板野町 | 7 | 36.1% | 12,321 → 12,369 | +0.4% |
| 上板町 | 4 | 38.2% | 19,796 → 18,185 | -8.1% |
| 松茂町 | 3 | 29.3% | 26,991 → 31,558 | +16.9% |
| 神山町 | 1 | 56.3% | 44,106 → 24,532 | -44.4% |
| 佐那河内村 | 0 | 51.2% | 薬局なし | ― |
※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口のシェアで市町村に按分した推計で、市町村ごとの実測ではありません。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局・承継および機能の届出率は、データが取り込まれていないため列がありません(0ではなく未算出です)。薬局が0〜2軒の自治体は、集計がそのまま個店の記述になるため本文の主役にはしていません。個店のランキングは作りません。
閉局 ── 県全体の数字だけをご覧くださいこの圏だけを取り出した閉局の数字は、出していません
他県版の圏ページには「圏内でこの1年に何軒閉じたか」という数字があります。徳島県では圏ごとの数字を出していません。もともと厚生局の一覧表を私たちが取りこぼしており、2026年7月28日に取り込み直しました(厚生局はきちんと公表しています。落としていたのは私たちです)。ただし一覧表に抜けがあり、もれなく数えられる期間は2025年7月〜2025年11月(5ヶ月)だけです。その5ヶ月の徳島県全体で、廃止届6件・そのまま消えた薬局は4軒でした。この6件を12市町村や3医療圏に割ると、1件の増減で数倍に振れてしまいます。ですので県全体の数字としてだけお読みください(県のページに載せています)。これは「この圏で薬局が閉じていない」という意味ではありません。数えられる期間が短いだけです。
機能の届出 ── これも出せませんかかりつけ・地域連携・在宅の届出率は未算出です
薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能情報が徳島県まるごと未取込のため、3指標とも未算出(null)としています。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)データベース上は0が入っていますが「届出0件」ではありません。0.0%と表示することは実在しない事実の公開にあたるため行いません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 徳島県(Lv1)=3つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 東部医療圏(このページ・Lv2)=圏内の市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。東部医療圏にいまある275軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.49です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-19.6%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が48%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。この県で数えられた「本当の閉局」は17件と少なく、1件の増減で率が動きます。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は87.1%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。東部医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は271軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 236軒=87.1%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 187軒=69.0%、在宅薬学総合体制加算 126軒=46.5%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 224軒=82.7%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このページの色の意味】東部医療圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで市町村に分け直したときの、2025→2045のシェア移動です。プラスでもその市町村の処方せんが実際に増えるとは限りません(圏全体では-1.9%)。絶対値は県ページ(Lv1)をご覧ください。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。
- 【★閉局は県計のみです(2026年7月28日・取り込み欠陥から復旧)】厚生局は徳島県の廃止情報を公表していますが、集計用データに変換する私たちの側の工程が取りこぼしていました。2026年7月28日に取り込み直しています。一覧表に抜けがあるため、もれなく数えられるのは2025年7月〜2025年11月(5ヶ月)だけで、その期間の徳島県全体は廃止届6件・真の閉局4軒です。この件数を圏・市町村に割ると1件の増減で数倍動くため、本ページでは圏・市町村の閉局を出していません。閉局率・承継率も県計を含めて算出していません(信頼区間が桁で開くため)。徳島県で薬局が閉じていないという意味ではありません。
- 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る271軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算87.1%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)69.0%/在宅薬学総合体制加算46.5%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)82.7%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
- 【処方せんは按分推計】NDBオープンデータの最小公表単位は二次医療圏です。市町村別の値は、圏の実績(東部医療圏 2023年 3,237,309枚)を65歳以上人口のシェアで割り振った推計であり、実測ではありません。住民が隣の市町村の薬局を使う分は、按分では住所側に配分されます。
- 【医薬分業率】東部医療圏の院外処方せん率は66.2%で、徳島県67.0%・全国80.7%を下回り、県内3圏で最も低い値です。院内で出ている処方せんが年間1,654,204枚あります。
- 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。
- 【薬局が0軒の自治体】佐那河内村には調剤薬局がありません。住民が薬局を使えないという意味ではなく、隣接する徳島市などの薬局が受け皿になっていると考えられます。1軒あたり処方せんは算出していません。
- 【薬局が1〜2軒の自治体】神山町は薬局が1軒しかありません。この規模では市町村単位の集計がそのまま個店の記述になるため、本文の主役にはせず、市町村詳細版(Lv3)の対象からも外しています。表には注記付きで残しています。
- 【小さい分母】薬局8軒未満の市町村が4あります(神山町・上板町・板野町・松茂町)。1軒あたりの値は数軒の増減で大きく動くため、市町村どうしの順位づけには使えません。
- 【徒歩アクセスは出せません】250mメッシュの人口基盤(mesh_backbone_250m)に徳島県分が13,364セル投入済みです。ただし徒歩10分以内カバー率の算出は本レポートにはまだ入れていない=次回更新で追加予定です。代わりに面積(薬局1軒あたりのkm²)を載せています。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDB335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみ。ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません(県内39店を除外)。位置は届出上の市区町村コードによります。
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