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CrossHealth / 薬局持久度レポート
圏の94%が、鶴岡と酒田の2市に集まる
山形県庄内医療圏 5市町の薬局を、圏内での需要シェアの移動で見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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庄内医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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庄内医療圏の調剤薬局は139軒——山形県全体610軒の22.8%です。うち鶴岡市71軒・酒田市60軒で、2市だけで圏の94.2%を占めます。残る3町は合計8軒。65歳以上人口は20年で-13.6%減り、号がそろっている7ヶ月の廃止届5件は県内4医療圏でいちばん多い件数でした(率は出せません・下記)。
庄内医療圏は、鶴岡市と酒田市というほぼ同規模の2市が向かい合う、県内でも珍しいかたちの圏です。薬局1軒あたりの処方せん(2025年推計)も酒田市11,532枚・鶴岡市11,589枚とほぼ同じ。経営体力(圏内相対)も酒田市+1.5%・鶴岡市+1.8%と並びます。対照的なのが周縁の3町で、遊佐町(-15.8%)と庄内町(-8.5%)は圏内シェアを落とし、三川町(+7.3%)だけが2市の間で微増します。ただし3町の薬局は1〜5軒で、数字は大きく振れます。この圏に、65歳以上人口が2045年まで増える自治体はありません(県内で増える3市はすべて村山医療圏)。
地図 ── 地域差を見る圏の中で、処方せんはどこへ動くか
色は圏内での需要シェアの移動です。庄内医療圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで自治体に分け直し、2025年と2045年で比べています。プラスは「圏の中での取り分が増える」、マイナスは「取り分が減る」という意味で、その自治体の処方せんが実際に増えることを意味しません。圏全体では65歳以上が-13.6%減るので、プラスの自治体でも実量は減るか横ばいだと考えてください。絶対値は県のページ(Lv1)の色をご覧ください。
徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は50.8%(直線近似)
250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、庄内医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は50.8%(山形県全体55.0%)、20分圏で65.7%です。徒歩10分圏の外には120,813人が住んでいます。市町村別では酒田市の62.8%から三川町の8.3%まで開きます。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。冬期の積雪・通行止め・公共交通は含みません。また、座標が使えない24店を県内の供給点から除いて計算した下限値です(下の注記)。
人口動態 ── 需要の源5市町すべてが、もうピークを過ぎています
庄内医療圏の総人口は245,487人→176,919人(-27.9%)、65歳以上人口は94,567人→81,710人(-13.6%)。圏内5市町はすべて、65歳以上人口が2025年でピークを打っています。ピークがこれから来る自治体はひとつもありません。高齢化率は圏全体で38.5%→46.2%へ、薬局のある自治体別では三川町の36.4%から遊佐町の46.7%までの幅があります(2025年)。
ランキング ── 1軒あたりの厚み酒田市と鶴岡市で、1軒あたりの処方せんはほぼ並びます
薬局1軒あたりの処方せん(2025年推計)は、圏全体で年13,038枚。薬局が8軒以上ある2市だけで比べると、酒田市の11,532枚と鶴岡市の11,589枚で、ほぼ同じ水準(1.0倍)です。薬局が数軒しかない町村の「1軒あたり」は、事実上その1〜数軒の数字になるのでここでは使いません(表には注記付きで載せています)。広さで見ると、薬局1軒あたりの面積は圏全体で17.3km²、同じ2市では酒田市の10.0km²から鶴岡市の18.5km²まで開きます。
医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
◆庄内地域に従業地を有する薬剤師数は、人口10万人当たり180.7人で県全体の199.3人を下回っている状況です。
山形県保健医療計画(第8次)第8次山形県保健医療計画 全体版 PDF 323ページ○庄内地域がんの放射線治療、小児医療及び周産期医療のうち特に高度な医療については、必要に応じ、村山構想区域の三次医療機関との連携を行っていきます。
山形県保健医療計画(第8次)第8次山形県保健医療計画 全体版 PDF 44ページ◆高齢者施設でのクラスターは、第6波(庄内地域では令和4年1月頃)以降、多く発生しましたが、感染症専門班による早期の現地指導により施設からの入院は抑制され、病床が常に確保されたことから搬送困難となる事例は1例もありませんでした。
山形県保健医療計画(第8次)第8次山形県保健医療計画 全体版 PDF 326ページ並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字5市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 鶴岡市 | 71 | 37.5% | 11,589 → 11,794 | +1.8% |
| 酒田市 | 60 | 38.5% | 11,532 → 11,705 | +1.5% |
| 庄内町 | 5 | 40.6% | 28,379 → 25,955 | -8.5% |
| 三川町 | 2 | 36.4% | 25,623 → 27,481 | +7.3% |
| 遊佐町 | 1 | 46.7% | 104,407 → 87,921 | -15.8% |
※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口で按分した推計で、市町村別の実測値ではありません。薬局が8軒未満の3自治体(遊佐町・庄内町・三川町)の「1軒あたり」は事実上その数軒の数字なので、本文のレンジには使っていません。閉局は件数のみ・率は非公開、機能の届出率は未算出(0%ではありません)。徒歩カバー率は直線近似の下限値です。
閉局 ── 件数だけ、7ヶ月ぶんです圏ごとの閉局率は出していません
他県版の圏ページには「圏内でこの1年に何軒閉じたか」という率があります。山形県では圏ごとの率を出していません。厚生局が毎月出す廃止機関一覧表のうち3号が画像のPDFで、集計用データに変換する私たちの側の工程が読み飛ばしていたため、もれなく数えられるのは7ヶ月ぶんだけだからです(厚生局はきちんと公表しています。落としていたのは私たちです)。しかもこの7ヶ月は連続しておらず、2025年5〜8月と2025年12月〜2026年2月の2つの区間に分かれています。その7ヶ月の庄内医療圏では、廃止届5件のうち2件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えた薬局は3軒でした。山形県全体では廃止届11件・真の閉局8軒です。この11件を4つの医療圏や35市町村に割って率にすると、1件の増減で数倍に振れてしまいます。ですので件数としてだけお読みください。これは「この圏で薬局が閉じていない」という意味ではありません。数えられる期間が短いだけです。
機能の届出 ── これも出せませんかかりつけ・地域連携・在宅の届出率は未算出です
薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能情報が山形県ではほぼ取り込まれておらず、9つの届出項目のどれかに「あり」が立っている薬局は県全体610店中14店しかありません。3指標とも未算出(null)としています。0%ではありません。この圏の薬局がこれらの機能を担っていない、という意味には一切なりません。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。庄内医療圏にいまある139軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.41です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-27.9%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が15ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は91.0%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。庄内医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は133軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 121軒=91.0%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 59軒=44.4%、在宅薬学総合体制加算 35軒=26.3%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 107軒=80.5%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- この圏ページの `chg` は圏内での相対値(圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで分け直したときの移動)。県ページ(Lv1)の `chg` は絶対値で意味が違う。
- 庄内医療圏の65歳以上人口は20年で-13.6%。圏内でプラスの自治体でも、実量が増えるという意味ではない。
- 薬局数は `ds_only=0`=139軒。ドラッグストア専業は含まない。
- 市町村→医療圏の対応は `medical_area_master` が唯一の正。
- ★機能の届出率(かかりつけ・地域連携・在宅)は未算出(null)。GMISの機能情報が山形県ではほぼ未取込で、9項目のどれかに「あり」が立つ薬局は県全体610店中14店しかない。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)0%ではない。
- ★閉局は件数のみ。圏・市町村の率(閉局率・承継率)は算出していない。号がそろっている7ヶ月の県計が廃止届11件しかないため。
- ★閉局の件数は7ヶ月ぶんで、しかも連続していない2区間(2025年5〜8月・2025年12月〜2026年2月)の合算。他県版の「直近12ヶ月」「暦年」とは期間が違うので、そのまま並べてはいけない。東北6県の間でも号のそろい方が違い、閉局率の県間比較はできない。
- ★閉局の件数は2026年7月28日時点の名簿による値。名簿には掲載遅れ(廃止からデータベースに載るまでのタイムラグ)があり、件数は今後も増える可能性がある=下限値として読むこと。
- ★画像PDF3号(2025-11・2026-05・2026-06)から目視・OCRで復元した5件(真の閉局3・承継2)は、廃止月がすべて既定窓の外なので、この圏ページの件数には影響しない。県の全収録期間の値はデータベース由来のみ(廃止届29件)と復元込み(30件)の両方を`closure_pref_totals` に併記した。どちらも下限値。
- 市町村別の処方せんは実測ではない。NDBの最小公表単位が二次医療圏なので、65歳以上人口で按分した推計。分母の小さい町村では極端に跳ねる(本文のレンジは薬局8軒以上の2自治体に限っている)。
- 薬局1〜2軒の自治体が2ある(遊佐町・三川町)。市町村単位の集計がそのまま個店の記述になるため、Lv3の対象から外す。
- 庄内医療圏に薬局0軒の自治体は無い。
- 薬局数は2025年時点で固定。将来の開局・閉局は含まない。
- ★徒歩カバー率は直線近似の下限値。徒歩10分圏カバー率50.8%は、250mメッシュ推計人口(2025年・圏内245,487人)と県内の薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向がある。最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探す(越境あり・県境は越えない)。さらに山形県では、ジオコードに失敗して同一のフォールバック座標に固まった24店(村山圏23・最上圏1)を供給点から除外しているため、除外店の実位置の近隣では実際のカバー率がこの値より高い=下限値である。公開済みの村山Lv2にはまだこの軸が無く、次回更新で4圏そろえる予定。
- 個店のランキング・名指しの閉局予測・出店戦略の助言は含まない。
- 言えないこと: この圏でどの市町村の閉局が多いか、どの市町村の届出が進んでいるか、将来この圏の薬局が何軒になるか。いずれもデータからは判断できない。
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