宮城県大崎・栗原(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

1軒あたりの処方せんが、県内でいちばん薄い

大崎・栗原医療圏6市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 大崎・栗原医療圏 6市町期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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大崎・栗原医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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大崎・栗原医療圏は、栗原市/涌谷町/加美町/色麻町/美里町/大崎市の6市町からなる圏域です。薬局は141軒(宮城県の11.6%)。薬局1軒あたりの年間処方せんは11,557枚と県内4医療圏で最も少なく、院外処方率78.3%も県内で最も低い=処方せんのおよそ22%が病院・診療所の中で渡されている圏です。圏全体では65歳以上人口が2045年までに-13.1%と減り、ピークは2025年=すでに減少局面です。それでも圏内の市町を並べると、経営体力の差は28.4ポイント開きます。

6
大崎・栗原医療圏の市町
141
圏内の薬局数
3
既定窓11ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-15〜+13%
経営体力の変化レンジ(圏内の差)

この圏域は6市町でできています。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)を並べると、いちばん沈むのが栗原市の-15.2%、いちばん保つのが大崎市の+13.2%で、開きは28.4ポイントです。プラスは2市町、マイナスは4市町。ここで注意していただきたいのは、この色が圏内での相対値だということです。大崎市の+13.2%は「圏内で相対的に保つ」という意味で、絶対値で見ると65歳以上人口は-1.7%です。圏全体では需要は-13.1%減ります。現在の水準では、薬局1軒あたりの処方せんは大崎市の8,944枚から美里町の17,302枚まで開きます(薬局8軒以上の市町での比較)。素の最大は涌谷町の26,238枚ですが、これは薬局4軒に市町ぶんの処方せんを按分した計算値で、実測ではありません。閉局については、既定窓(2025年6月〜2026年4月(11ヶ月))の廃止届は5件でした。うち2件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは3軒でした。この件数には、厚生局の原本PDF(DB未収録号・スキャン画像号)から復元した2件(真の閉局1・移転承継1)を含みます。当社データベースだけの下限値は真の閉局2件・承継1件です。分子は5件しかなく、1件の増減で率が大きく動きます。圏どうしの順位づけには使えません。なお、かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、宮城県ではGMISの取り込みが済んでおらず算出していません(この圏では機能フラグ9項目がすべて0の薬局が97.2%。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)0%ではなく「未算出」です)。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが大崎市(+13.2%)、いちばん赤いのが栗原市(-15.2%)で、同じ大崎・栗原医療圏の中に28.4ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要は-13.1%と減る推計です。

徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は44.1%(直線近似)

250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、大崎・栗原医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は44.1%(宮城県全体70.2%)、20分圏で60.6%です。徒歩10分圏の外には134,501人が住んでいます。市町別では大崎市の54.0%から色麻町の18.5%まで開きます。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。冬期の積雪・通行止め・公共交通は含みません。

人口動態 ── 需要の源6市町すべてが、もうピークを過ぎている

なぜ市町で差が出るのか。もとをたどると人口の動きです。大崎・栗原医療圏全体では、総人口は24.1万→17.6万人(-26.6%)と減り、65歳以上も9.0万→7.9万人(-13.1%)と減ります。高齢化率は37.6%→44.5%へ。65歳以上のピークは圏全体で2025年=すでに減少局面です。圏内6市町はすべて、65歳以上人口が2025年でピークを打っています。ピークがこれから来る自治体はひとつもありません。2045年までに65歳以上が減るのは、6市町すべてです。

総人口65歳以上
0万8万15万22万30万20252030203520402045205016万8万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口も65歳以上人口も、2025年から減少局面。

ランキング ── 市町の差相対的に保つ市・先に細る町

栗原市(-15.2%)から大崎市(+13.2%)まで28.4ポイントの開き。マイナスは4市町、プラスは2市町(美里町/大崎市)です。分母の小ささにはご注意ください。圏内には薬局8軒未満の市町が2あり(涌谷町/色麻町)、そこでは1軒あたりの数値が大きく振れます。

栗原市
-15.2%
涌谷町
-11.5%
加美町
-10.4%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
色麻町
-3.6%
美里町
+3.2%
大崎市
+13.2%

医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

医療従事者については、人口当たりの医師、歯科医師、薬剤師、看護師、病院勤務リハビリテーション専門職が全て県値より少なく、特に病院勤務リハビリテーション専門職は、県内の医療圏の中で最も少なくなっています。

宮城県地域医療計画(第8次)第8次宮城県地域医療計画 全体版 PDF 215ページ

以上の分析結果等から、大崎・栗原医療圏においては、他の医療圏等と比較して初期救急医療、在宅医療(訪問看護)が特に不足する外来医療機能として挙げられます。

宮城県地域医療計画(第8次)第8次宮城県地域医療計画 全体版 PDF 301ページ

圏域内住民の入院患者の受療動向を見ると、患者の21.2%が圏域外の医療機関に入院しており、仙台医療圏への流出が12.1%、次いで大崎・栗原医療圏への流出が6.1%となっています。

宮城県地域医療計画(第8次)第8次宮城県地域医療計画 全体版 PDF 222ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字6市町データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
大崎市8033.3%8,944 → 10,122+13.2%
栗原市3643.8%12,901 → 10,945-15.2%
加美町1040.3%14,584 → 13,065-10.4%
美里町938.2%17,302 → 17,854+3.2%
涌谷町442.7%26,238 → 23,233-11.5%
色麻町238.3%21,518 → 20,737-3.6%

※処方せん需要は大崎・栗原医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町別の率は出していません)。届出率(かかりつけ等)はGMISの取り込みが済んでいないため算出していません(0%ではありません)。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 宮城県(ひとつ上・Lv1)=4つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 大崎・栗原医療圏(このページ・Lv2)=6市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

大崎・栗原医療圏 6市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。大崎・栗原医療圏にいまある141軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.38です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-26.6%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が15ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は92.0%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。大崎・栗原医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は137軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 126軒=92.0%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 67軒=48.9%、在宅薬学総合体制加算 32軒=23.4%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 106軒=77.4%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【この地図の色は圏内での相対値です】Lv1(宮城県)の色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)ですが、このページの色は大崎・栗原医療圏のなかでのシェア移動を示します。意味が違います。圏全体の需要(65歳以上人口)は2045年までに-13.1%です。
  • 【市町別の処方せんは実測ではありません】NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、大崎・栗原医療圏の実績(2023年・1,629,518枚)を各市町の65歳以上人口で按分した推計です。薬局8軒未満の市町では極端に跳ねます(素の最大は涌谷町の26,238枚で、薬局4軒の按分値)。本文の比較は薬局8軒以上の市町に限っています。
  • 【NDBは院外だけを数えています】大崎・栗原医療圏の院外処方率は78.3%で、処方せんのおよそ22%は病院・診療所の中で渡されています。この分は上の推計に入っていません。
  • 【★閉局の数え方と集計期間】東北厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(大崎・栗原医療圏で3件・廃止届は5件)。**集計期間は2025年6月〜2026年4月(11ヶ月)で、1年ぶんではありません。**宮城県では名簿5号ぶんがデータベースに入っておらず(未収録2号・画像PDF3号)、原本PDFから復元した行を含めて数えています(この圏の復元は2件)。復元を使わない下限値は真の閉局2件・承継1件です。率を比べるときは年率換算(この圏の年率2.32%・DBだけなら1.55%=下限)を使い、11ヶ月からの換算値であることを明示してください。**東北の他県との順位づけは出していません**(号のそろい方が県ごとに違うため)。件数は2026年7月28日時点の名簿による値で、名簿の掲載遅れにより今後も増える可能性があります(東北は掲載遅れの裾が厚く、号がそろった月ですら下限です)。**年ごとの推移・前年比はこの県では作れません。**
  • 【閉局は圏の合計で読んでください】この圏の真の閉局3件を市町に割ると1つあたり0〜1件しかないため、市町別の閉局率は出していません。市町どうしの順位づけにも使えません。
  • 【★分子は5件です】この圏の「引き継がれなかった割合」(true_share_pct=60.0%)は廃止届5件から計算した値で、1件の増減で率が大きく動きます。圏どうしの順位づけには使えません。
  • 【廃止届=閉局ではありません】廃止届のなかには、同じ日に新しい機関コードが発行される移転・承継が混ざります。このレポートで「閉局」と呼ぶのは、新しいコードが出ていない届出だけです。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る137軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算92.0%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)48.9%/在宅薬学総合体制加算23.4%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)77.4%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【薬局が少ない市町の数字は振れます】圏内で薬局8軒未満なのは涌谷町(4軒)/色麻町(2軒)です。1軒あたり処方せんは1店の増減で大きく動くため、これらの市町どうしを順位づけしないでください。
  • 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(宮城県は全店に市区町村コードがあり、座標による補完は0件でした)。
  • 【★徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率44.1%は、250mメッシュ推計人口(2025年・240,521人)と県内の薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります(河川・線路・冬期条件で迂回が生じるため)。最寄り薬局は市区町村・医療圏の境界を越えて探しています(越境あり・県境は越えません)。公開済みの仙台Lv2にはまだこの軸が無く、次回更新で4圏そろえる予定です。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【東日本大震災について】沿岸の市町では人口の見通しが内陸より厳しく出ますが、本レポートはその理由を特定していません。将来推計人口は過去の実績から機械的に延ばしたもので、個別の出来事を原因として織り込む設計にはなっていないためです。「震災の影響でこうなった」という読み方はしないでください。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。

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大崎・栗原医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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