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CrossHealth / 薬局持久度レポート
圏の面積の4割に、薬局は6軒
中央医療圏14市町村の薬局を、供給・高齢化・需要・面積で見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
中央医療圏には高知県の薬局278軒(県全体の74.1%)が集まります。うち180軒=圏内の64.7%が高知市にあり、高知市は圏の面積の10.3%にすぎません。反対側では、薬局が0〜2軒しかない6市町村が圏の面積の37.7%を占め、そこにある薬局は6軒です。同じ二次医療圏の中に、これだけの密度差があります。
高知県の4つの二次医療圏はどれも65歳以上人口が減りますが、中央医療圏の-3.3%は最も浅い減りです。ただしそれは圏の平均であって、14市町村のうち65歳以上が増えるのは高知市だけ(+5.3%)、残る13市町村はすべて減ります。「圏で見れば浅い、町で見れば深い」——二次医療圏という単位が何を隠すか、を1枚で示せるのがこの圏です。
地図 ── 地域差を見る圏の中で、処方せんのシェアはどこへ動くか
色は圏内での薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化です。圏内で52.5ポイント開きます(薬局が3軒以上ある市町村でみると越知町-26.3%〜高知市+8.9%)。
chg_abs 欄をご覧ください。距離 ── 軒数では見えないもの薬局0〜2軒の6市町村が、圏の面積の37.7%
中央医療圏の面積は3,010km²。薬局が0〜2軒しかない6市町村がその37.7%を占め、そこに18,001人(圏の3.7%)が住んでいます。薬局が1軒も無いのは大豊町・大川村の2町村で、圏の面積の13.6%です。逆に高知市は圏の面積の10.3%に薬局の64.7%が集まります。ただしこれは行政区域面積であって可住地面積ではなく、道路や公共交通も含みません。徒歩10分カバー率の代わりにはなりません。
人口動態 ── 需要の源圏の高齢者も、もう増えない
中央医療圏の総人口は490,103→388,395人(-20.8%)、65歳以上は169,266→163,640人(-3.3%)。高齢化率は34.5%→42.1%です。65歳以上人口のピークは推計上すでに2025年で、14市町村のうち13がピークを過ぎています(過ぎていないのは高知市だけ)。
閉局 ── 消えた薬局と、続いた薬局圏内の廃止届19件。うち14件は引き継がれなかった
直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に中央医療圏で出された薬局の廃止届は19件。うち5件は移転・承継で事業が続いており、残る14件が真の閉局です。圏の薬局278軒に対して5.04%、引き継がれなかった割合は73.7%。高知県全体の真の閉局16件のうち14件(88%)がこの圏で起きています。うち10件は高知市です。
ランキング ── 圏内格差同じ圏の中の、両端
薬局が3軒以上ある市町村では、越知町(-26.3%)から高知市(+8.9%)まで35.2ポイント開きます。薬局1〜2軒の町村はこの下にさらに広がりますが、市町村の集計がそのまま個店の記述になるため本文では扱いません(表には small_n の注記つきで載せています)。薬局の数がいまのままなら、1軒あたりの処方せんはこう動きます。
くわしい数字市町村別データ
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2050 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 高知市 | 180 | 32.1% | 10,893 → 11,866 | +8.9% |
| 南国市 | 29 | 33.3% | 10,101 → 10,225 | +1.2% |
| 土佐市 | 18 | 38.2% | 10,092 → 8,365 | -17.1% |
| いの町 | 13 | 43.2% | 12,785 → 10,353 | -19.0% |
| 香美市 | 13 | 38.8% | 14,652 → 12,012 | -18.0% |
| 香南市 | 9 | 33.7% | 22,920 → 23,596 | +2.9% |
| 佐川町 | 6 | 43.3% | 16,284 → 13,858 | -14.9% |
| 越知町 | 4 | 49.1% | 11,133 → 8,200 | -26.3% |
| 本山町 | 2 | 48.5% | 13,862 → 10,033 | -27.6% |
| 土佐町 | 2 | 48.8% | 16,356 → 12,206 | -25.4% |
| 仁淀川町 | 1 | 57.1% | 46,456 → 26,220 | -43.6% |
| 日高村 | 1 | 45.6% | 39,976 → 32,760 | -18.1% |
| 大豊町 | 0 | 62.2% | 薬局なし | ― |
| 大川村 | 0 | 41.3% | 薬局なし | ― |
薬局が1〜2軒の市町村(仁淀川町・本山町・土佐町・日高村)は、市町村の集計がそのまま個店の記述になるため、本文の主役にはしていません。薬局0軒の市町村(大豊町・大川村)は1軒あたりの指標が計算できないため空欄です。閉局は件数のみで、市町村単位の率は出していません(分母が小さいため)。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 市
- 町
- 村
- 詳
- 細
- (
- L
- v
- 3
- )
- は
- 高
- 知
- 市
- を
- 想
- 定
- し
- て
- い
- ま
- す
- 。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の助言もしません。ファクトを出し、判断は読み手に委ねます。
- ★【閉局データの経緯】高知県の閉局は2026-07-28に復旧して掲載できるようになりました。同日午前まで0件と表示されていましたが、それは「閉局が無かった」のではなく、こちらの取り込みプログラムが高知県の名簿の書式(機関番号の表記)を読めていなかったためです。名簿そのものには最初から記載がありました。「データが無い」ことを「事象が無い」と読んではいけない、という例です。
- 【この圏について】中央医療圏は高知県4つの二次医療圏のうち構成市町村・薬局数ともに最多で、県の薬局の74.1%を占めます。圏内の落差(52.5ポイント)も県内最大です。
- 【閉局の集計期間】真の閉局・移転承継・廃止届は「直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)」の値です。兵庫・京都・滋賀・北海道・神奈川・富山・岐阜・三重・石川・静岡・沖縄と同じ期間なので、そのまま並べて比較できます。この期間に必要な名簿の号がそろっていることを、一次資料のPDFを1本ずつ読んで確認しています。
- ★【2024年以前の件数は下限】2023年9月〜2024年10月と2024年12月の計15ヶ月は、名簿の号そのものが手元にありません。この期間を含む集計(全期間・年次推移)は過少であり、年ごとの増減をトレンドとして読むことはできません。上記の12ヶ月の窓はこの欠けの外にあります。
- 【真の閉局と移転・承継】廃止届のうち、新しい機関コードが記載されているものは移転・承継=その場所から薬局が消えたわけではないため、「真の閉局」から除いています。両方を併記しているのは、「薬局が本当に無くなった数」と「経営体の入れ替わりの総量」を区別できるようにするためです。
- ★【医療圏別の率を出していない圏があります】安芸・高幡・幡多は、薬局が30軒未満か、廃止届が5件未満のため、閉局率・承継率を出していません。1件動くだけで率が数ポイント動き、圏どうしの順位づけに使えないためです。件数そのものは実測値として載せています。
- ★【面積について】薬局1軒あたり面積(km²/軒)は、国土数値情報N03の行政区域ポリゴンから求めた幾何指標です。可住地面積ではありません。高知県は森林の占める割合が大きく、実際に人が住んでいる範囲での距離はこの値より近くなります。道路網・公共交通・中山間の峠・季節の通行止めは一切考慮していません。徒歩10分カバー率の代用ではありません。
- 【徒歩アクセス】250mメッシュ(mesh_backbone_250m)に高知県分が未投入のため、他県版にある「徒歩10分以内に薬局がある人口の割合」は出していません。
- 【将来の薬局数】薬局の数は2025年で固定して計算しています。開局・閉局による将来の店数変化は織り込んでいません(供給動学モデルは全国再フィット待ちのため差し止め中で、高知県は閉局の実績データそのものが無いため当てはめられません)。
- 【処方せんの推計】市町村別の処方せん枚数は実測ではありません。NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、圏の実績を市町村の65歳以上人口シェアで按分した推計値です。「1人あたりの利用率は今のまま」という単純化を置いています。中山間の住民が高知市の医療機関で受診・調剤する分は、按分では住所地側に配分されます。
- 【小さい分母】薬局が8軒未満の市町村が19、0軒の市町村が5あります。率どうしの順位づけには使えません。また安芸(27軒)・高幡(26軒)は二次医療圏そのものが小分母で、率の比較には使っていません。
- ★【個店になってしまう粒度】薬局が1〜2軒の市町村が13あります(東洋町・安田町・田野町・芸西村・仁淀川町・本山町・土佐町・日高村・檮原町・中土佐町・津野町・大月町・黒潮町)。これらは市町村単位の集計がそのまま個店の記述になるため、本文の主役・見出しには使わず、市町村詳細(Lv3)の対象からも外しています。
- 【高齢化率が上がる意味】高知県の高齢化率は2025年から2045年にかけて上がりますが、65歳以上人口そのものは減ります。分子(高齢者)も減り、分母(総人口)がもっと速く減るためです。「高齢化が進む=需要が増える」は高知県では成り立ちません。
- 【全国順位の読み方】65歳以上人口の減り-10.1%は全国3位の深さですが、すぐ上の山口県とは0.004ポイント差しかなく、小数第1位に丸めるとどちらも同じ値になります。順位は生値で判定しています。
- 【機能の届出率】かかりつけ・地域連携・在宅の届出率はGMIS薬局機能情報にもとづく実測値です(高知県は取込済み)。届出は「できること」の宣言であり、実際の実施件数ではありません。
- 【データの時点】薬局・機能情報=GMIS薬局機能情報/人口=社人研2023年推計(2025〜2050の5年刻み)/処方せん=NDBオープンデータ2023年度/境界・面積=国土数値情報N03 2024-01-01。
- ★【市町村を足しても圏に戻りません】各市町村の「1軒あたり処方せん」×薬局数を合計しても、圏の実績(3,323,501枚)には戻りません。薬局が0軒の市町村(大豊町・大川村)に按分された分は「1軒あたり」を計算できず落ちるためで、その差は1.09%=その2町村の65歳以上人口シェアに等しくなります。
- 【Lv2の色の意味】このページの色(chg)は圏内での相対値です。Lv1(県ページ)の色は絶対値で、同じ名前の指標でも意味が違います。絶対値は各市町村の chg_abs 欄にあります。
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