秋田県秋田周辺(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

県庁所在市だけが、まだ増えている

秋田周辺医療圏7市町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 秋田周辺医療圏 7市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

秋田周辺医療圏は、薬局205軒=秋田県の41.4%が集まる、県内最大の圏域です。うち174軒(84.9%)が秋田市にあります。圏全体では65歳以上人口が2045年までに-5.0%と減りますが、これは県内8医療圏でいちばん浅い減り方です。それでも圏内の市町村を並べると、経営体力の差は37.9ポイント——秋田県の圏域差(25.9ポイント)より大きく開きます。

7
秋田周辺医療圏の市町村
205
圏内の薬局数
8
11ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-32〜+6%
経営体力の変化レンジ(市町村差)

この圏域は、県庁所在市である秋田市と、その周りの6市町村(男鹿市・五城目町・八郎潟町・潟上市・大潟村・井川町)でできています。構図は単純です。プラスは2(大潟村・秋田市)だけで、残る4市町はすべてマイナス。いちばん沈むのが男鹿市(-31.9%)で、総人口-47.5%・65歳以上-35.3%、高齢化率は51.5%→63.5%になります。ここで注意していただきたいのは、この色が圏内での相対値だということです。秋田市の+6.0%は「圏内で相対的に伸びる」という意味で、絶対値で見ると65歳以上人口は+0.6%——ほぼ横ばいです。圏全体では-5.0%減ります。つまりこの圏域で起きているのは成長ではなく、周辺が先に減り、中心に残るという重心の移動です。現在の水準を見ると、それがもう始まっていることが分かります。薬局1軒あたりの処方せんがいちばん少ないのは秋田市(13,025枚)で、これは圏内で最も薬局の多い市でもあります。いちばん多いのは潟上市(23,459枚・薬局8軒以上の自治体のなかで最多)で、いま最も薄い市がこれから最も厚くなり、いま最も厚い市が薄くなる(潟上市は2045年に22,804枚)。なお圏内の素の最大は潟上市の23,459枚ですが、これは薬局11軒に自治体ぶんの処方せんを按分した計算値で、実測ではありません。薬局が0軒の町(井川町)もありますが、名簿の網羅性の問題もあるため断定はしません(下の注記)。閉局については、この11ヶ月に出た廃止届21件(県内8圏で最多)のうち13件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは8軒でした。ただし承継13件のうち9件は、同じ日に新しい機関コードが連番でまとめて発番された分です。また廃止届はすべて秋田市から出ていますが、これは薬局174軒という分母の大きさを反映したものでもあります。8件という数は市町村ごとの比較に耐える量ではないので、閉局は圏の合計としてだけお読みください。なお、かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、秋田県ではデータの取り込みが済んでおらず算出していません(下の注記)。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが秋田市(+6.0%)、いちばん赤いのが男鹿市(-31.9%)で、同じ秋田周辺医療圏の中に37.9ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要は-5.0%と減る推計です。

男鹿市:薬局11/1軒あたり処方せん -31.9%男鹿市五城目町:薬局4/1軒あたり処方せん -30.8%城目町八郎潟町:薬局4/1軒あたり処方せん -24.1%郎潟町潟上市:薬局11/1軒あたり処方せん -2.8%潟上市大潟村:薬局1/1軒あたり処方せん +1.7%大潟村秋田市:薬局174/1軒あたり処方せん +6.0%秋田市井川町:薬局なし井川町
色=経営体力の変化(→2045・圏内での相対値)
減る(-32%)増える(+6%)
薬局なし(井川町)
市区町村そのものの形で塗り分けています。

人口動態 ── 需要の源圏全体でも減る。5/7市町村は、もうピークを過ぎている

なぜ市町村で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。秋田周辺医療圏全体では、総人口は36.7万→28.1万人(-23.4%)と減り、65歳以上も13.2万→12.5万人(-5.0%)と減ります。高齢化率は35.9%→44.5%へ。65歳以上のピークは圏全体で2025年です。圏内7市町村のうち、65歳以上人口が2025年ですでにピークを打っているのは5(男鹿市・五城目町・八郎潟町・潟上市・井川町)。2045年までに65歳以上が減るのは6市町村で、そこにある薬局は31軒=圏内の15.1%です。ピークが2025年より後に来るのは2(大潟村・秋田市)だけで、それも2040年まで。2050年になっても増え続ける市町村はひとつもありません

総人口65歳以上
0万10万20万30万40万20252030203520402045205026万12万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口も65歳以上人口も、2025年から減少局面。

ランキング ── 市町村の差相対的に楽になる市・先に細る町

男鹿市(-31.9%)から秋田市(+6.0%)まで37.9ポイントの開き。マイナスは4市町村で、プラスは2(大潟村・秋田市)だけです。分母の小ささにはご注意ください。圏内には薬局8軒未満の自治体が3あり(五城目町・八郎潟町・大潟村)、そこでは1軒あたりの数値が大きく振れます。薬局0軒の井川町は、そもそも1軒あたりが計算できません(表では空欄)。

男鹿市
-31.9%
五城目町
-30.8%
八郎潟町
-24.1%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
潟上市
-2.8%
大潟村
+1.7%
秋田市
+6.0%
薬局0の自治体(井川町)はランキング対象外です

くわしい数字7市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
秋田市17433.9%13,025 → 13,802+6.0%
男鹿市1151.5%23,199 → 15,800-31.9%
潟上市1137.9%23,459 → 22,804-2.8%
五城目町450.3%21,589 → 14,942-30.8%
八郎潟町448.2%13,698 → 10,400-24.1%
大潟村133.1%20,943 → 21,289+1.7%
井川町046.4%薬局なし

※処方せん需要は秋田周辺医療圏全体の実績(NDB)を市町村の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町村別は件数が少なすぎます)。機能の届出率は秋田県では算出していません(GMIS未取込)。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 秋田県(ひとつ上・Lv1)=8つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 秋田周辺医療圏(このページ・Lv2)=7市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】秋田周辺医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間2,984,822枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【NDBは院外だけを数えています】秋田周辺医療圏の院外処方率は81.6%で、処方せんのおよそ18%は病院・診療所の中で渡されています。この分は上の推計に入っていません。秋田県内では北秋田医療圏が最も高く(99.2%)、能代・山本医療圏が最も低い(72.5%)です。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。プラスでも、その市町村の処方せんが絶対量で増えるという意味ではありません。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(秋田県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に95.0)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【★閉局の数え方と集計期間】東北厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(秋田周辺医療圏で8件)。廃止届は全部で21件出ていますが、そのうち13件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。**集計期間は2025年4月〜2026年2月(11ヶ月)で、1年ぶんではありません。**秋田県では処理月2025年11月の一覧表がスキャン画像のPDFで文字が取り出せず、データベースに1行も入っていませんでした。該当ページを目視で確認して薬局2件(うちこの圏域に1件・移転承継)を復元し、含めて数えています。復元を使わないと圏内の承継は12件=**下限値**になります。率を他県と並べるときは年率換算(圏の年率4.26%)を使い、換算値であることを明示してください。**年ごとの推移はこの県では作れません。**
  • 【承継には一括の付け替えが混ざります】この圏域の承継13件のうち9件は、同じ日に新しい機関コードが連番でまとめて発番された分です。地域から薬局が消えたわけでも、新しい担い手が個別に見つかったわけでもありません。差し引くと「引き継がれなかった割合」は38.1%→66.7%になります。真の閉局とその率は、この調整の影響を受けません。
  • 【閉局は市町村別に読まないでください】この圏域の真の閉局8件は秋田県全体でも17件しかない事象の一部です。市町村ごとに割ると0〜8件となり、1件の増減で率が数ポイント動きます。市町村別の閉局数はJSONには入れていますが、市町村どうしの順位づけや「この市は閉局が多い」という読み方には使えません。
  • 【★機能の届出率は出していません】かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅患者訪問薬剤管理指導の届出率は、秋田県では算出していません。薬局機能情報提供制度(GMIS)の届出フラグ9項目のいずれかに「あり」が立っている薬局が、県内495店のうち14店(2.8%)しかなく、この分母で割ると実在しない低い率ができてしまうためです。**秋田県の薬局が届出をしていないという意味ではありません。**取り込みが済み次第、追記します。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(秋田県は全店に市区町村コードがあり、座標による補完は0件でした)。
  • 【「薬局0軒」は断定していません】この圏域でDB上の薬局が0軒なのは井川町です。人口規模からは0軒があり得る水準ですが、薬局の名簿はGMISの自己申告が出所で、古い独立店が欠落しうることが分かっています。実地の裏取りができるまで、断定しない側に倒しています。
  • 【徒歩アクセスは出していません】250mメッシュの人口基盤に秋田県分が0件のため、「徒歩10分以内カバー率」は算出できません。投入され次第、後から足せます。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません(Lv1と同じ理由・供給の統計モデルが秋田県を学習対象に含まないため)。

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