鹿児島県鹿児島(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

県内で唯一、処方せん需要が増える

鹿児島医療圏5市村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 鹿児島医療圏 5市村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

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鹿児島医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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鹿児島医療圏は、鹿児島市・日置市・いちき串木野市・三島村・十島村の5市村からなる圏域です。薬局は379軒(県内1位)。9医療圏で唯一、薬局1軒あたり処方せんが増える圏です(+5.4%)。県の薬局856軒のうち379軒=44.3%がこの圏にあり、その89.4%が鹿児島市に集まります。5市村のうち4市村は65歳以上人口がすでにピークを過ぎています。

5
鹿児島医療圏の市村
379
圏内の薬局数
7
直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-24〜+3%
経営体力の変化レンジ(市村差)

経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん沈むのがいちき串木野市(-24.0%)、いちばん伸びるのが鹿児島市(+2.9%)で、その差は26.9ポイント。マイナス側は2市村です。65歳以上人口そのものが25%以上減るのは三島村です。いちき串木野市の高齢化率は現時点で40.2%、2045年には46.8%。三島村は総人口が-31.7%と圏内でもっとも減ります。薬局がいちばん多いのは鹿児島市の339軒で、圏内の89.4%を占めます(経営体力+2.9%)。いまの1軒あたり処方せんは鹿児島市の12,665枚から日置市の17,874枚まで1.41倍開きます。閉局の面では、既定の直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に鹿児島医療圏で出た廃止届は14件。うち7件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは7軒でした。ただし単年の件数はごくわずかで、窓の取り方ひとつで圏ごとの順位が入れ替わります。承継の議論は4年窓で行います。4年(2022年1月〜2025年12月)に出た廃止届81件のうち45件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは36軒でした。この36軒は3市村(いちき串木野市・日置市・鹿児島市)に出ています。引き継がれなかった割合は44.4%で、鹿児島県全体(48.9%)を下回ります。ただし件数そのものが81件しかないため、1件で1.2ポイント動く数字です。しかもこの4年ぶんの件数は下限です——名簿に2024年の5号ぶんの欠落があり、48ヶ月のうち8ヶ月は取りこぼしている可能性があります。いっぽうでこの圏には、薬局が1軒も届け出ていない離島の村が2つあります(三島村・十島村)。2村には1,033人(うち65歳以上296人)が住んでいます。県庁所在地を含む圏と、薬局0軒の島が、同じ二次医療圏に同居しています。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのがいちき串木野市(-24.0%)、いちばん緑なのが鹿児島市(+2.9%)で、同じ鹿児島医療圏の中に26.9ポイントの開きがあります。三島村・十島村は薬局が0軒のため1軒あたりが計算できず、色が付きません(データなし)。

人口動態 ── 需要の源鹿児島医療圏は「人は減るが、お年寄りは増える」

なぜ市村ごとに明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。鹿児島医療圏全体では、総人口は65.5万→57.2万人(-12.7%)、65歳以上は20.6万→21.7万人(+5.4%)と推移します。高齢化率は31.5%→38.0%。65歳以上のピークは圏全体で2045年です。圏内5市村のうち4市村で65歳以上人口のピークは2025年(=すでに減少局面)です。鹿児島県全体では65歳以上が-5.9%と減る推計ですから、この圏域は県の中で逆を向いています。

総人口65歳以上
0万18万35万52万70万20252030203520402045205055万21万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。65歳以上のピークは2045年。

島 ── 圏内の離島県庁所在地の圏に、薬局0軒の島が2つあります

鹿児島医療圏の面積は1,046.4km²、薬局1軒あたり2.8km²です(県内9位の広さ)。市村ごとに見ると鹿児島市の1.6km²から日置市の11.0km²まで開きます。そしてこの圏には、離島の三島村・十島村が含まれます。2村には薬局の届出が無く、地図では色が付きません。島への移動は航路になるため、面積の数字はこの2村にはほとんど意味を持ちません。ただしこの数字は陸地の広さにすぎない幾何の指標です。道路の形も、移動の所要時間も含みません。「1軒あたり◯km²」を「歩ける距離」と読み替えないでください。徒歩圏カバー率は、250mメッシュ人口は投入済みですが算出が未実装のため、本レポートでは出していません(次回更新で追加予定)。

ランキング ── 市村差経営がしんどくなる市村・楽になる市村

いちき串木野市(-24.0%)から鹿児島市(+2.9%)まで26.9ポイントの開き。マイナスは2市村です。三島村・十島村は薬局が0軒のため対象外です。

いちき串木野市
-24.0%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
日置市
-15.3%
鹿児島市
+2.9%
薬局0の自治体(三島村・十島村)はランキング対象外です

県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

○また,離島・へき地等の医療機関での勤務を志す鹿児島大学の地域枠医学生に対して,修学資金を貸与するなど,将来にわたる離島・へき地の医師確保対策に取り組んでいます。

鹿児島県保健医療計画 第5章第4節 離島・へき地医療 PDF 7ページ

○離島・へき地医療に従事しながらキャリア形成が図られるように,鹿児島大学病院地域医療支援センターと連携して,地域枠医師等のキャリア形成プログラムの充実に取り組みます。

鹿児島県保健医療計画 第5章第4節 離島・へき地医療 PDF 8ページ

○離島からの救急搬送について,救急車両で搬送できない患者については,ドクターヘリや消防・防災ヘリ,自衛隊ヘリ等により,鹿児島市や奄美市,沖縄県等の病院へ搬送しています。

鹿児島県保健医療計画 第5章第4節 離島・へき地医療 PDF 5ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字5市村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
鹿児島市33930.6%12,665 → 13,026+2.9%
日置市2338.0%17,874 → 15,147-15.3%
いちき串木野市1740.2%14,421 → 10,965-24.0%
三島村026.6%薬局なし
十島村029.6%薬局なし

※処方せん需要は鹿児島医療圏全体の実績(NDB)を市村の高齢人口で按分した推計です。薬局が0軒の三島村・十島村には1軒あたりの値がありません。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、鹿児島県では元データが未取込のため掲載していません。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 鹿児島県(ひとつ上・Lv1)=9つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 鹿児島医療圏(このページ・Lv2)=5市村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

鹿児島医療圏 5市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は都市型(競争淘汰)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。鹿児島医療圏にいまある379軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.78です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は都市型(競争淘汰)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-12.7%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は91.7%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。鹿児島医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は386軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 354軒=91.7%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 245軒=63.5%、在宅薬学総合体制加算 181軒=46.9%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 345軒=89.4%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】鹿児島医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間4,956,670枚)を、市村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(鹿児島県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に105.4=実数としては増えます)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、九州厚生局管轄8県で統一した窓です(2025-05-01〜2026-04-30)。この期間の鹿児島医療圏の廃止届は14件・真の閉局は7件です。全国比較(大阪府・千葉県・東京都は暦年2025)には参考窓 clo_alt を使ってください(鹿児島医療圏は廃止届22件・真の閉局4件)。ただし圏単位の単年は件数が少ないため、本文の承継の議論は4年(2022年1月〜2025年12月)の窓(廃止届81件・真の閉局36件)で行っています。この4年の値を他県の単年値と並べないでください。
  • 【4年窓の件数は下限値です】4年窓の件数は【下限値】。九州の廃止名簿に2024年の5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08)の欠落が確定しており(大分係の発見・本レポートでも build_issue_coverage.py で号を復元して再確認)、廃止月は掲載遅れ1〜3ヶ月でm+1〜m+3号に載るため、4年窓48ヶ月のうち8ヶ月(2023-11〜2024-06)は号カバー率が80%未満=過少計上のおそれがある。**既定窓(2025-05〜2026-04)にカバー率の薄い月は無く、影響を受けない。**欠号は九州8県に等しくかかるため、薄い月を全県から除いた集計でも鹿児島県の順位は変わらない(clo_4y_coverage.rank_* を参照)。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る386軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算91.7%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)63.5%/在宅薬学総合体制加算46.9%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)89.4%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【徒歩圏カバー率も掲載していません】250mメッシュ人口は鹿児島県分が投入済みですが、カバー率の算出は本レポートにはまだ入れていません=次回更新で追加予定です。面積の数字は載せていますが、これは徒歩圏カバー率の代わりにはなりません(道路も、島と島を結ぶ航路も、その便数も、欠航も含まない幾何の数字です)。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町村コードで割り当てています(未割当0件)。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 【薬局0軒=届出0軒】三島村・十島村の2村は、薬局機能情報提供制度への届出が0件という意味であって、医薬品アクセスが0という意味ではありません(診療所の院内投薬・配送・巡回は本データの外です)。地図では色が付かない領域として、凡例に「データなし」を用意してください。
  • 【按分が閉じません】三島村・十島村には薬局が0軒のため、市町村別の1軒あたり処方せんに薬局数を掛けて足し戻しても、圏の実績には99.9%までしか届きません(残り0.1%は薬局が1軒もない村に住む人のぶん)。式を変えるのではなく、漏れの量をそのまま出しています。

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薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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