CrossHealth / 薬局持久度レポート

9つの医療圏のうち8つで、高齢者はもう増えない

鹿児島県9つの二次医療圏の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。地図の医療圏をクリックすると、市町村まで下りたレポートへ進めます。

対象 鹿児島県 9二次医療圏・43市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

鹿児島県の調剤薬局は856軒。高齢化で処方せんの需要が増えるという話をよく聞きますが、鹿児島県全体では今後20年で-5.9%です。医療圏に割ると-26.5%(曽於)から+5.4%(鹿児島)まで31.9ポイント開き、9医療圏のうち8圏で1軒あたりの処方せんが減ります。65歳以上人口のピークをすでに過ぎている圏は7圏、そこにある薬局は347軒——県内の40.5%です。

9
鹿児島県の二次医療圏
856
県内の薬局数
24
2025年に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-26.5〜+5.4%
処方せん需要の変化レンジ(圏域差)

地図 ── クリックで深掘り薬局1軒あたり処方せんの、医療圏ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化。薬局の数がいまのままだと仮定して、高齢化で処方せんがどう動くかを示しています。いちばん厳しいのが曽於医療圏(-26.5%)、唯一はっきり増えるのが鹿児島医療圏(+5.4%)。医療圏をクリックすると、その中の市町村差まで下りられます。

本土7圏
出水:薬局48軒/1軒あたり処方せん(→2045) -14.5%出水南薩:薬局67軒/1軒あたり処方せん(→2045) -25.3%南薩姶良・伊佐:薬局130軒/1軒あたり処方せん(→2045) -0.1%姶良・伊佐川薩:薬局76軒/1軒あたり処方せん(→2045) -11.0%川薩曽於:薬局29軒/1軒あたり処方せん(→2045) -26.5%曽於肝属:薬局75軒/1軒あたり処方せん(→2045) -13.7%肝属鹿児島:薬局379軒/1軒あたり処方せん(→2045) +5.4%鹿児島
離島2圏(熊毛・奄美/別縮尺)
奄美:薬局39軒/1軒あたり処方せん(→2045) -11.4%(クリックで詳細)奄美熊毛:薬局13軒/1軒あたり処方せん(→2045) -17.6%熊毛
色=薬局1軒あたり処方せんの変化(→2045)
減る(-26.5%)増える(+5.4%)
医療圏そのものの形で塗り分けています。
Requestまだ公開されていない地域も、リクエストできます公開されたら、メールでお知らせします(無料)。 今すぐ必要な方は会員の優先生成へ。
Lv1のこの色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)です。医療圏ページ(Lv2)の色は圏内でのシェア移動を示す相対値で、意味が違います。各ページの凡例に従ってお読みください。

人口動態 ── 需要の源県全体で-5.9%。増えるのは鹿児島だけ

鹿児島県全体では、総人口は152万→124万人(-18.3%)と減り、65歳以上も53万→50万人(-5.9%)と減ります。高齢化率は34.9%→40.2%へ上がりますが、それは分母(総人口)が減るからで、分子である高齢者そのものは増えません。9医療圏のうち7圏(曽於/南薩/熊毛/出水/肝属/奄美/川薩)は65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っており、ここには薬局が347軒(県内の40.5%)あります。1軒あたり処方せんがはっきり増えるのは鹿児島医療圏(+5.4%)だけです。

総人口65歳以上
0万40万80万120万160万202520302035204020452050117万48万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口も65歳以上も減少し、65歳以上のピークは2025年。

島 ── 県土の広がり2つの医療圏は、すべて島にあります

鹿児島県には、構成する市町村がすべて離島という二次医療圏が2つあります(熊毛/奄美)。16市町村に薬局は52軒、県内の6.1%です。このうち熊毛/奄美の1軒あたり処方せんはそれぞれ14,928枚・9,419枚で、奄美医療圏の9,419枚は県内最少です。県内で薬局が1軒も届け出ていない自治体は4つ(喜界町・伊仙町・三島村・十島村)で、4つとも島の自治体です。そこには12,888人(うち65歳以上5,298人)が住んでいます。このうち三島村・十島村は、県庁所在地を含む鹿児島医療圏に属する島の村です(島の自治体と、島しょ医療圏の自治体は同じではありません)。薬局1軒あたりの面積は鹿児島の2.8km²から熊毛の76.5km²まで27.3倍開きます。ただし面積は海を渡る移動を含みません。島と島のあいだは、地図の上の距離では測れません。

承継 ── 消えた薬局と、続いた薬局4年間の廃止届186件のうち、そのまま消えたのは91件でした

2025年の1年間に鹿児島県で出された薬局の廃止届は49件。うち25件は新しい機関コードが記載されており、移転や承継で事業が続いた=その場所から薬局が消えてはいません。そのまま消えたのは24軒(薬局856軒の2.8%)でした。ただし単年だと1医療圏あたり数件しかなく、圏ごとの傾向は読めません。そこで2022年からの4年間で見ると、廃止届186件のうち91件がそのまま消えており、引き継がれなかった割合は県全体で48.9%です。(この4年ぶんの件数は下限です。名簿に2024年の5号ぶんの欠落があり、4年窓48ヶ月のうち8ヶ月は取りこぼしている可能性があります。欠落は九州8県に等しくかかるので、地域どうしの比較には使えます。)圏域では川薩の29.2%から肝属の78.6%まで開きます。引き継がれなかった割合が高い上位3圏は肝属(78.6%・需要-13.7%)/南薩(75.0%・需要-25.3%)/熊毛(75.0%・需要-17.6%)。いずれも65歳以上人口が減る圏です。逆に低いのは川薩(29.2%)で、廃止届24件のうち17件が承継されています。

九州で並べる ── 同じ窓・同じ数え方で引き継ぎ手が見つからなかった割合は、九州8県でいちばん高い水準です

閉局の数え方や集計期間は、県ごとにばらつきがちです。そこで九州8県を同じ窓・同じ定義で数え直しました(下の表)。期間は九州で統一した直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)です。鹿児島県の真の閉局は24件、薬局856軒に対して2.8%で、九州8県のなかで2番目に高い水準(1番は沖縄県)。そして引き継がれなかった割合49.0%は1番目で、廃止届49件のうち約半分に次の担い手が見つかっていません。期間を4年(2022年1月〜2025年12月)に広げても——こちらは名簿の欠号があるため件数は下限ですが——真の閉局率は九州2番目・引き継がれなかった割合は2番目で、窓を変えても位置は大きく動きません。欠号のある月を8県すべてから除いて数え直しても順位は2番目・2番目のままです。なお各県の公開ページに載っている数字は、集計期間の移行が済んでいない県があります。並べるときは必ず期間をそろえてください。

ランキング ── 圏域差処方せんが増える医療圏・減る医療圏

曽於(-26.5%)から鹿児島(+5.4%)まで。薬局の数がいまのままなら、1軒あたりの処方せんはこう動きます。現在の1軒あたり処方せんは奄美の9,419枚から肝属の15,543枚まで1.65倍の開きがあります。実際には開局・閉局で店数も動きますが、その将来推計は現在再学習中です(下の注記)。

曽於
-26.5%
南薩
-25.3%
熊毛
-17.6%
出水
-14.5%
肝属
-13.7%
奄美
-11.4%
川薩
-11.0%
姶良・伊佐
-0.1%
鹿児島
+5.4%

くわしい数字9医療圏データ一覧

地域(医療圏)薬局1軒あたり処方せん
2025 → 2045(枚/年)
変化
鹿児島37913,078 13,785+5.4%
姶良・伊佐13012,406 12,389-0.1%
川薩7612,582 11,192-11.0%
肝属7515,543 13,416-13.7%
南薩6714,291 10,679-25.3%
出水4812,663 10,832-14.5%
奄美399,419 8,341-11.4%
曽於2914,226 10,451-26.5%
熊毛1314,928 12,304-17.6%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)に、将来推計人口の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は2025年の1年間の集計で、移転・承継を除いています。個店のランキングは作りません。

いま出していない数字供給の将来推計と、機能の届出率は出していません

このページでは3つの数字を外しています。ひとつめは2045年の薬局店数の推計と、医療圏を「都市型(競争淘汰)/郊外型(需要減)」に分ける分類。これらは開局・閉局を予測する統計モデルから出していましたが、そのモデルは近畿地方で学習したもので九州を含んでおらず、閉局の数え方も古いままなので、学習しなおす必要があります。ふたつめは、かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅対応の届出率。鹿児島県は薬局機能情報提供制度のデータが手元のデータベースにまだ取り込まれておらず、いま集計すると全店0%になってしまいます。これは「届け出ている薬局が無い」のではなく「データが無い」だけなので、数字としては出しません。みっつめは徒歩圏カバー率で、こちらも250mメッシュの人口データが鹿児島県分未投入のためです。面積の数字は載せていますが、これは徒歩圏カバー率の代わりにはなりません(道路も、航路も、便数も含まない幾何の数字です)。できあがり次第このページに戻します。数字を急いで出すより、間違っていた数字を下げるほうを選びました。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 鹿児島県(このページ・Lv1)=9つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 二次医療圏(Lv2)=圏内の市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【いま出していない数字(1)供給の将来】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類はこのページから外しています。供給の統計モデルが近畿地方で学習したもので九州を含まず、閉局の定義変更(移転・承継を除外)にも追随していないためです。
  • 【いま出していない数字(2)機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅対応の届出率は、鹿児島県では掲載していません。薬局機能情報提供制度(GMIS)の届出データが当データベースに未取込で、集計すると全店0%になってしまうためです。0%は「届け出ている薬局が無い」という意味ではなく、単にデータが無いという意味です。他県版(大阪・千葉・兵庫・東京・北海道)にはこの軸があり、鹿児島版には無い、という違いがあります。なお同じ欠測は全国14県・薬局11,630店ぶんにあります(完全に空: 佐賀県・大分県・宮崎県・徳島県・沖縄県・熊本県・福岡県・福島県・長崎県・鹿児島県/ほぼ空: 宮城県・山形県・岩手県・秋田県)。
  • 【いま出していない数字(3)徒歩圏カバー率】250mメッシュ人口が鹿児島県分未投入のため、「歩いて薬局に行ける人の割合」は出していません(千葉県版にはあります)。
  • 【面積の数字は徒歩圏の代わりではありません】薬局1軒あたりの面積(県全体で10.7km²)は、行政区域のポリゴンから計算した幾何の数字です。道路も、島と島を結ぶ航路も、その便数も、天候による欠航も含みません。「徒歩10分で行ける人の割合」と並べて語らないでください。
  • 【処方せんの推計方法】NDBオープンデータの医療圏別・院外処方せん実績(2023年・県全体で年間11,230,651枚)に、その医療圏の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。医療圏より細かい単位では公表されていません。
  • 【市町村別の按分は閉じません】薬局が1軒も無い市町村が4あるため(喜界町・伊仙町・三島村・十島村)、市町村別の1軒あたり処方せんに薬局数を掛けて足し戻しても、圏のNDB実績には届きません。奄美医療圏では86.5%までしか閉じず、残りは薬局が1軒もない町に住む人のぶんです。そのぶんの処方せんは実際には別の市町村の薬局が受けていると考えられますが、居住地ベースの按分ではどこに出ているか特定できません。
  • 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。開局・閉局による店数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、この期間の廃止届は49件、うち25件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだと読めます。そのまま消えたのは24件です。この窓は九州厚生局管轄8県で統一したもので、九州内はそのまま比べられます。全国と比べるときは参考窓(暦年2025・廃止届63件・真の閉局23件・2.69%)を使ってください——大阪府は78件/1.64%・千葉県は42件/1.48%・東京都は147件/2.21%(いずれも暦年2025)と同じ期間になります。
  • 【4年窓の件数は下限値です】4年窓の件数は【下限値】。九州の廃止名簿に2024年の5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08)の欠落が確定しており(大分係の発見・本レポートでも build_issue_coverage.py で号を復元して再確認)、廃止月は掲載遅れ1〜3ヶ月でm+1〜m+3号に載るため、4年窓48ヶ月のうち8ヶ月(2023-11〜2024-06)は号カバー率が80%未満=過少計上のおそれがある。**既定窓(2025-05〜2026-04)にカバー率の薄い月は無く、影響を受けない。**欠号は九州8県に等しくかかるため、薄い月を全県から除いた集計でも鹿児島県の順位は変わらない(clo_4y_coverage.rank_* を参照)。
  • 【4年窓の数字を他県の単年値と並べないでください】承継されなかった割合は、単年だと1医療圏あたり数件しかなく振れます。そこで4年(2022年1月〜2025年12月)の窓(真の閉局91件・廃止届186件)を上乗せしてあります。これは件数がそろう都道府県でのみ有効な見方で、他県の単年値と並べると比較になりません。
  • 【閉局の年次推移は参考値】名簿の収集経路(過去分アーカイブと現行ライブ名簿)の重なり方が年で違うため、年ごとの増減はトレンドの目安にとどめ、本文の断定には使っていません。2022年1月以降で廃止届が0件の月は2023年4月・2025年7月・2026年6月の3つで、2026年6月は右側打ち切りです。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません(県内88店を除外)。位置は届出上の市町村コードで割り当てています(鹿児島県は全856店に市町村コードがあり、未割当は0件)。
  • 【薬局0軒=届出0軒】喜界町・伊仙町・三島村・十島村の4自治体は、薬局機能情報提供制度への届出が0件という意味であって、医薬品アクセスが0という意味ではありません(診療所の院内投薬・配送・巡回は本データの外です)。
  • 【小さい分母】薬局8軒未満の市町村が20あり、県内43市町村の47%を占めます。ここには県内の65歳以上の11.2%が住んでいます。1軒の増減で率が大きく動くため、表・地図では注記を出してください。
  • 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。鹿児島県は9つの二次医療圏に分かれます。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。

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