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CrossHealth / 薬局持久度レポート
同じ市のなかで、清水区だけ先に曲がる
静岡医療圏3行政区の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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静岡医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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静岡医療圏は静岡市の3行政区(葵・駿河・清水)からなり、薬局418軒は県内8医療圏で最多(県全体の21.9%)です。政令市を丸ごと1つ抱えた圏でありながら、3つの区は同じ方向を向いていません。65歳以上人口がすでにピークを過ぎたのは清水区だけ。65歳以上が絶対量で減るのも清水区(-4.8%)だけです。いっぽう駿河区は+13.7%と増え、経営体力の変化も+11.3%と圏内でひとり緑側にいます。
3区は性格がはっきり分かれます。駿河区は薬局123軒が73km²に詰まり、1軒あたり0.6km²と圏内で最も密。東海道線の南側に市街が広がり、65歳以上人口のピークは2045年とまだ先です。葵区は薬局167軒と圏内最多ですが、市域1,074km²の大半は安倍川上流の山地で、1軒あたり6.4km²。清水区は128軒で、高齢化率33.9%は3区で最も高く、65歳以上人口は2025年がピーク——港町がいちばん先に高齢化の曲がり角を回っています。機能の届出は、かかりつけ63.6%・地域連携38.0%・在宅42.8%と、3項目とも県内8圏で最低です。県内最多の薬局を抱える圏が届出率では最後尾——なぜかは、このデータからは分かりません(届出は自己申告で、実際の提供の厚さと同じとは限りません)。閉局は、この12ヶ月の廃止届7件のうち移転・承継が6件で、そのまま消えたのは1軒(葵区)。4年では廃止届22件・真の閉局6件です(座標の機械割当てを住所で点検し、他市の廃止5件をこの圏から除いた補正後の値。詳細は注記)。件数は下限値です。徒歩10分カバー率(直線近似)は85.9%で県内最高。中央値4.2分は、県都の市街地の厚みをそのまま映しています。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市区町ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが清水区(-6.8%)、いちばん緑なのが駿河区(+11.3%)です。この圏に薬局8軒未満の市区町はありません。
人口動態 ── 需要の源静岡医療圏は「人は減るが、お年寄りは増える」
静岡医療圏全体では、総人口が67.4万→57.2万人(-15.1%)と減る一方、65歳以上は21.2万→21.7万人(+2.1%)と増えます。高齢化率は31.5%→37.9%。圏の65歳以上のピークは2040年です。圏内3行政区のうち、そのピークをすでに過ぎているのは1市区町(清水区)。高齢化率が圏内で最も高いのは清水区の33.9%、最も低いのは駿河区の27.9%で、同じ医療圏の中に6.0ポイントの差があります。
距離 ── 「近くの薬局」の意味が違う徒歩10分カバー率85.9%(直線近似・県内1位)
静岡医療圏の面積は1,412km²で、薬局418軒で割ると1軒あたり3.4km²(駿河区0.6km²〜葵区6.4km²)。250mメッシュ人口で見ると、最寄り薬局まで徒歩10分以内に住むのは圏の人口の85.9%、20分以内は95.0%、中央値は4.2分です(県全体の10分カバー率は72.4%)。※徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mによる近似で、実際の道路網(OSRM)による実測ではありません。実測化すると数ポイント下がる傾向があります。道路・公共交通・地形は含みません。
ランキング ── 市区町差経営がしんどくなる市区町・楽になる市区町
清水区(-6.8%)から駿河区(+11.3%)まで18.1ポイントの開き。マイナスは2市区町です。ここでの色は圏内での相対値(圏全体の処方せん総数を固定して、高齢人口シェアの移動だけを見たもの)です。絶対量(65歳以上人口)では駿河区が+13.7%、清水区が-4.8%となります(絶対量の落差は18.5ポイント)。現在の1軒あたり処方せんは葵区の10,680枚から清水区の13,274枚まで1.24倍。薬局8軒以上の3市区町に限ると10,680〜13,274枚(1.24倍)です。
医療計画 ── 圏域の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
このうち、清水圏域及び静岡圏域は静岡市内全域で一体化して輪番体制を確保しています。
静岡県保健医療計画(第9次) 第9次静岡県保健医療計画(全県版・一括) PDF 262ページ
保健医療圏別では、静岡保健医療圏以西では全ての保健医療圏で全国を下回っており、西に行くほど低くなっています。
静岡県保健医療計画(第9次) 第9次静岡県保健医療計画(全県版・一括) PDF 100ページ
並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字3行政区データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 葵区 | 167 | 32.5% | 10,680 → 10,468 | -2.0% |
| 清水区 | 128 | 33.9% | 13,274 → 12,366 | -6.8% |
| 駿河区 | 123 | 27.9% | 10,865 → 12,098 | +11.3% |
※処方せん需要は静岡医療圏全体の実績(NDB)を市区町の高齢人口で按分した推計です。閉局は直近12ヶ月(移転・承継を除く)で、静岡県の名簿はOCR由来のため件数は下限値です。2026年7月号時点の値で、名簿の掲載遅れにより今後増える可能性があります。徒歩10分カバー率は直線近似(OSRM実測ではありません)。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 静岡県(ひとつ上・Lv1)=8の二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 静岡医療圏(このページ・Lv2)=3行政区で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市区町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は90.0%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。静岡医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は401軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 361軒=90.0%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 257軒=64.1%、在宅薬学総合体制加算 152軒=37.9%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 339軒=84.5%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回64.1%/これまで63.6%(差+0.5ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回90.0%/これまで38.0%(差+52.0ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回37.9%/これまで42.8%(差-4.9ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【★閉局件数は下限値です】静岡県を含む東海北陸厚生局(富山・石川・岐阜・静岡・愛知・三重)の廃止名簿は、原本が画像PDFでテキスト層がありません。OCRで読み取り、機関番号を厳密に検証して読み違えた行は捨てる設計のため、件数は下限値です。厚生局のブロックごとに名簿の捕捉のしかたが違うため、静岡医療圏の閉局1件・廃止届7件は、他ブロックの都道府県と並べないでください(根拠の数字は静岡県ページのデータ clo_source_caveat にあります)。使えるのは静岡県内の圏域どうし・東海北陸6県どうしの比較までです。
- 【圏内の市区町を見るときは4年窓】12ヶ月では静岡医療圏の真の閉局が1件しかなく、市区町の単位では率になりません。4年窓(2022年5月〜2026年4月(4年))では真の閉局6件・廃止届22件(薬局418軒の1.44%)です。それでも市区町どうしの閉局率の比較には足りません。4年窓には東海北陸ブロック全体で0件の月(2023年3月)が1つ含まれます。
- 【処方せんの推計方法】静岡医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間4,818,960枚)を、市区町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。この圏には薬局0軒の市区町が無いため、市区町別の値を足し戻すと圏の実績に100%閉じます。ただし按分は居住地ベースなので、圏をまたぐ受診の流れは映していません。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(静岡県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に102.1)。絶対量(65歳以上人口の変化)は各市区町の chg_abs に入れてあり、相対値と最大で2.4ポイントずれます。
- 【薬局数は2025年で固定】市区町別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(静岡医療圏で1件)。廃止届は全部で7件出ていますが、そのうち6件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。集計期間は2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)で、兵庫県・京都府・北海道・神奈川県と同じ窓です(ただし件数の水準は他ブロックと比較できません)。件数は2026年7月号時点の値で、名簿の掲載遅れにより今後も増える可能性があります。
- 【市区町ごとの閉局は件数が小さい】圏内の真の閉局は12ヶ月で1件、廃止届も7件です。0市区町では廃止届が0件でした。1件で率が大きく動くため、市区町どうしの閉局率の比較はできません。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきます。静岡医療圏は418店すべてに申告があり、分母は薬局数と一致します(欠測0)。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【徒歩カバー率は直線近似です】徒歩分は「最寄り薬局までの直線距離×迂回係数1.3÷分速80m」で計算しています。実際の道路網(OSRM)による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります(大阪・千葉での新旧比較より)。最寄り薬局は市区町・医療圏の境界を越えて県内の薬局から探しています(県境は越えません)。分母は250mメッシュの2025年推計人口です。
- 【面積の指標について】area_km2 は国土数値情報の行政区域ポリゴンから球面積を積算したものです。道路網・公共交通・地形は含みません。「薬局1軒あたり3.4km²」は幾何的な広さであって、住民が実際にどれだけ移動するかではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません。供給の統計モデルは47都道府県すべてを学習しましたが、静岡県は閉局名簿の側の条件(収録期間・欠号)が足りず、適用可否表で「不可」と判定されているためです。他県で学習した値の流用はしません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【閉局の座標割当てを補正しています】名簿由来の座標には、住所がOCRで読み取りにくい場合に県庁などの代表点へ落ちるフォールバックが混入しています。座標だけで市区町に割り当てると他市の廃止が紛れ込むため、該当する行はOCR住所を読み直して割り当て直しました(対象は4年窓・暦年2025・アーカイブのみ。既定の12ヶ月窓に該当はありません)。静岡県ページ(Lv1)の4年窓の圏別内訳とは、この補正のぶんだけ差があります(機械可読の差分は closure_fix と _closure_fix.json)。
- 【行政区の扱い】静岡市は医療圏マスタ・将来推計人口・薬局・境界データのすべてが3行政区(葵・駿河・清水)で一致するため、3区に分けて集計しています(浜松市と扱いが違う理由は区再編の有無です)。
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