CrossHealth / 薬局持久度レポート
県の平均は、ほぼ横ばい。ただし4つの医療圏は、別々の方向を向いています
山梨県4つの二次医療圏の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。地図の医療圏をクリックすると、市町村まで下りたレポートへ進めます。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
山梨県の調剤薬局は486軒。65歳以上人口は今後20年で+3.8%と、ほぼ横ばいのまま推移します。ところが、その「ほぼ横ばい」は4つの医療圏の平均にすぎません。いちばん厳しい峡南医療圏は-20.1%、いちばん伸びる中北医療圏は+10.9%で、その差は31.0ポイントあります。そして峡南医療圏にある薬局は16軒——県内の3.3%です。県の数字が明るいことと、県内に厳しい場所が無いことは、別の話です。薬局が1軒も無い自治体も3つあり、3つとも同じ富士・東部医療圏に集まっています。
地図 ── クリックで深掘り薬局1軒あたり処方せんの、医療圏ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化。薬局の数がいまのままだと仮定して、高齢化で処方せんがどう動くかを示しています。いちばん厳しいのが峡南医療圏(-20.1%)、いちばんましなのが中北医療圏(+10.9%)で、4圏のうちプラスは2圏です。医療圏をクリックすると、その中の市町村差まで下りられます。
人口動態 ── 需要の源県で1圏だけ、もう減りはじめています
山梨県全体では、総人口が78万→65万人(-17.4%)と減る一方、65歳以上人口は25.5万→26.5万人(+3.8%)とほぼ横ばいです。高齢化率は32.6%→41.0%へ上がり、65歳以上人口のピークは2040年です。65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っている医療圏は峡南の1圏(薬局16軒・県内の3.3%)。逆に、推計期間の終わり(2050年)まで増え続ける医療圏はありません。市町村まで下りると、27市町村のうち65歳以上人口が2045年までに増えるのは12市町だけで、総人口が増えるのは昭和町の1町だけです。いちばん速く縮むのは小菅村(65歳以上-43.4%)で、2045年の高齢化率が県内で最も高いのは身延町の65.3%です。
薄い圏域 ── 16軒で5町を支える峡南医療圏には、薬局が16軒しかありません
山梨県で最も薄いのが峡南医療圏です。5町にある薬局は合わせて16軒——県内486軒の3.3%にすぎません。面積は1,062km²あり、薬局1軒あたり66.4km²と県内で最も疎です(県平均9.2km²)。高齢化率はすでに43.1%で、2045年には52.8%。65歳以上人口のピークは2025年——推計の起点の年で、つまり高齢者の実数はもう減りはじめています。薬局1軒あたりの処方せんは13,612枚と県内では多い側ですが、これは16軒という小さな分母で割った結果で、1軒の開廃で大きく動く数字です。5町すべてが薬局8軒未満(1軒・1軒・3軒・5軒・6軒)で、町ごとの比較には使えません。面積は「住民から薬局までの距離」ではない(人の住まない山地も含む)ので、実際の歩ける距離は別に測る必要があります(250mメッシュは山梨県分も投入済みですが、座標の精度の問題で今回は出せていません)。
医薬分業 ── 県は全国並み。ただし1圏だけ違う県の分業率は83.0%。富士・東部だけが71.1%です
山梨県の院外処方せん率(医薬分業率)は83.0%で、全国の80.7%を上回ります(47都道府県では低いほうから33番目=高いほうから15番目)。ところが医療圏で見ると、峡東の86.7%から富士・東部の71.1%まで15.6ポイント開きます。富士・東部医療圏の71.1%は、都道府県に置き換えると低いほうから9番目に入る水準です。この圏域の医療機関では、年間336,297枚が院内で出ています。ここで、桁を比べてみます。仮に富士・東部医療圏の分業率が全国平均(80.7%)まで上がったとすると、院外の処方せんは年間111,773枚増える計算で、この圏域の薬局87軒あたりでは1,285枚にあたります。いっぽう、高齢化による20年ぶんの需要の変化はこの圏域で1軒あたり-321枚です。人口動態が20年かけて動かす量より、いま院内に残っている量のほうが4倍ほど大きい——というのが、この圏域を見るときの縮尺です。これは「そうなる」という予測ではなく、桁を比べるための算術です。分業率が動くかどうかは制度と地域の医療提供体制の問題で、このレポートはその是非を判断しません。
承継 ── 4件では、まだ何も分かりません直近12ヶ月の真の閉局は4件。4年で数え直すと34件でした
直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に山梨県で出された薬局の廃止届は19件。うち15件は新しい機関コードが記載されており、移転や承継で事業が続いた=その場所から薬局が消えてはいません。そのまま消えたのは4軒(薬局486軒の0.82%)でした。ただし、この4件から山梨県の実勢を読むことはできません。関東信越厚生局の名簿は2022年1月号から欠号なく(55ヶ月)そろっているので、4年ぶんを数え直しました。廃止届74件・移転承継40件・真の閉局34件——年率にすると1.75%で、12ヶ月窓の0.82%の2.1倍です。暦年で見ても真の閉局は2022年7件・2023年14件・2024年7件・2025年6件と、年によって2倍以上振れます。引き継がれなかった割合も、12ヶ月では21.1%、4年では45.9%と大きく違います。単年の数字を山梨県の性質として読まないでください。ここで、この数字のもうひとつの限界を書いておきます。この閉局率を、他の地方の都道府県と並べて読むことはできません。同じ12ヶ月で薬局1軒あたりの廃止届を数えると、北海道は4.58%、関東信越10県は2.77〜6.62%、東海北陸6県は1.42〜2.65%、近畿7府県は2.69〜7.51%、中国四国6県は3.62〜9.79%、九州8県は3.78〜9.55%(東北6県・鳥取県・岡山県・徳島県は名簿の収録窓が12ヶ月に満たないためこの比較から除いています)。東海北陸ブロックだけが他のどのブロックの最小値にも届かず(最大の富山県2.65%でさえ他ブロックの最小2.69%を下回る)、分離しています(生成時点の既刊県同士)。名簿の捕捉率が地方厚生局ごとに違うということなので、ブロックを跨いだ比較は成り立ちません。同じ名簿の中でなら比べられます。関東信越10県のなかで、山梨県の4年窓の真の閉局(年率1.75%)は6番目——ちょうど真ん中です。12ヶ月窓だけを見ると10県でいちばん低く見えますが、それは4件という薄さが作った見かけです(12ヶ月窓の順位は10位)。もうひとつ、正直に書いておきます。この件数を4つの医療圏に割ることはできません。12ヶ月窓では廃止届が5件に満たない医療圏が3圏あり、4年窓に広げてもいちばん薄い峡南医療圏は廃止届4件・真の閉局0件しかありません。閉局・承継は県全体の数字としてだけお読みください。
機能の届出 ── 数字の前に、データの話を山梨県の届出率は、他県と並べられません
かかりつけ薬剤師指導料の届出率は県全体で45.7%、地域連携薬局は23.0%、在宅患者訪問薬剤管理指導は26.5%です。数字だけ見ると、同じ手法で公開した他の都道府県より低く出ます。けれどもこの低さを山梨県の実態として読むことはできません。薬局機能情報提供制度(GMIS)の9つの機能フラグがすべて0の店が、山梨県では101/486店=20.8%あります。比較した13県は5.2〜12.4%で、山梨県はいちばん高い県(岐阜県)の1.7倍、いちばん低い県(石川県)の4.0倍です。ほとんどの薬局が届け出ている後発品調剤体制加算まで0の店が24.1%ある以上、これは「届け出ていない」ではなく「申告そのものが取り込まれていない」疑いが濃いと考えます。参考までに、1つ以上のフラグが立っている385店だけを分母にすると、かかりつけ57.7%・地域連携29.1%・在宅33.5%になります。実勢はこの2つの値の間のどこかです。県内の医療圏どうしなら、同じ名簿・同じ時点なので参考として並べられます。かかりつけは峡南の31.2%から富士・東部の52.9%まで。ただし全項目0の率そのものが圏で13.8%〜23.7%と開くので、この圏域差にも欠測が混ざっています。なお兵庫県では「需要が減る医療圏ほど在宅の届出率が低い」という順位が8圏すべてで一致していましたが、山梨県ではこの関係は成り立ちません(需要の伸び順と在宅届出率の順が一致したのは0/4圏)。届出は自己申告で、届出=実際の提供でもありません。
ランキング ── 圏域差処方せんが増える医療圏・減る医療圏
峡南(-20.1%)から中北(+10.9%)まで、その幅は31.0ポイント。薬局1軒あたりの処方せんは県全体で年11,069枚で、47都道府県のなかでは少ないほうから3番目です(最も少ないのが富山県の10,820枚、次が群馬県の10,858枚)。県内では富士・東部の9,506枚から峡東の13,783枚まで1.45倍開きます。人口1万人あたりの薬局数は6.21軒で、公開済み46都道府県と並べると多いほうから2番目です(最も多いのが佐賀県の6.41軒)。薬局の数はむしろ多いほうで、1軒あたりが小さい県です。広さで見ると、薬局1軒あたりの面積は9.2km²で、中北の4.2km²から峡南の66.4km²まで開きます。実際には開局・閉局で店数も動きますが、その将来推計(2045年の店数)はいまも掲載していません(下の注記)。
くわしい数字4医療圏データ一覧
| 地域(医療圏) | 薬局 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045(枚/年) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 中北 | 321 | 10,842 → 12,023 | +10.9% |
| 富士・東部 | 87 | 9,506 → 9,185 | -3.4% |
| 峡東 | 62 | 13,783 → 13,885 | +0.7% |
| 峡南 | 16 | 13,612 → 10,870 | -20.1% |
※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)に、将来推計人口の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)の集計で、移転・承継を除いています。圏ごとの閉局は件数が少ないため、率の比較には使えません。届出率は他県の値と並べられません(GMIS申告の取込状況が違うため)。個店のランキングは作りません。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのか都市型1圏・郊外型3圏に分かれます
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。山梨県の4の二次医療圏を分けると、都市型が1圏・郊外型が3圏です。競争側の比率は圏によって0.00〜0.54まで開きます(0.5以上なら都市型)。同じ県のなかでも、減り方の筋道は一様ではありません。このうち3圏は、社人研の推計で20年に15%を超えて人口が減る側に入ります。県全体の総人口は2025→2045で-17.4%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が32%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は88.5%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。山梨県でこの名簿に載っている保険薬局は469軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 415軒=88.5%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 216軒=46.1%、在宅薬学総合体制加算 111軒=23.7%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 354軒=75.5%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回46.1%/これまで45.7%(差+0.4ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回88.5%/これまで23.0%(差+65.5ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回23.7%/これまで26.5%(差-2.8ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。同月版でそろえた全国比較では、地域支援・医薬品供給対応体制加算は88.5%で全国47都道府県中43位、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は46.1%で全国47都道府県中46位、在宅薬学総合体制加算は23.7%で全国47都道府県中47位、電子的調剤情報連携体制整備加算は75.5%で全国47都道府県中47位です。順位は名簿の数え方がそろっている範囲での並びで、地域の医療の良し悪しを表すものではありません。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
いま出していない数字いま出していないのは、2045年の薬局店数の推計だけです
このページでは、次の数字をまだ出していません。(1)2045年の薬局店数 2045年に薬局が何軒になるかという推計です。供給動学モデルは47都道府県のフル学習に更新され、「どの筋道で閉じるか」の係数は検算に通りました。しかし店数の水準を出すには、閉じる側と開く側の数え方がそろっている必要があります。実際に20年ぶん回すと全国で+25.4%(薬局が2割以上増える)、薬局の少ない医療圏では最大+913%という結果になりました。原因は2つで、ひとつは新規指定の名簿がほぼ完全に取れるのに対して廃止届のほうに取りこぼしが残ること(モデルの純増+1074軒/年に対し名簿の実測は+387軒/年)、もうひとつは薬局の少ない医療圏で開局数が全国平均側に引っ張られること(20軒未満の圏では推定2.5軒/年に対し実測0.33軒/年)です。 解禁の条件は、廃止届の取りこぼしをなくすこと(東海北陸のOCR再収穫・名簿の多年化)と、小さい医療圏で開局数が平均へ引っ張られないようにモデルを直すことです。数字を急いで出すより、間違っていた数字を下げるほうを選んでいます。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 山梨県(このページ・Lv1)=4つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 二次医療圏(Lv2)=圏内の市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【処方せんの推計方法】NDBオープンデータの医療圏別・院外処方せん実績(2023年・県全体で年間5,379,569枚)に、その医療圏の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。医療圏より細かい単位では公表されていません。
- 【★山梨県の届出率は他県と並べられません】かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきます。山梨県は486店すべてに申告データの行があり、分母は486店=全店ですが、9つの機能フラグがすべて0の店が101店=20.8%あります。比較した13県(石川県5.2%〜岐阜県12.4%)のどれよりも高く、最も高い岐阜県の1.7倍で、ほとんどの薬局が届け出る後発品調剤体制加算まで0の店が24.1%あります。届出率の低さが実態なのか取り込み漏れなのかを分離できないため、山梨県の届出率を他都道府県の公開値と並べて「最も低い」と読むことはできません。1つ以上フラグが立つ385店だけを分母にした感度値(かかりつけ57.7%・地域連携29.1%・在宅33.5%)を併記しているので、実勢はこの間とお読みください。県内の医療圏どうし・市町村どうしは同じ名簿・同じ時点なので参考として並べますが、全項目0の率そのものが医療圏で13.8%〜23.7%と開くため、圏域差・市町村差にも欠測が混ざっています。 なお本文の厚生局名簿版(施設基準届出受理医療機関名簿)は47都道府県を同じ月の版でそろえてあるので、そちらは県どうしの比較に使えます。
- 【医薬分業率の扱い】院外処方せん率83.0%は、NDBの院内・院外の枚数(2023年)から計算した実績値です。県計は全国平均(80.7%)を上回りますが、富士・東部医療圏だけは71.1%で、都道府県に置き換えると低いほうから9番目に相当します。「全国平均まで上がったら1軒あたり1,285枚」という数字は、富士・東部医療圏の院内336,297枚のうち全国平均との差分が院外に回った場合の算術であり、予測でも目標でもありません。分業率は医療機関側の体制で決まる部分が大きく、本レポートはその是非を判断しません。
- 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。開局・閉局による店数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】関東信越厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定は完全な12ヶ月がそろう2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)(兵庫・京都・滋賀・北海道・神奈川・埼玉・富山と同じ窓)。この期間の廃止届は19件で、うち15件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだと読めます。そのまま消えたのは4件です。件数が少ないため、名簿アーカイブに欠号が無いことを確認したうえで2022年5月〜2026年4月(4年)の値(真の閉局34件・年率1.75%)も併記しています。
- 【★単年の値を実勢として読まないでください】12ヶ月窓の真の閉局率0.82%と、4年窓の年率1.75%は2.1倍違います。暦年で見ても真の閉局は2022年7件・2023年14件・2024年7件・2025年6件と2倍以上振れます。富山県では12ヶ月と5年の年率が一致して「単年のまぐれではない」と言えましたが、山梨県では言えません。年間の真の閉局が1桁の県では、1件の増減が率を0.2ポイント動かします。4年窓の値を主に、12ヶ月窓は他県と窓をそろえるためだけにお使いください。
- 【★閉局率は地方厚生局ブロックを跨いで比べられません】同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届を数えると、北海道は4.58%、関東信越10県は2.77〜6.62%、東海北陸6県は1.42〜2.65%、近畿7府県は2.69〜7.51%、中国四国6県は3.62〜9.79%、九州8県は3.78〜9.55%となり(東北6県・鳥取県・岡山県・徳島県は収録窓が12ヶ月に満たないため除く)、東海北陸ブロックの最大(富山県2.65%)が他ブロックの最小(2.69%)を下回って分離します(岐阜係・三重係が独立に確定した事実。2026-07-28に窓の短い新刊県を除く形へ是正)。地域差ではなく名簿の捕捉率の差と読むのが妥当なので、山梨県の閉局率を他ブロックの都道府県と直接比べてはいけません。関東信越10県どうしと、山梨県内の医療圏どうしは同じ名簿なので比較できます(その中では山梨県の4年窓の年率1.75%が6番目=中位)。
- 【名簿アーカイブと収録ラグ】関東信越厚生局の廃止名簿は2022年1月号以降(2022.1〜2026.7の55ヶ月)が1ヶ月も欠けずにそろっています(2021年以前は8号しか無く四半期の抜き取りのため、多年窓は2022年より前に伸ばせません)。掲載遅れは廃止日から2ヶ月が中心で、山梨県分90件では最大8ヶ月・97.8%が3ヶ月以内です。山梨県は薬局の廃止が0件の号があるため、DB上の最終収録号が他県より遅れて見えることがあります(本レポート作成時は2026年5月号でした)。名簿の原本を確認したところ、2026年6月号には山梨県のシートが入っていて薬局の廃止が0件、2026年7月号の山梨県の薬局廃止1件も廃止日が2026年5月31日で12ヶ月窓の外でした。窓の右端が欠けているわけではありません。
- 【4年窓の限界】4年ぶんの年率は、分母(薬局数)を現在の486軒で固定して計算しています。過去4年の実際の店数は分かりません。年率は目安としてお読みください。
- 【閉局は県計でのみ読んでください】12ヶ月窓の真の閉局4件を4医療圏に割ると1圏あたり0〜2件で、廃止届が5件に満たない医療圏が3圏(峡南・富士・東部・峡東)あります。圏別の真の閉局率・承継されなかった割合はJSONには入れていますが、1件の増減で大きく振れるため、圏どうしの順位づけには使えません。
- 【市町村に配れない閉局】山梨県の廃止届91件のうち1件は座標が取れず、市町村に配れません。12ヶ月窓の真の閉局4件には0件、4年窓の真の閉局34件には0件が該当します。県計にはすべて含めていますが、医療圏・市町村の合計はその分だけ小さくなります(圏の合計 + 未割当 = 県計)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません(県内104店を除外)。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(山梨県は486店すべてに市区町村コードがあり、座標による補完は不要でした)。
- 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。山梨県は中北・峡東・峡南・富士・東部の4圏です。なお「峡東」のローマ字表記は京都府(kyoto)と衝突するため、圏のスラッグは kyotou にしてあります。
- 【薬局が0軒の自治体】丹波山村・小菅村・道志村には調剤薬局がありません。3つとも富士・東部医療圏の自治体です。住民が薬局を使えないという意味ではなく、隣接自治体の薬局が受け皿になっていると考えられます。1軒あたりの数値は計算できないので、地図では色をつけず空欄にしています。
- 【★薬局の座標は町名どまりのものがあります】届出住所から起こした座標のうち、同じ点に3店以上が固まっている箇所が13ヶ所・44店(9.1%)あります。番地が違うのに大字・丁目の代表点へ丸められたもので、比較した13県(0.0〜1.4%)より多い状態です。13ヶ所とも同じ市町村の中に収まっているので、薬局数・閉局・需要・届出率といったこのページの数字には影響しません。影響するのは地図上のマーカー位置と、距離を測る分析です。山梨県で「最寄りの薬局まで何分」を出すには、住所の再ジオコードが先に要ります。
- 【徒歩アクセスは出せません】250mメッシュの人口基盤(mesh_backbone_250m)に山梨県分が11,929セル投入済みですが(2026-07-28時点)、千葉県版で出した「徒歩10分以内カバー率」の算出は本レポートにはまだ入れていません=次回更新で追加予定です。代わりに面積(薬局1軒あたりのkm²)を載せていますが、これは人の住まない山地も含む面積で、「住民から薬局までの距離」ではありません。メッシュは投入済みなので、千葉県版と同じ手順で次回更新に足せます。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
この地図は今後も更新されます。あなたの地域の変化を見逃さないよう、無料会員登録でお知らせを受け取れます。
登録は無料・パスワード不要(メールに確認リンクが届きます)。登録済みの方はログイン
お仕事のご依頼
自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。
お問い合わせ →