CrossHealth / 薬局持久度レポート

高齢者の数が、もう増えません。そして、閉局の数字はもう一段の確認待ちです

徳島県3つの二次医療圏の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。地図の医療圏をクリックすると、市町村まで下りたレポートへ進めます。

対象 徳島県 3二次医療圏・24市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

徳島県の調剤薬局は385軒。「高齢化で処方せんの需要は増える」——というのが、このレポートの出発点でした。徳島県では、その前提が最初から成り立ちません。65歳以上の人口は2025年がピークで、そこから20年で-8.3%減ります。3つの二次医療圏はすべて65歳以上が減る側で、全国333の二次医療圏を県ごとに見て「1圏も増えない県」は6県しかありません。薬局1軒あたりの処方せんも年11,298枚——47都道府県で多いほうから42番目(下から6番目)で、全国平均13,525枚を下回ります。ただし、この県にはもうひとつの数字があります。処方せんの33.0%がまだ院内で出されており、年間2,142,618枚が薬局の外にあります。そして——このレポートの閉局の章は、いまだけ空欄です。徳島県の薬局が閉じていないからではなく、厚生局が公表しているデータを私たちが取り込みそこねていたからです。取り込み直しは2026年7月28日に完了しましたが、過去のぶんがすべてそろっているかを確かめるまで、数字は出しません。

3
徳島県の二次医療圏
385
県内の薬局数
2025年
65歳以上人口のピーク(すでに通過)
-26.8〜-1.9%
処方せん需要の変化レンジ(圏域差)

地図 ── クリックで深掘り薬局1軒あたり処方せんの、医療圏ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化。薬局の数がいまのままだと仮定して、高齢化で処方せんがどう動くかを示しています。いちばん厳しいのが西部医療圏(-26.8%)、いちばんましなのが東部医療圏(-1.9%)ですが、3圏ともマイナスです。「伸びる地域に移れば逃げられる」という県ではありません。医療圏をクリックすると、その中の市町村差まで下りられます。

南部:薬局78軒/1軒あたり処方せん(→2045) -18.7%南部東部:薬局275軒/1軒あたり処方せん(→2045) -1.9%(クリックで詳細)東部西部:薬局32軒/1軒あたり処方せん(→2045) -26.8%西部
色=薬局1軒あたり処方せんの変化(→2045)
減る(-26.8%)あまり減らない(-1.9%)
医療圏そのものの形で塗り分けています。
Requestまだ公開されていない地域も、リクエストできます公開されたら、メールでお知らせします(無料)。 今すぐ必要な方は会員の優先生成へ。
Lv1のこの色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)です。医療圏ページ(Lv2)の色は圏内でのシェア移動を示す相対値で、意味が違います。各ページの凡例に従ってお読みください。

人口動態 ── 需要の源3つの医療圏すべてで、高齢者の数が減ります

徳島県全体では、総人口が679,024人→519,810人(-23.4%)と減るのに加えて、65歳以上人口も246,407人→225,866人(-8.3%)と減ります。高齢化率は36.3%→43.5%へ上がりますが、それは分母(総人口)がもっと速く減るからで、高齢者の実数は2025年をピークにすでに減少局面に入っています。高齢化率36.3%は全国4位の高さです(3位の青森県とは0.1ポイント未満の差で、小数第1位まではどちらも36.3%)。65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っている都道府県は全国20県あり、徳島県はそのひとつ。ただし徳島県が珍しいのは、県内の3圏がひとつ残らず減る点です(山形県・徳島県・秋田県・青森県・高知県・鳥取県の6県だけ)。圏ごとに見ると南部・西部はすでに2025年がピークで、東部だけが2040年まで微増してから減りに転じます。市町村まで下りると、24市町村のうち65歳以上人口が2045年までに増えるのは4市町村だけです。うち3つは徳島市の北側に接する町(北島町+16.4%・藍住町+16.3%・松茂町+14.7%)で、残るひとつが徳島市(+2.6%)。この4市町に県内の薬局197軒=51.2%が集まっており、言いかえると残り20市町村・薬局188軒(48.8%)は高齢者が減っていく地域にあります

総人口65歳以上
0万18万35万52万70万20252030203520402045205048万22万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口も65歳以上人口も減少し、65歳以上のピークは2025年(=推計初年)。

医薬分業 ── 薬局に届いていない処方せん処方せんの33.0%は、まだ院内で出ています

徳島県の院外処方せん率(医薬分業率)は67.0%。全国の80.7%を下回り、47都道府県では低いほうから3番目です。院内で出ている処方せんは年間2,142,618枚。医療圏でも東部の66.2%から南部の70.5%まで開きます。ここで、桁を比べてみます。仮に徳島県の分業率が全国平均(80.7%)まで上がったとすると、院外の処方せんは年間889,631枚増える計算で、薬局1軒あたりでは2,311枚にあたります。いっぽう、高齢化による20年ぶんの需要の変化は1軒あたり-942枚です。人口動態が20年かけて減らす量より、いま院内に残っている量のほうが2.5倍ほど大きい——というのが、徳島県の薬局を見るときの縮尺です。これは「そうなる」という予測ではなく、桁を比べるための算術です。分業率が動くかどうかは制度と地域の医療提供体制の問題で、このレポートはその是非を判断しません。

閉局 ── 数えられるようになりました。ただし5ヶ月ぶんだけです号がそろっている5ヶ月で、4軒が閉じ、2軒が引き継がれました

まず、経緯を正直に書きます。このページには当初、閉局の章がありませんでした。厚生局が公表している徳島県の廃止機関一覧表を、集計用データに変換する私たちの側の工程が取りこぼしていたためです。厚生局はきちんと公表しています。落としていたのは私たちです。2026年7月28日にこれを取り込み直し、徳島県の廃止届25件が入りました。つぎに、その25件をそのまま「1年で何軒」と割り算しなかった理由です。厚生局の一覧表は毎月出ますが、私たちの手元にそろっているのは15回ぶんで、21回ぶんが抜けています。廃止届は廃止日の0〜2ヶ月後の回に載るので、ある月の廃止をもれなく数えるにはその月から3回ぶんの一覧表が必要です。それがそろっている月は7ヶ月しかなく、連続しているのは2025年7月〜2025年11月(5ヶ月)が最長でした。そこでこの5ヶ月だけを数えます——廃止届6件のうち、新しい機関コードが記載されていて別の担い手が事業を引き継いだとみられるものが2件、そのまま消えた(真の閉局)のが4軒です。そして、ここから「閉局率」は出しません。4軒という数はあまりに小さく、年率に引き伸ばすと0.68%から6.38%までのどこか、としか言えないからです(幅が10倍近くあります)。点推定を出せば、読む方は必ず他県と比べます。比べられる数字ではないので、軒数だけをお見せします。収録されている全期間(2023-06〜2026-05)では廃止届25件・真の閉局17軒ですが、こちらは一覧表の抜けを多く含むため下限としてお読みください。他県との比較もしません。同じ四国でも、一覧表の抜け方は県ごとに違い、徳島と香川で「そろっている月」が重なるのは4ヶ月だけでした。同じ厚生局だから比べられる、とはならないのです。

機能の届出 ── これも出せませんかかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、未算出です

他県版にある「かかりつけ薬剤師指導料の届出率」「地域連携薬局」「在宅患者訪問薬剤管理指導」の3つも、徳島県では出せません。薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能情報が徳島県まるごと未取込のためです。データベース上は0が入っていますが、これは「届出が0件」ではなく「取り込んでいない」を意味します。ここで0.0%と表示したら、実在しない事実を公開することになりますので、3指標とも未算出(null)として差し止めています。同じ状態の県は全国に14あります。取り込まれ次第、他県と同じ形で足します。

ランキング ── 圏域差処方せんが減る医療圏・あまり減らない医療圏

西部(-26.8%)から東部(-1.9%)まで、その幅は24.9ポイント。3圏ともマイナスなので、この幅は「どこが伸びるか」ではなく「どこが速く細るか」の幅です。薬局1軒あたりの処方せんは県全体で年11,298枚、圏でも9,736枚(南部)〜11,772枚(東部)と1.21倍しか開きません。薬局が少ないからではありません。人口1万人あたりの薬局数は5.67軒で、全国で多いほうから11番目です。薬局の数はむしろ多いほうで、1軒あたりが小さい——その一因が、ひとつ上の医薬分業の節です。広さで見ると、薬局1軒あたりの面積は10.8km²で、東部の3.7km²から西部の43.9km²まで11.9倍開きます。実際には開局・閉局で店数も動きますが、その将来推計は現在再学習中です(下の注記)。

西部
-26.8%
南部
-18.7%
東部
-1.9%

くわしい数字3医療圏データ一覧

地域(医療圏)薬局1軒あたり処方せん
2025 → 2045(枚/年)
変化
東部27511,772 11,549-1.9%
南部789,736 7,911-18.7%
西部3211,026 8,066-26.8%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)に、将来推計人口の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局・承継および機能の届出率は、データが取り込まれていないためこの表には列がありません(0ではなく未算出です)。個店のランキングは作りません。

いま出していない数字3つあります。うち2つは、徳島県だけの事情です

このページでは、(1)2045年の薬局店数の推計と医療圏の「都市型/郊外型」分類、(2)閉局率・承継率(軒数は出しています)、(3)機能の届出率——を外しています。(1)は全県共通の事情で、開局・閉局を予測する統計モデルが近畿6府県のみを対象に学習されており、徳島県は学習対象に入っていないためです。全国ぶんの再学習が済み次第、戻します。(2)は、閉局の軒数は出したうえでを出していない、という意味です。もれなく数えられる期間が5ヶ月しかなく、その中の4軒から年率を出すと幅が10倍近くになるためです(上の閉局の節)。医療圏・市町村ごとの閉局も、県計6件を割ると意味を持たないので出していません。(3)のGMISの機能情報は徳島県まるごと未取込で、「値が0」ではなく「まだ取り込めていない」状態です。0と書けばページは埋まりますが、それは嘘になります。数字を急いで出すより、空欄のまま正直に書くほうを選びました。取り込みが済み次第、このページに戻します。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 徳島県(このページ・Lv1)=3つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 二次医療圏(Lv2)=圏内の市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【★閉局データの経緯(2026年7月28日・取り込み欠陥から復旧)】当初このレポートには閉局の章がありませんでした。厚生局は徳島県の保険薬局の廃止情報を公表していますが、それを集計用データに変換する私たちの側の工程に欠陥があり、徳島県分を取りこぼしていたためです(高知県も同じ状態でした)。手元のPDFを開き直したところ徳島県の廃止機関一覧表が10本あり、薬局の廃止も記載されていました。厚生局はきちんと公表しています。落としていたのは私たちです。2026年7月28日に取り込み直し、廃止届25件が入りました。当初この欠落を「四国の名簿に徳島県が構造的に含まれていない」と説明していましたが、それは誤りでしたので撤回し、訂正します。
  • 【★閉局の集計期間が他県と違います】厚生局の一覧表は毎月出ますが、徳島県について手元にそろっているのは15回ぶんで、21回ぶんが抜けています。廃止届は廃止日の0〜2ヶ月後の回に載るため、ある月の廃止をもれなく数えるには3回ぶんの一覧表が必要です。それがそろう月は7ヶ月しかなく、連続する最長区間が2025年7月〜2025年11月(5ヶ月)でした。他県版の「直近12ヶ月」は徳島県では作れません。本文の軒数はこの5ヶ月ぶんです。収録全期間(2023-06〜2026-05)の廃止届25件・真の閉局17軒は、一覧表の抜けを多く含むため下限です。
  • 【★閉局率は出していません】clean な5ヶ月の真の閉局は4軒です。年率に引き伸ばすと2.49%になりますが、95%信頼区間は0.68%〜6.38%と幅が10倍近くあります。点推定を出せば必ず他県と比べられてしまうため、率は算出していません。軒数だけをお読みください。他県・他圏との比較もしていません。四国4県でも一覧表の抜け方は県ごとに違い、徳島と香川で「そろっている月」が重なるのは4ヶ月だけでした。医療圏・市町村の閉局件数はデータには持っていますが、clean窓の県計が6件しかなく1件の増減で大きく振れるため、県全体の数字としてだけお読みください。
  • 【★これは「閉局が少ない」という意味ではありません】数えられた軒数が小さいのは、まず第一に集計できる期間が5ヶ月しかないからです。データが無いことと、事象が無いことは別です。
  • 【★機能の届出率も出せません】かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅患者訪問薬剤管理指導の届出率は、薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能情報が徳島県まるごと未取込のため未算出(null)としています。データベース上は0が入っていますが、これは「届出0件」ではなく「未取込」です。0.0%と表示することは実在しない事実の公開にあたるため行いません。同じ状態の県は全国に14あります。
  • 【いま出していない数字(全県共通)】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類はこのページから外しています。供給の統計モデルが近畿6府県のみを対象に学習されており、徳島県は学習対象外だからです。全国ぶんの再学習が済み次第、戻します。
  • 【処方せんの推計方法】NDBオープンデータの医療圏別・院外処方せん実績(2023年・県全体で年間4,349,545枚)に、その医療圏の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。医療圏より細かい単位では公表されていません。
  • 【医薬分業率の扱い】院外処方せん率67.0%は、NDBの院内・院外の枚数(2023年)から計算した実績値です。「全国平均まで上がったら1軒あたり2,311枚」という数字は、院内2,142,618枚のうち全国平均との差分が院外に回った場合の算術であり、予測でも目標でもありません。分業率は医療機関側の体制で決まる部分が大きく、本レポートはその是非を判断しません。
  • 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。開局・閉局による店数の変化は含みません。徳島県では閉局データの取り込み直しが終わるまで、この単純化がどの程度もっともらしいかを実績で確かめることもできません(取り込みが終われば他県と同じように確かめられます)。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません(県内39店を除外)。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(徳島県は385店すべてに市区町村コードがあり、座標による補完は不要でした)。
  • 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。徳島県は東部・南部・西部の3圏で、これは鳥取県・香川県と並んで全国で最も少ない部類です。
  • 【薬局が0軒の自治体】佐那河内村には調剤薬局がありません。この村の住民が薬局を使えないという意味ではなく、隣接自治体の薬局が受け皿になっていると考えられます。
  • 【薬局が1〜2軒の自治体】神山町・上勝町・勝浦町は薬局が1〜2軒しかありません。この規模では市町村単位の集計がそのまま個店の記述になるため、本文の主役にはせず、市町村詳細版(Lv3)の対象からも外しています。
  • 【徒歩アクセスは出せません】250mメッシュの人口基盤(mesh_backbone_250m)に徳島県分が0件のため、千葉県版で出した「徒歩10分以内カバー率」は算出できません。代わりに面積(薬局1軒あたりのkm²)を載せています。メッシュが投入され次第、千葉県版と同じ手順で足せます。
  • 【小さい分母】西部医療圏は薬局32軒で、圏そのものが小分母です(既刊で圏レベルの注意閾値としている30軒をわずかに上回るだけ)。市町村では薬局8軒未満が12、0軒が1あります。率どうしの順位づけには使えません。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【全国比較の範囲】本レポートで他県と比べているのは、人口動態(社人研推計)・処方せん実績(NDB)・分業率(NDB)・薬局数(GMIS名簿)の4系統だけです。いずれも全国同一ソース・同一年で、比較が成立します。閉局については比較していません(そもそも徳島県の値がありません)。

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