CrossHealth / 薬局持久度レポート

県の需要は増える。ただし増えるのは、4つのうち仙台だけ

宮城県4つの二次医療圏の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。地図の医療圏をクリックすると、市区町村まで下りたレポートへ進めます。

対象 宮城県 4二次医療圏・39市区町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

宮城県の調剤薬局は1,211軒。高齢化で処方せんの需要は今後20年、県全体で+8.8%と増える見通しです。ただしこの伸びは仙台医療圏(+23.0%)ひとつが作っています。残る3圏はいずれもマイナスで、いちばん縮むのは石巻・登米・気仙沼医療圏の-14.8%。圏域差は37.8ポイントあります。薬局も823軒=県内の68.0%が仙台医療圏に集まっており、県の平均値はほぼ仙台の値です。

4
宮城県の二次医療圏
1,211
県内の薬局数
68.0%
仙台医療圏にある薬局の割合
22
11ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-14.8〜+23.0%
処方せん需要の変化レンジ(圏域差)

地図 ── クリックで深掘り薬局1軒あたり処方せんの、医療圏ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化。薬局の数がいまのままだと仮定して、高齢化で処方せんがどう動くかを示しています。増えるのは仙台医療圏(+23.0%)だけで、仙南(-8.6%)・大崎・栗原(-13.1%)・石巻・登米・気仙沼(-14.8%)の3圏はいずれも縮みます。縮む3圏はすべて65歳以上人口が2025年でピークを打っており、そこにある薬局は388軒=県内の32.0%です。

仙南:薬局84軒/1軒あたり処方せん(→2045) -8.6%仙南仙台:薬局823軒/1軒あたり処方せん(→2045) +23.0%(クリックで詳細)仙台大崎・栗原:薬局141軒/1軒あたり処方せん(→2045) -13.1%大崎・栗原石巻・登米・気仙沼:薬局163軒/1軒あたり処方せん(→2045) -14.8%石巻・登米・気仙沼
色=薬局1軒あたり処方せんの変化(→2045)
減る(-14.8%)増える(+23.0%)
医療圏そのものの形で塗り分けています。
Requestまだ公開されていない地域も、リクエストできます公開されたら、メールでお知らせします(無料)。 今すぐ必要な方は会員の優先生成へ。
Lv1のこの色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)です。医療圏ページ(Lv2)の色は圏内でのシェア移動を示す相対値で、意味が違います。各ページの凡例に従ってお読みください。

人口動態 ── 需要の源4つの医療圏のうち3つは、65歳以上がもう減りはじめている

宮城県全体では、総人口は223.9万→192.4万人(-14.1%)と減り、65歳以上は66.6万→72.5万人(+8.8%)に増えます。高齢化率は29.7%→37.7%へ。65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っている医療圏は仙南/大崎・栗原/石巻・登米・気仙沼の3圏(薬局388軒・県内の32.0%)。逆に2050年まで増え続けるのは仙台医療圏だけです。県全体の65歳以上人口のピークは2045年になります。

総人口65歳以上
0万58万115万172万230万202520302035204020452050183万72万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口は右肩下がり、65歳以上は2045年まで増加。

承継 ── 消えた薬局と、続いた薬局11ヶ月の廃止届45件のうち、そのまま消えたのは22件でした

まず名簿の話から。東北厚生局が公開している保険薬局の廃止一覧表は、宮城県ぶんの原本PDFが13号ぶん確認できますが、そのうち当社のデータベースに取り込めているのは8号でした。3号はスキャン画像のまま公開されていて文字として読めず、2号は読めるのに未収録だったためです。画像の3号は1件ずつ目視で読み取り、未収録の2号は原本から取り直して、合わせて25件を復元しました(店名は記録せず、市区町村と日付と種別だけを取っています)。廃止届は廃止月の翌月以降にずれて載るため、ある月の廃止をもれなく数えるには3号ぶんが必要です。復元を足すとこの条件を満たす月が11ヶ月続き、2025年6月〜2026年4月(11ヶ月)を集計期間にできました(復元しなければ2ヶ月しか取れません)。この11ヶ月に出された廃止届は45件。うち23件は新しい機関コードが同時に発行された移転・承継で、そのまま消えたのは22件——薬局1,211軒に対して1年あたり1.98%にあたります。復元ぶんを外して当社のデータベースにある分だけで数えると11件(年率0.99%)で、これが下限です。この率は宮城県の中で読むための数字で、他県と並べてはいません。廃止一覧表のそろい方が県ごとに違い、そろっていない県と比べると順位が名簿の穴の産物になるためです。

機能の届出 ── 今回は出せませんかかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、算出していません(0%ではありません)

薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能フラグ9項目が、宮城県では1,191軒/1,211軒=98.3%の薬局で1つも立っていません。これは届出が無いという意味ではなく、データの取り込みが県単位で進んでいないことを示す形です(山梨県で同じ検査をしたときの20.8%と比べても4倍以上)。このまま割り算をすると「届出率ほぼ0%」という実在しない事実を公開してしまうため、宮城県ではかかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅患者訪問薬剤管理指導の届出率を算出していません。取り込みが済み次第、同じ手順で後から足せます。

ランキング ── 全国のなかの宮城1軒あたりも、薬局の数も、院外に出る割合も——真ん中より上

薬局1軒あたりの年間処方せんは県全体で13,164枚。全国20位/47で、ほぼ真ん中です。人口10万人あたりの薬局数は54.1軒で19位、住民1人あたりの院外処方せんは7.1枚で18位。注目すべきは院外処方率84.9%=全国7位で、処方せんが薬局の外に出てくる割合が高い県だということです(人口10万人あたりの医療施設従事医師は256.3人で28位=真ん中より下)。つまり宮城県は『医師の数は全国の真ん中より下だが、出た処方せんはほぼ薬局に届く』県です。圏で見ると仙南医療圏の92.0%は全国335の二次医療圏で高いほうから18番目です。

石巻・登米・気仙沼
-14.8%
大崎・栗原
-13.1%
仙南
-8.6%
仙台
+23.0%

くわしい数字4医療圏データ一覧

地域(医療圏)薬局1軒あたり処方せん
2025 → 2045(枚/年)
変化
仙台82313,411 16,494+23.0%
石巻・登米・気仙沼16313,574 11,569-14.8%
大崎・栗原14111,557 10,038-13.1%
仙南8412,651 11,561-8.6%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)に、将来推計人口の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は2025年6月〜2026年4月(11ヶ月)の集計で、移転・承継を除いています(12ヶ月ぶんではないので、率は年率に換算した値を使ってください)。医療圏ごとの閉局は件数が少ないため、圏どうしの順位づけには使えません。他県との比較も出していません。届出率(かかりつけ等)はGMISの取り込みが済んでいないため算出していません(0%ではありません)。個店のランキングや閉局予測は作りません。

いま出していない数字供給の将来推計・届出率・県間の順位の3つを外しています

このページでは3種類の数字を外しています。(1) 2045年の薬局店数の推計と、医療圏を「都市型(競争淘汰)/郊外型(需要減)」に分ける分類。これらは開局・閉局を予測する統計モデルから出していましたが、そのモデルは近畿の府県で学習したもので、宮城県を対象に含みません。(2) かかりつけ・地域連携・在宅の届出率。薬局機能情報提供制度(GMIS)の取り込みが県単位で進んでいないためです。(3) 閉局率の県間順位。廃止一覧表のそろい方が県ごとに違うので、東北の他県と並べた表は作っていません(宮城県の中で読むための率は出しています)。いずれも条件が整い次第、戻します。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 宮城県(このページ・Lv1)=4つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 二次医療圏(Lv2)=圏内の市区町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市区町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【いま出していない数字 1/供給の将来】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類はこのページから外しています。もとにしていた統計モデルは近畿の府県で学習したもので、宮城県を対象に含みません。再学習が済み次第、戻します。
  • 【閉局の数え方と、名簿の穴】宮城県の廃止一覧表は、原本PDFが13号ぶん確認できるものの、データベースに取り込めていたのは8号でした(スキャン画像で文字として読めないもの3号=処理月2025年11月/2026年5月/2026年6月、読めるのに未収録2号=処理月2025年9月/2026年4月)。前者は目視で読み取り、後者は原本から取り直して、合わせて25件を復元しました(店名・開設者名は記録していません)。復元を足すと、必要な号がそろう廃止月が11ヶ月連続し、集計期間を2025年6月〜2026年4月(11ヶ月)にできました。復元しない場合は2ヶ月しか取れません(そのときの真の閉局は11件・年率0.99%で、これが下限です)。
  • 【率を他県と並べないでください】集計期間が11ヶ月なので、真の閉局率1.82%をそのまま12ヶ月窓の他県と並べてはいけません。1年に直した値(1.98%)を使ってください。**そのうえで、東北の他県とも並べていません。**廃止一覧表のそろい方が県ごとに違い、そろっていない県と比べると順位が名簿の穴の産物になるためです。
  • 【閉局は県計で読んでください】既定窓の真の閉局22件を4医療圏に割ると1圏あたり1〜14件しかありません。圏別の件数はJSONに入れていますが、圏どうしの順位づけ・率の比較には使えません。
  • 【東北の名簿は、あとから遡って載ることがあります】廃止月の3号あとまで見ても94.1%しか入らず(中国地方は99.0%)、**必要な号がそろっている月でも下限です**。実際、廃止日2025年12月31日の1件が処理月2026年4月の号に載っていました。
  • 【いま出していない数字 2/届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきますが、宮城県では機能情報9項目がすべて0の薬局が1,191軒=98.3%あり、県単位で取り込みが進んでいない状態です。**0%ではなく「未算出」です。**取り込みが済み次第、同じ手順で足します。
  • 【処方せんの推計方法】NDBオープンデータの医療圏別・院外処方せん実績(2023年・県全体で年間15,941,764枚)に、その医療圏の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。医療圏より細かい単位では公表されていません。
  • 【NDBは院外だけを数えています】宮城県の院外処方率は84.9%で、全国7位/47=高い側です。それでも処方せんの1割強は病院・診療所の中で渡されており、その分はこのレポートの需要に入っていません。圏では大崎・栗原の78.3%がいちばん低く、全国335圏で低いほうから139番目です。
  • 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。開局・閉局による店数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【廃止届の出どころ】東北厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。**集計期間は2025年6月〜2026年4月(11ヶ月)です。**参考として名簿のある全期間(2025年2月〜2026年5月・16ヶ月)も数えていますが、欠けている号の分だけ少なく出る下限値です。**「去年より増えた/減った」という時間方向の比較は、宮城県のデータからは作れません。**名簿が13処理月ぶんしか無いためです。
  • 【廃止届=閉局ではありません】廃止届のなかには、同じ日に新しい機関コードが発行される移転・承継が混ざります。このレポートで「閉局」と呼ぶのは、新しいコードが出ていない届出だけです。
  • 【厚生局の名簿と突き合わせています】東北厚生局『コード内容別医療機関一覧表(薬局)』(令和8年7月1日現在(現存/休止))に載る宮城県の保険薬局は1,211軒で、このレポートが使っているGMISの1,211軒と県計では一致しました(市区町村単位では最大6軒の差があります)。住所の文字列で照合しているため、移転先が別住所の承継はヒットしません。件数の置き換えには使わず、名簿の網羅性を確かめる用途にとどめています。
  • 【薬局の届出が0軒の市町村】大郷町/大衡村の2町村は、GMISでも厚生局の保険薬局一覧でも0軒でした(人口はそれぞれ7,228人・5,890人、診療所・歯科診療所は3件・2件あります)。2つの独立した名簿で同じ結果になったという事実だけをお伝えします。そこに薬局を出すべきかどうかは、このレポートでは扱いません。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません(県内185店を除外)。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(宮城県は1,211店すべてに市区町村コードがあり、座標による補完は0件でした)。
  • 【医療圏の区分と仙台市の区】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。宮城県は仙台/仙南/大崎・栗原/石巻・登米・気仙沼の4圏です。仙台市は政令指定都市で、マスタも将来推計人口も「区」単位のため、本レポートの市区町村は39(仙台市5区+34市町村)と数えています。自治体の数として数えると35です。
  • 【徒歩アクセスはこのページでは出していません】250mメッシュの人口基盤(mesh_backbone_250m)には宮城県分が31,272セル(39市区町村すべて)入っているので、市区町村の詳細版(Lv3)では千葉県版と同じ「徒歩10分以内カバー率」を出せます。県・医療圏のページでは既刊と同じく出していません。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【東日本大震災について】沿岸部の市町では総人口・65歳以上人口の見通しが内陸より厳しく出ますが、本レポートはその理由を特定していません。将来推計人口は過去の実績から機械的に延ばしたもので、個別の出来事を原因として織り込む設計にはなっていないためです。「震災の影響でこうなった」という読み方はしないでください。

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