CrossHealth / 薬局持久度レポート

薬局の7割が、ひとつの医療圏に集まっている府

京都府6つの二次医療圏の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。地図の医療圏をクリックすると、市区町村まで下りたレポートへ進めます。

対象 京都府 6二次医療圏・36市区町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

京都府の調剤薬局は1,256軒。高齢化で処方せんの需要は今後20年、府全体では+7.6%増える見通しです。ただし医療圏に割ると-18.1%(丹後)から+21.5%(山城南)まで39.6ポイント開き、6医療圏のうち3圏は65歳以上の人口がすでにピークを過ぎています。そしてこの府では、薬局の68.5%が京都・乙訓医療圏という一つの圏域に集まっています。

6
京都府の二次医療圏
1,256
府内の薬局数
21
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-18.1〜+21.5%
処方せん需要の変化レンジ(圏域差)

地図 ── クリックで深掘り薬局1軒あたり処方せんの、医療圏ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化。薬局の数がいまのままだと仮定して、高齢化で処方せんがどう動くかを示しています。いちばん厳しいのが丹後医療圏(-18.1%)、いちばん伸びるのが山城南医療圏(+21.5%)。医療圏をクリックすると、その中の市区町村差まで下りられます。

中丹:薬局74軒/1軒あたり処方せん(→2045) -5.4%(クリックで詳細)中丹丹後:薬局37軒/1軒あたり処方せん(→2045) -18.1%(クリックで詳細)丹後京都・乙訓:薬局860軒/1軒あたり処方せん(→2045) +12.6%(クリックで詳細)京都・乙訓南丹:薬局54軒/1軒あたり処方せん(→2045) -7.2%(クリックで詳細)南丹山城北:薬局183軒/1軒あたり処方せん(→2045) +4.2%(クリックで詳細)山城北山城南:薬局48軒/1軒あたり処方せん(→2045) +21.5%(クリックで詳細)山城南
色=薬局1軒あたり処方せんの変化(→2045)
減る(-18.1%)増える(+21.5%)
医療圏そのものの形で塗り分けています。地図の医療圏をクリックすると、その圏のページへ移動します。

この県の二次医療圏一覧(6圏)

Requestまだ公開されていない地域も、リクエストできます公開されたら、メールでお知らせします(無料)。 今すぐ必要な方は会員の優先生成へ。
Lv1のこの色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)です。医療圏ページ(Lv2)の色は圏内でのシェア移動を示す相対値で、意味が違います。各ページの凡例に従ってお読みください。なお京都府は6圏のうち面積の小さい1圏に薬局が集中しているため、地図の面積と薬局の数はまったく比例しません。

集中 ── 京都府のかたち薬局68.5%・高齢者60.3%が京都・乙訓に

京都府の薬局1,256軒のうち860軒=68.5%が京都・乙訓医療圏にあります。65歳以上人口で見ても60.3%。同じ見方を既刊の府県でするとこうなります——大阪府の最大圏(大阪市)は38.0%、兵庫県(阪神)は31.0%、千葉県(東葛南部)は25.2%。京都府の集中はこれらの倍近くで、4府県でいちばん偏っています。残り5圏の薬局は合わせて396軒。府の中部から北にあたる丹後・中丹・南丹の3圏を足しても165軒で、京都・乙訓の19%にしかなりません。府の平均値を見るということは、ほとんど京都・乙訓を見ているのと同じになります。この点は、どの数字を読むときにも効いてきます。

人口動態 ── 需要の源府全体では+7.6%。でも3つの医療圏では、もう増えない

京都府全体では、総人口は252万→217万人(-13.8%)と減る一方、65歳以上は76万→82万人(+7.6%)と増えます。高齢化率は30.1%→37.6%へ。ただしこの「増える」は府平均の話です。丹後・南丹・中丹の3医療圏は65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っており、ここには薬局が165軒(府内の13.1%)あります。人が減るから需要も減る、という段階に入っているのは、府の中部から北にあたる3圏です。

総人口65歳以上
0万65万130万195万260万202520302035204020452050208万80万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口は右肩下がり、65歳以上は2045年まで増加。

承継 ── 消えた薬局と、続いた薬局廃止届63件のうち、そのまま消えたのは21件でした

直近12ヶ月(2025年7月〜2026年6月)に京都府で出された薬局の廃止届は63件。ただしこのうち42件は新しい機関コードが記載されており、移転や承継で事業が続いた=その場所から薬局が消えてはいません。そのまま消えたのは21軒(薬局1,256軒の1.67%)でした。引き継がれなかった割合は府全体で33.3%。ただし京都府では、この63件のうち40件(63%)が京都・乙訓医療圏に出ています。閉局・承継という出来事そのものが、府の中で偏って起きています。件数が一桁の圏域は1件で率が大きく動くため、圏どうしの率の比較は慎重にお読みください。

機能の届出 ── 府全体で薄いかかりつけの届出率は、既刊の近畿2府県より10ポイント以上低い

かかりつけ薬剤師指導料の届出率は京都府全体で62.8%。同じ数え方で出した大阪府77.2%・兵庫県75.3%より10ポイント以上低く、千葉県62.9%に近い水準です。府内では南丹の57.7%から山城南の78.7%まで開きます。在宅患者訪問薬剤管理指導の届出率は中丹の51.4%から南丹の55.8%までで、圏域差は4.4ポイントと小さめです。兵庫県では在宅の届出率の順位が需要の伸びの順位と8圏すべてで一致しましたが、京都府では6圏中1圏の一致にとどまり、同じ並びは再現しませんでした。地域の傾向は府県ごとに違う、という読み方をしてください。届出は自己申告で、届出=実際の提供ではありません。

ランキング ── 圏域差処方せんが増える医療圏・減る医療圏

丹後(-18.1%)から山城南(+21.5%)まで。薬局の数がいまのままなら、1軒あたりの処方せんはこう動きます。現在の1軒あたり処方せんは丹後の9,154枚から中丹の12,908枚まで1.41倍の開きで、府平均は11,273枚。これは大阪府12,266枚・兵庫県13,628枚より少なく、1軒あたりで見ると京都府はいちばん薄い府県です。「いま薄い地域が、これからさらに薄くなる」とは限らない点にも注意してください。実際には開局・閉局で店数も動きますが、その将来推計(2045年の店数)はいまも掲載していません(下の注記)。

丹後
-18.1%
南丹
-7.2%
中丹
-5.4%
山城北
+4.2%
京都・乙訓
+12.6%
山城南
+21.5%

くわしい数字6医療圏データ一覧

地域(医療圏)薬局1軒あたり処方せん
2025 → 2045(枚/年)
変化
京都・乙訓86011,108 12,503+12.6%
山城北18311,727 12,214+4.2%
中丹7412,908 12,208-5.4%
南丹5411,240 10,436-7.2%
山城南4811,635 14,140+21.5%
丹後379,154 7,497-18.1%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)に、将来推計人口の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は直近12ヶ月(2025年7月〜2026年6月)の集計で、移転・承継を除いています。個店のランキングは作りません。

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのか都市型3圏・郊外型3圏に分かれます

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。京都府の6の二次医療圏を分けると、都市型が3圏・郊外型が3圏です。競争側の比率は圏によって0.05〜0.86まで開きます(0.5以上なら都市型)。同じ県のなかでも、減り方の筋道は一様ではありません。このうち4圏は、社人研の推計で20年に15%を超えて人口が減る側に入ります。県全体の総人口は2025→2045で-13.8%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は89.0%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。京都府でこの名簿に載っている保険薬局は1,180軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 1,050軒=89.0%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 747軒=63.3%、在宅薬学総合体制加算 551軒=46.7%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 965軒=81.8%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回63.3%/これまで62.8%(差+0.5ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回89.0%/これまで43.8%(差+45.2ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回46.7%/これまで52.9%(差-6.2ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。同月版でそろえた全国比較では、地域支援・医薬品供給対応体制加算は89.0%で全国47都道府県中41位、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は63.3%で全国47都道府県中15位、在宅薬学総合体制加算は46.7%で全国47都道府県中4位、電子的調剤情報連携体制整備加算は81.8%で全国47都道府県中35位です。順位は名簿の数え方がそろっている範囲での並びで、地域の医療の良し悪しを表すものではありません。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

いま出していない数字いま出していないのは、2045年の薬局店数の推計だけです

このページでは、次の数字をまだ出していません。(1)2045年の薬局店数 2045年に薬局が何軒になるかという推計です。供給動学モデルは47都道府県のフル学習に更新され、「どの筋道で閉じるか」の係数は検算に通りました。しかし店数の水準を出すには、閉じる側と開く側の数え方がそろっている必要があります。実際に20年ぶん回すと全国で+25.4%(薬局が2割以上増える)、薬局の少ない医療圏では最大+913%という結果になりました。原因は2つで、ひとつは新規指定の名簿がほぼ完全に取れるのに対して廃止届のほうに取りこぼしが残ること(モデルの純増+1074軒/年に対し名簿の実測は+387軒/年)、もうひとつは薬局の少ない医療圏で開局数が全国平均側に引っ張られること(20軒未満の圏では推定2.5軒/年に対し実測0.33軒/年)です。 解禁の条件は、廃止届の取りこぼしをなくすこと(東海北陸のOCR再収穫・名簿の多年化)と、小さい医療圏で開局数が平均へ引っ張られないようにモデルを直すことです。数字を急いで出すより、間違っていた数字を下げるほうを選んでいます。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 京都府(このページ・Lv1)=6つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 二次医療圏(Lv2)=圏内の市区町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市区町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 【処方せんの推計方法】NDBオープンデータの医療圏別・院外処方せん実績(2023年・府全体で年間14,158,402枚)に、その医療圏の65歳以上人口の伸びを掛けた推計です。医療圏より細かい単位では公表されていません。
  • 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。開局・閉局による店数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】近畿厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。京都府の名簿は2025年7月号からの収録で廃止日の最小が2025年5月31日のため、暦年ではなく完全な12ヶ月がそろう2025-07〜2026-06(12ヶ月・名簿の入手状況から自動決定)を集計期間としました。この期間の廃止届は63件で、うち42件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだと読めます。そのまま消えたのは21件です。兵庫県(同じ12ヶ月窓・43件)とは期間がそろいますが、大阪府(暦年2025・78件)や千葉県(暦年2025・42件)と件数を直接並べるときは、集計期間が違う点にご注意ください。
  • 【圏域ごとの閉局は件数が小さい】京都府の真の閉局は12ヶ月で21件しかなく、うち15件が京都・乙訓医療圏です。医療圏は廃止届が0件でした。1件で率が大きく動くため、圏どうしの閉局率・承継率の比較は傾向としてのみお読みください。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(京都府は対象1,256店すべてに市区町村コードがあります)。
  • 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある1,167店を分母にしています(府内全1,256店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
  • 【薬局が0軒・ごく少数の自治体】伊根町・南山城村には薬局がありません。また久御山町・井手町・京丹波町・和束町・大山崎町・宇治田原町・笠置町は薬局が8軒に満たず、1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れます。表・地図では注記つきでお読みください。
  • 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。京都府は6つの二次医療圏(京都・乙訓/山城北/山城南/南丹/中丹/丹後)で、京都市11行政区は乙訓の3市町とともに「京都・乙訓」に含まれます。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。

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