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CrossHealth / 薬局持久度レポート
2045年、住民の半分が65歳以上になる圏
丹後医療圏4市区町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポート(会員向け・有料)を公開しています。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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丹後医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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丹後医療圏の高齢化率は41.6%——すでに府内で最も高く、2045年には50.8%に達します。住民の半分が65歳以上になる、京都府で唯一の医療圏です。しかもその65歳以上人口自体が-18.1%と府内で最も深く減っていきます。高齢化の「率」が上がりながら、需要の「量」は縮む——薬局37軒はその両方に向き合うことになります。
丹後医療圏は4市町・薬局37軒。京丹後市17軒・与謝野町11軒・宮津市9軒で、伊根町は0軒です。1軒あたり処方せんは圏全体で9,154枚と府内6圏の最少。圏内でも与謝野町6,737枚から京丹後市10,980枚までで、府内で最も厚い中丹の隣に、最も薄い圏が並んでいます。需要の先行きは全市町が同じ向きです。4市町すべてで65歳以上人口のピークが2025年=起点年で、すでに減少局面。総人口は宮津市-36.2%・伊根町-36.3%など、どこも3割以上減ります。閉局の記録は12ヶ月で真の閉局1件(京丹後市)のみ、移転・承継は0件でした。廃止届1件のうち1件がそのまま消えた——分母が小さいため率で語ることはできませんが、「引き継ぐ動きが観測されなかった」という事実は残ります。機能の届出では、地域連携51.6%が府平均(43.8%)を上回り府内で最も高い一方、かかりつけは64.5%と府平均並みです。軒数も枚数も薄い圏で、届出の厚みだけが平均を上回っている——少ない薬局が広く機能を引き受けている姿がうかがえます。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市区町村ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが宮津市(-10.5%)、いちばん緑なのが京丹後市(+3.6%)で、同じ丹後医療圏の中に14.1ポイントの開きがあります。伊根町は薬局が0軒のため1軒あたりの数値が計算できず、色がつきません。
徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は31.0%(直線近似)
250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、丹後医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は31.0%(府全体83.6%)、20分圏で52.1%です。徒歩10分圏の外には56,586人が住んでいます。6医療圏で並べるとこの圏は低いほうから1番目です。市区町村別では与謝野町の47.6%から伊根町まで開きます——伊根町は薬局が1軒も無く、最寄り薬局が徒歩10分圏に入る住民が推計上いません。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。公共交通は含みません。
人口動態 ── 需要の源丹後医療圏の65歳以上人口はもう減っていく
なぜ市区町村で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。丹後医療圏全体では、総人口は8.2万→5.5万人(-33.0%)と減り、65歳以上は3.4万→2.8万人(-18.1%)と減ります。高齢化率は41.6%→50.8%へ。65歳以上のピークは2025年——つまり起点年で、圏全体がすでに減少局面に入っています。圏内4市区町村のうち4つでピークが2025年、65歳以上人口が2045年までに減る市区町村は4あります。
医療計画からの引用県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
「○北部地域では、現在、就業する看護師・准看護師は府平均よりも高いものの、丹後医療圏では50歳以上が半数を占めており、将来にわたり医療提供体制を確保するため、次の世代を担う看護師・准看護師の確保・定着の取組が一層必要となっています。」
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。 並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
ランキング ── 市区町村差経営がしんどくなる市区町村・楽になる市区町村
宮津市(-10.5%)から京丹後市(+3.6%)まで14.1ポイント。ここでの色は圏内での相対値です。圏全体の65歳以上人口が-18.1%減るため、圏内で相対的にプラスに見える京丹後市(+3.6%)も、絶対量では65歳以上が-15.1%減ります。伊根町は薬局0軒のため1軒あたりの数値が計算できず、色がつきません。
くわしい数字4市区町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 京丹後市 | 17 | 40.1% | 10,980 → 11,379 | +3.6% |
| 与謝野町 | 11 | 40.8% | 6,737 → 6,954 | +3.2% |
| 宮津市 | 9 | 46.3% | 7,726 → 6,916 | -10.5% |
| 伊根町 | 0 | 48.4% | 薬局なし | ― |
※処方せん需要は丹後医療圏全体の実績(NDB)を市区町村の高齢人口で按分した推計です。薬局が8軒に満たない自治体では1軒あたりの値が大きく振れます。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 京都府(ひとつ上・Lv1)=6つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 丹後医療圏(このページ・Lv2)=4市区町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。丹後医療圏にいまある37軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.05です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-33.0%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は91.4%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。丹後医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は35軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 32軒=91.4%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 21軒=60.0%、在宅薬学総合体制加算 15軒=42.9%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 28軒=80.0%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回60.0%/これまで64.5%(差-4.5ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回91.4%/これまで51.6%(差+39.8ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回42.9%/これまで51.6%(差-8.7ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】丹後医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間338,699枚)を、市区町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(京都府=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に81.9)。
- 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】近畿厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(丹後医療圏で1件)。廃止届は全部で1件出ていますが、そのうち0件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。京都府の廃止名簿は2025年7月号からの収録のため、集計期間は暦年ではなく完全な12ヶ月がそろう2025-07〜2026-06(12ヶ月・名簿の入手状況から自動決定)としています。大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)と件数を直接並べることはできません(兵庫県は同じ12ヶ月窓です)。
- 【件数は下限値です】閉局・廃止届の件数は2026年6月号までの名簿(2026年7月時点)で数えた値です。名簿には廃止日から掲載までの遅れがあるため、窓の終わり近くの件数は今後の号で増える可能性があります。
- 【市区町村ごとの閉局は件数が小さい】圏内の真の閉局は12ヶ月で1件です。1件で率が大きく動くため、本文では市区町村単位の閉局は件数のみを示し、閉局「率」は圏・府のレベルに限っています。圏どうしの率の比較も傾向としてのみお読みください。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある31店を分母にしています(圏内全37店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率31.0%は、250mメッシュ推計人口(2025年)と府内の薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります(河川・鉄道・地形で迂回が生じるため)。最寄り薬局は市区町村・医療圏の境界を越えて探しています(越境あり・府県境は越えないため、府県境沿いは下限側に振れます)。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。e65_peak_year が2025年の自治体は、起点年がピーク=すでに減少局面という意味です。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【薬局が0軒の自治体】伊根町には薬局がありません。1軒あたり処方せん・経営体力・届出率はいずれも計算できないため、表・地図では空欄になります。住民が薬局を使っていないという意味ではなく、隣接する市町の薬局を利用していると考えられますが、本レポートはその越境利用を推計していません。
- 【按分が閉じません】薬局が0軒の自治体があるため、市区町村別の1軒あたり処方せんに薬局数を掛けて足し戻しても、圏の実績には届きません(97.5%までしか閉じず、残り2.5%は薬局が1軒もない自治体に住む方のぶんです)。その処方せんは実際には隣接する市町の薬局が受けていると考えられますが、居住地ベースの按分ではどこに出ているか特定できません。
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丹後医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。
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