京都府山城南(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

府内最大の伸びの圏に、人口が半分になる町がある

山城南医療圏5市区町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポート(会員向け・有料)を公開しています。

対象 山城南医療圏 5市区町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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山城南医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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山城南医療圏の65歳以上人口は2025→2045で+21.5%——京都府の6医療圏で最大の伸びです。けれど圏内には、総人口が-52.4%とほぼ半分になる笠置町があります。65歳以上人口の増減で見た圏内の開きは68.6ポイント=府内の6圏でいちばん大きく、「伸びる圏」の平均は、南東の山あいの町村の実感ではありません。

5
山城南医療圏の市区町村
48
圏内の薬局数(府全体の3.8%)
1
薬局が1軒もない自治体
-51〜+6%
経営体力の変化レンジ(市区町村差)

山城南医療圏は5市町村・薬局48軒。木津川市28軒と精華町18軒に薬局のほとんどが集まり、笠置町1軒・和束町1軒、南山城村は0軒です。需要の先行きは学研都市側とそれ以外で二分されます。木津川市は65歳以上人口+28.2%・精華町+26.6%と大きく増える一方、笠置町・和束町・南山城村は65歳以上人口そのものが3〜4割減り、高齢化率は笠置町で57.1%→71.4%に達します。閉局・承継の記録はほぼ木津川市の出来事です。12ヶ月の廃止届9件のうち7件が木津川市で、うち6件は移転・承継でした。ただしこの承継8件のうち8件は、同じ日に同じ屋号でまとまって出た法人単位の一斉付け替えで、しかも同じ4店が2つの廃止日(2025年9月・10月)で重ねて記録されたものです。つまり承継8件の実質は「チェーン4店の付け替え」だけです。「承継が活発な圏」と読むのは早計です。そのまま消えたのは圏全体で1軒でした。機能の届出では、かかりつけ薬剤師指導料の届出率78.7%が府内6医療圏で最高です(府平均62.8%)。薬局がいちばん集まる圏(京都・乙訓)ではなく、新しい住宅地を抱えるこの圏が、届出ではいちばん厚い——京都府の機能の地図は、薬局の数の地図とは別物です。

山城南医療圏 5市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市区町村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが笠置町(-51.0%)、いちばん緑なのが木津川市(+5.5%)で、同じ山城南医療圏の中に56.5ポイントの開きがあります。南山城村は薬局が0軒のため1軒あたりの数値が計算できず、色がつきません。

徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は68.7%(直線近似)

250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、山城南医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は68.7%(府全体83.6%)、20分圏で91.6%です。徒歩10分圏の外には36,583人が住んでいます。6医療圏で並べるとこの圏は低いほうから4番目です。市区町村別では精華町の79.8%から南山城村まで開きます——南山城村は薬局が1軒も無く、最寄り薬局が徒歩10分圏に入る住民が推計上いません。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。公共交通は含みません。

人口動態 ── 需要の源山城南医療圏の65歳以上人口はまだ増える

なぜ市区町村で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。山城南医療圏全体では、総人口は12.1万→11.4万人(-6.0%)と減り、65歳以上は3.4万→4.1万人(+21.5%)と増えます。高齢化率は28.0%→36.3%へ。65歳以上のピークは2045年で、その波がいつ来るかが市区町村で違うのです。圏内5市区町村のうち3つでピークが2025年、65歳以上人口が2045年までに減る市区町村は3あります。

総人口65歳以上
0万5万10万15万20万20252030203520402045205011万4万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。65歳以上のピークは2045年です。

医療計画からの引用県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

「・北部地域及び山城南医療圏等の医師確保困難地域では、大学を中心に地域医療に必要な医師の確保が行われてきましたが、臨床研修制度や新専門医制度の下で医師の確保が困難な状況にあります。」

京都府保健医療計画 京都府保健医療計画(令和6年度〜令和11年度)本編 PDF 26ページ

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。 並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

ランキング ── 市区町村差経営がしんどくなる市区町村・楽になる市区町村

笠置町(-51.0%)から木津川市(+5.5%)まで56.5ポイント——府内のどの圏よりも大きな圏内格差です。ここでの色は圏内での相対値(圏全体の処方せん総数を固定して、高齢人口シェアの移動だけを見たもの)です。ただし笠置町・和束町は薬局1軒の町、南山城村は0軒の村で、1軒あたりの数値はそもそも成立ぎりぎりです。圏内比較として意味を持つのは実質、木津川市と精華町の2市町だけという点は、この圏を読むうえでの前提です。

笠置町
-51.0%
和束町
-46.9%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
精華町
+4.2%
木津川市
+5.5%
薬局0の自治体(南山城村)はランキング対象外です

くわしい数字5市区町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
木津川市2826.0%12,260 → 12,930+5.5%
精華町1828.4%8,984 → 9,357+4.2%
笠置町157.1%9,097 → 4,459-51.0%
和束町151.6%25,995 → 13,810-46.9%
南山城村052.6%薬局なし

※処方せん需要は山城南医療圏全体の実績(NDB)を市区町村の高齢人口で按分した推計です。薬局が8軒に満たない自治体では1軒あたりの値が大きく振れます。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 京都府(ひとつ上・Lv1)=6つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 山城南医療圏(このページ・Lv2)=5市区町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。山城南医療圏にいまある48軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.30です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-6.0%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は91.3%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。山城南医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は46軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 42軒=91.3%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 37軒=80.4%、在宅薬学総合体制加算 23軒=50.0%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 43軒=93.5%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回80.4%/これまで78.7%(差+1.7ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回91.3%/これまで46.8%(差+44.5ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回50.0%/これまで55.3%(差-5.3ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】山城南医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間558,478枚)を、市区町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(京都府=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に121.5)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】近畿厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(山城南医療圏で1件)。廃止届は全部で9件出ていますが、そのうち8件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。京都府の廃止名簿は2025年7月号からの収録のため、集計期間は暦年ではなく完全な12ヶ月がそろう2025-07〜2026-06(12ヶ月・名簿の入手状況から自動決定)としています。大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)と件数を直接並べることはできません(兵庫県は同じ12ヶ月窓です)。
  • 【件数は下限値です】閉局・廃止届の件数は2026年6月号までの名簿(2026年7月時点)で数えた値です。名簿には廃止日から掲載までの遅れがあるため、窓の終わり近くの件数は今後の号で増える可能性があります。
  • 【市区町村ごとの閉局は件数が小さい】圏内の真の閉局は12ヶ月で1件です。1件で率が大きく動くため、本文では市区町村単位の閉局は件数のみを示し、閉局「率」は圏・府のレベルに限っています。圏どうしの率の比較も傾向としてのみお読みください。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
  • 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある47店を分母にしています(圏内全48店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
  • 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率68.7%は、250mメッシュ推計人口(2025年)と府内の薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります(河川・鉄道・地形で迂回が生じるため)。最寄り薬局は市区町村・医療圏の境界を越えて探しています(越境あり・府県境は越えないため、府県境沿いは下限側に振れます)。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。e65_peak_year が2025年の自治体は、起点年がピーク=すでに減少局面という意味です。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 【小さすぎる分母】笠置町・和束町は薬局数が8軒に満たない自治体です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。届出率も同様で、薬局が数軒の自治体では届け出るかどうかで大きく振れます(笠置町は機能情報の申告データが無いため、届出率そのものが計算できません)。
  • 【薬局が0軒の自治体】南山城村には薬局がありません。1軒あたり処方せん・経営体力・届出率はいずれも計算できないため、表・地図では空欄になります。住民が薬局を使っていないという意味ではなく、隣接する市町の薬局を利用していると考えられますが、本レポートはその越境利用を推計していません。
  • 【按分が閉じません】薬局が0軒の自治体があるため、市区町村別の1軒あたり処方せんに薬局数を掛けて足し戻しても、圏の実績には届きません(96.7%までしか閉じず、残り3.3%は薬局が1軒もない自治体に住む方のぶんです)。その処方せんは実際には隣接する市町の薬局が受けていると考えられますが、居住地ベースの按分ではどこに出ているか特定できません。
  • 【承継の件数を「代替わりが活発」と読まないでください】この圏域の移転・承継8件のうち8件は、同一の廃止日に同じ屋号でまとまって出た法人単位の一斉付け替えです(clo_relo_chain_bulk として別に保持)。しかも同じ4店のクラスタが2つの廃止日(2025-09-01・2025-10-31)で重ねて記録されており、件数は店舗数ではなく「のべ」です。名簿の再掲か短期間に2度のコード再発行かは名簿からは判別できません。個々の薬局の代替わりがそれだけ多く起きたという意味ではありません。

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山城南医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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