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CrossHealth / 薬局持久度レポート
薬局1軒が支える人口が、県内でいちばん多い
西濃医療圏11市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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西濃医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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西濃医療圏は大垣市を中心とする11市町からなり、薬局は151軒。薬局1軒あたりの人口は2,264人で、岐阜県5医療圏でいちばん多い——1軒の薬局が支える住民が、県内で最も多い圏です(県平均1,804人・最少は飛騨の1,530人)。需要の先行きは圏平均+0.3%とほぼ横ばいですが、その中に関ケ原町の-24.7%から大垣市の+9.5%まで34.2ポイントの開きがあります。
西濃医療圏は、大垣市(薬局76軒=圏の50.3%)を中心に、揖斐川沿いの山あい(揖斐川町)から輪中の平野部(海津市・輪之内町・安八町)まで11市町が連なる圏域です。人口は34.2万→27.0万人(-20.9%)と減り、65歳以上は11.0万→11.0万人(+0.3%)でほぼ横ばい。圏の平均だけを見れば「変わらない」圏域に見えます。ところが中を割ると、11市町のうち6市町では65歳以上人口がすでに2025年でピークを過ぎています。関ケ原町・揖斐川町は65歳以上が2割以上減る側、大垣市・池田町・安八町は増える側で、高齢化率は関ケ原町の43.1%から大垣市の28.5%まで開きます。広さも一様ではありません。薬局1軒あたりの面積は大垣市の2.7km²から揖斐川町の61.9km²まで22.8倍。閉局の面では、4年間(2022-05-01〜2026-04-30)の廃止届が7件(うち移転・承継5件)と少なく、率で語れる分母ではありません。機能の届出では、地域連携薬局28.5%・在宅33.1%が、いずれも岐阜県5医療圏で最も低い水準です。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町村ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが関ケ原町(-24.7%・薬局4軒の小さな分母)、いちばん緑なのが大垣市(+9.5%)。西の山ぎわ・南の輪中地帯が赤く、大垣市とその東側が緑という並びです。
人口動態 ── 需要の源圏としては横ばい。市町村では割れる
西濃医療圏全体では、総人口は34.2万→27.0万人(-20.9%)と減り、65歳以上は11.0万→11.0万人(+0.3%)。高齢化率は32.1%→40.7%へ上がり、65歳以上のピークは2040年です。圏内11市町村のうち6市町村ではそのピークがすでに2025年——これから減っていく局面に入っています。高齢化率の高いほうは関ケ原町の43.1%、低いほうは輪之内町の28.2%で、2045年にはそれぞれ54.0%・37.6%になります。65歳以上人口が2045年までに減る市町村は6あります。
地理 ── 広さは距離のものさし薬局1軒あたりの面積が、圏内で22.8倍違う
西濃医療圏の面積は1,434km²で、岐阜県の13.5%。薬局1軒あたりの面積は大垣市の2.7km²から揖斐川町の61.9km²まで22.8倍の開きがあります(圏平均9.5km²)。揖斐川町は圏の面積の56.1%を占めるのに、薬局は13軒です。いっぽう薬局1軒あたりの人口は1,338人〜4,756人で、面積ほどには開きません。この圏でも、薄いのは「1人あたりの軒数」ではなく「距離」です(広さと経営体力の順位相関は-0.609)。
徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像徒歩10分圏に住む人は52.0%(直線近似)
250mメッシュ人口で見ると、最寄り薬局まで徒歩10分圏に住む人は圏の52.0%(岐阜県全体59.9%)、徒歩20分圏で79.5%です。圏の人口の半分は最寄り薬局まで徒歩9.6分以内に住んでいます。市町村別では輪之内町の10.5%から大垣市の72.1%まで開きます。輪之内町・養老町・海津市など平野部でも集落が薬局から離れて分布する町があり、圏の南西部は三重県・滋賀県との県境です(県境の先の薬局は数えていません)。※この徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路網による実測ではありません(実測にすると下がる傾向があります)。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて探しますが、県境は越えません。
承継 ── 消えた薬局と、続いた薬局4年間の廃止届7件のうち、そのまま消えたのは2件
薬局の廃止届のうち、新しい機関コードが記載されているものは移転や承継で事業が続いた=その場所から薬局が消えてはいません。西濃医療圏は直近12ヶ月の廃止届が2件しかなく比較になりませんので、4年(2022年5月〜2026年4月(4年))で数えました。廃止届7件のうち5件が移転・承継(関ケ原町・海津市・養老町・大垣市)、そのまま消えたのは2軒で安八町・大垣市に出ています。引き継がれなかった割合は28.6%ですが、1件動けば14.3ポイント動く規模の話です。また岐阜県を含む東海北陸ブロックの廃止名簿は画像PDFから起こしたもので、他ブロックより拾えている件数が少ないことが分かっています(同じ12ヶ月で薬局1軒あたりの廃止届は東海北陸6県が1.42〜2.65%、関東信越10県が2.77〜6.62%)。件数は下限値です。他の地方の県の数字と並べないでください。圏どうしの閉局率の順位も、この下限のもとでは読まないでください。
ランキング ── 市町村差経営がしんどくなる市町村・楽になる市町村
関ケ原町(-24.7%)から大垣市(+9.5%)まで34.2ポイントの開き。マイナスは6市町村です。なお関ケ原町・神戸町・安八町・池田町・輪之内町は薬局が8軒に満たないため、1軒あたりの数値は振れやすい点にご注意ください。
医療計画 ── 圏域の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
③在宅医療への参加薬局が在宅医療における役割を担うために必要な在宅患者訪問薬剤管理指導の届出を行っている薬局については、平成30年3月時点では、保険薬局の約95%でしたが、令和5年3月時点では保険薬局の約96%を占めています。
岐阜県保健医療計画 第8期岐阜県保健医療計画(本編) PDF 428ページ
西濃圏域については、小児救急医療拠点病院である大垣市民病院を中心に、24時間体制で小児医療を提供しています。
岐阜県保健医療計画 第8期岐阜県保健医療計画(本編) PDF 221ページ
精神科病院37の精神病床数は、岐阜及び西濃圏域で全体の半数以上を占めています。
岐阜県保健医療計画 第8期岐阜県保健医療計画(本編) PDF 115ページ
並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字11市町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 大垣市 | 76 | 28.5% | 9,382 → 10,277 | +9.5% |
| 海津市 | 14 | 38.0% | 13,303 → 11,682 | -12.2% |
| 揖斐川町 | 13 | 41.8% | 9,016 → 6,914 | -23.3% |
| 養老町 | 10 | 37.6% | 15,042 → 13,297 | -11.6% |
| 垂井町 | 8 | 32.9% | 16,691 → 16,239 | -2.7% |
| 大野町 | 8 | 32.3% | 13,648 → 14,200 | +4.0% |
| 池田町 | 7 | 32.6% | 16,204 → 17,283 | +6.7% |
| 神戸町 | 5 | 34.1% | 19,337 → 17,971 | -7.1% |
| 関ケ原町 | 4 | 43.1% | 10,348 → 7,795 | -24.7% |
| 安八町 | 4 | 30.5% | 16,937 → 18,011 | +6.3% |
| 輪之内町 | 2 | 28.2% | 21,623 → 23,545 | +8.9% |
※処方せん需要は西濃医療圏全体の実績(NDB)を市町村の高齢人口で按分した推計です。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 岐阜県(ひとつ上・Lv1)=5つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 西濃医療圏(このページ・Lv2)=11市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は88.4%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。西濃医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は146軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 129軒=88.4%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 74軒=50.7%、在宅薬学総合体制加算 44軒=30.1%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 117軒=80.1%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回50.7%/これまで60.3%(差-9.6ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回88.4%/これまで28.5%(差+59.9ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回30.1%/これまで33.1%(差-3.0ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】西濃医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間1,772,119枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。またNDBの院外処方せん枚数は処方せんを発行した医療機関の所在地で数えたもので、どこの薬局で調剤されたかではありません。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(岐阜県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に100.3)。
- 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】東海北陸厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の12ヶ月(2025年5月〜2026年4月(12ヶ月))では西濃医療圏の廃止届が2件しかなく率で語れないため、本文の承継の議論は4年(2022年5月〜2026年4月(4年))の値(廃止届7件・真の閉局2件)を使っています。4年ぶんの値を、他県の単年の値と並べないでください。
- 【閉局の件数は下限値】2026年7月号までの名簿にもとづく2026年7月29日時点の値です。名簿への掲載には遅れがあるため、同じ集計期間の件数が今後も増える可能性があります。「この期間の閉局はこれだけ」ではなく「少なくともこれだけ」とお読みください。
- 【★閉局データの限界】東海北陸厚生局の廃止名簿は画像PDF(OCR)から起こしたもので、他ブロックより拾えている件数が少ない可能性が高いことを確認しています。同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届を数えると、東海北陸6県が1.42〜2.65%であるのに対し、関東信越10県は2.77〜6.62%、近畿6府県は3.62〜7.51%です。岐阜県の閉局率・承継率を、他の地方の都道府県と直接比べてはいけません。また件数が下限値であるため、岐阜県内の医療圏どうしでも、閉局率の高い・低いを順位として読むことはお勧めしません(本文でも書いていません)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
- 【小さすぎる分母】関ケ原町・神戸町・安八町・池田町・輪之内町は薬局数が8軒に満たない自治体です(5/11市町村)。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。
- 【面積】国土数値情報の市区町村境界(2024年1月1日)から計算した値です(圏計1,434km²)。道路網・標高・公共交通は含みません。広さは「距離のものさし」であって、住民が実際にどれだけ移動するかではありません。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率52.0%は、250mメッシュ推計人口(2025年)と県内の全薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測にすると数ポイント下がる傾向があります。最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探しますが、県境は越えません。隣県の薬局が実際には近い県境の集落では、実態より遠く(カバー率は低く)出ます。冬期の通行止め・公共交通は含みません。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある151店を分母にしています(圏内全151店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。岐阜県は岐阜・西濃・中濃・東濃・飛騨の5圏です。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません。供給の統計モデルは47都道府県すべてを学習しましたが、岐阜県は閉局名簿の側の条件(収録期間・欠号)が足りず、適用可否表で「不可」と判定されているためです。他県で学習した値の流用はしません。
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西濃医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。
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