愛媛県 › 松山医療圏
CrossHealth / 薬局持久度レポート
県内で唯一、高齢者が増える圏。増えるのは6市町のうち2つです
松山医療圏6市町の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
松山医療圏の調剤薬局は311軒。愛媛県634軒の49.1%がこの圏に集まっています。愛媛県の6つの二次医療圏のうち、2045年に65歳以上人口が増えるのはこの圏だけ(+8.0%)。ただし圏の中を見ると、増えるのは松山市(+12.3%)と東温市(+0.2%)の2市だけで、残る4市町は減ります。もっとも大きく減るのは久万高原町の-35.5%。同じ圏の中で47.8ポイント開いており、これは愛媛県の圏域差(32.6ポイント)より大きい数字です。
愛媛県634軒の49.1%。6市町すべてに薬局があります
県内6圏で唯一のプラス。ただし6市町のうち増えるのは2市だけ
松山市+12.3% 〜 久万高原町-35.5%
廃止届10件のうち3件は移転・承継
松山市は薬局256軒で圏の82.3%、愛媛県全体でも40.4%を占めます。直近12ヶ月の廃止届9件・真の閉局6件も圏内の大半で、県全体の真の閉局17件のうち6件がこの1市です。いっぽう久万高原町は薬局4軒、面積584km²で薬局1軒あたり146.0km²。2045年の高齢化率は59.2%で、松山市の38.6%とは別の景色になります。県都と、圏内で最も高齢化の進む山間の町が、同じ二次医療圏に入っている——これが松山医療圏の形です。
地図 ── 地域差を見る圏の中で、処方せんのシェアはどう動くか
色は圏内での高齢人口シェアの移動(相対値)です。いちばん上が松山市(+3.9%)、いちばん下が久万高原町(-40.3%)。松山医療圏そのものは65歳以上が+8.0%増えるので、相対値がマイナスでも絶対量が必ず減るとは限りません(たとえば東温市は相対-7.2%ですが、絶対では+0.2%)。
人口動態 ── 圏の中の二極6市町のうち4市町は、もう増えません
松山医療圏の総人口は619,658→535,546人(-13.6%)。65歳以上人口は194,062→209,658人(+8.0%)で、愛媛県の6圏で唯一増えます。ただしそれは松山市(+12.3%)が押し上げているためで、6市町のうち4市町は65歳以上人口のピークを2025年にすでに通過しています。2045年の高齢化率は松山市38.6%・東温市38.3%に対し、久万高原町は59.2%、砥部町45.8%、伊予市43.0%。総人口の減り方も松山市-11.8%に対し久万高原町-43.6%と、同じ圏の中で3倍以上の差があります。
ランキング ── 1軒あたりと、広さ薬局が密なところほど、1軒あたりは薄い
薬局1軒あたりの処方せんは、東温市の9,207枚から砥部町の37,684枚まで4.1倍開きます。松山市は12,328枚で、薬局1軒あたりの面積は1.7km²=圏内で最も密。逆に久万高原町は146.0km²で、松山市の86倍の土地を1軒が受け持っています。※この面積には人の住んでいない山地も入るので、住民から薬局までの距離ではありません。※砥部町・松前町の1軒あたりが大きく出るのは、隣接する松山市の薬局を使っている住民の分が、按分では自分の町に配分されるためでもあります(市町別の処方せんは実測ではなく按分推計です)。
くわしい数字6市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2050 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 松山市 | 256 | 30.4% | 12,328 → 12,812 | +3.9% |
| 東温市 | 24 | 32.1% | 9,207 → 8,543 | -7.2% |
| 伊予市 | 15 | 36.1% | 16,799 → 14,141 | -15.8% |
| 松前町 | 8 | 33.2% | 24,819 → 22,261 | -10.3% |
| 久万高原町 | 4 | 51.8% | 17,210 → 10,274 | -40.3% |
| 砥部町 | 4 | 37.1% | 37,684 → 32,695 | -13.2% |
※処方せんは松山医療圏のNDB実績(2023年・年間4,047,061枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町別には公表されていません。※`chg` は圏内での相対値、`65歳以上人口の変化` が絶対値です。※閉局は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月(12ヶ月))。市町別では0〜9件で、市町どうしの多寡としては読めません。★他県・他圏の閉局率と並べることもできません。※久万高原町・砥部町は薬局4軒で、率が1軒で大きく動きます(small_n)。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 松山市 薬局256軒=圏の82.3%。県全体の40.4%
- 東温市 1軒あたり9,207枚=圏内で最少。65歳以上は+0.2%
- 久万高原町 2045年の高齢化率59.2%。薬局1軒あたり146.0km²
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】松山医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間4,047,061枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【按分の限界】松前町・砥部町のように松山市に隣接する町では、住民が松山市の薬局を使っている分も按分では自分の町に配分されます。1軒あたりの数字が大きく出るのはそのためでもあり、実際の受療動向とはずれます。
- 【院外だけの数字】処方せんは院外のみです。松山医療圏の院外処方せん率は69.4%で、院内の年間1,786,326枚は含まれていません。
- 【chgの意味】この圏ページの `chg` は圏内での相対値(圏内の高齢人口シェアの移動)です。県ページ(Lv1)の `chg` は絶対値で、意味が違います。絶対量は `chg_abs`(65歳以上人口の変化)をご覧ください。
- 【閉局の定義】`shinkocode=0`=新しい機関コードの記載が無いもの=「真の閉局」。移転・承継(3件)は別建てです。
- 【閉局の窓】直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月(12ヶ月))。四国厚生支局の名簿PDFから号(処理年月)を復元し、この12ヶ月は必要な3号がすべてそろっていることを確認しています(最小カバー率1.0)。
- ★【閉局を市町別に語れません】市町別の廃止届は0〜9件です。市町どうしの多寡としては読めません。
- ★【他県・他圏の閉局率と並べられません】廃止名簿の捕捉率が地方厚生局ごとに構造的に違います。愛媛県はさらに、同じ中国四国ブロックの中でも収集経路が2つに割れており、徳島県・高知県は名簿PDFに廃止行が実在するのにデータベースには0件です。
- 【小さい分母】久万高原町・砥部町は薬局4軒、松前町は8軒です。率が1軒で大きく動くので、順位づけに使わないでください。薬局が0軒の市町はこの圏にはありません。
- 【薬局数は固定】2025年時点の数で固定しており、将来の開局・閉局による店数変化は含みません。供給動学(2045年の店数推計)は差し止め中です。
- 【面積】km²/軒は行政区域の面積を薬局数で割った値です。人の住んでいない山地も含むので、「住民から薬局までの距離」ではありません。徒歩アクセス率は`mesh_backbone_250m` に愛媛県分が無いため出せません。
- 【e65_peak_year】5年刻みの推計上のピークです。「2025年ピーク」は起点年なので「すでに減少局面」、「2045年ピーク」は「推計期間内はまだ増えている」の意味です。
- 【倫理線】薬局が1〜2軒の自治体は、集計がそのまま個店の記述になるため、本文の主役にせず、Lv3(市町詳細)の対象からも外しています。松山医療圏には該当する自治体はありません。
- 【扱っていないこと】産業構造・観光・交通は `crosshealth.db` に収録がないため扱っていません。語ったのは薬局数・閉局・人口推計・NDB処方せん・面積の範囲だけです。
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