石川県石川中央(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

金沢市は、この圏域の平均そのものでした

石川中央医療圏6市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 石川中央医療圏 6市町期間 2025年 → 2045年概要版・無料

石川中央医療圏(金沢市・白山市・野々市市・かほく市・津幡町・内灘町)は、薬局378軒=石川県全体の68.4%が集まる圏域です。うち248軒(圏内の65.6%)は金沢市にあります。65歳以上人口は2045年までに+16.1%増え、石川県4医療圏で唯一のはっきりした増加です。ところが圏内の6市町を並べると、薬局1軒あたり処方せんの動き(圏内での相対値)は-8.5%から+17.9%まで26.4ポイント開きます。そして金沢市は±0%——圏の平均そのものでした。

6
石川中央医療圏の市町
378
圏内の薬局数
4
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-8〜+18%
経営体力の変化レンジ(市町差)

金沢市が圏内の65.6%を占めるため、圏の平均は事実上金沢市の数字です。だから金沢市の相対値は±0%になります。動いているのは、そのまわりです。シェアを取るのは野々市市(+17.9%)津幡町(+11.9%)、シェアを失うのはかほく市(-8.5%)・白山市(-6.7%)・内灘町(-3.6%)です。ここで大事なのは、6市町とも65歳以上人口そのものは増えるということです(+6.2%〜+36.8%)。マイナスの市町も絶対量が減るわけではなく、圏内での重心が移るだけです。もうひとつの見どころが現在の厚みです。いま1軒あたりの処方せんがいちばん少ないのは野々市市(6,184枚)、いちばん多いのが津幡町(17,294枚)で、圏内で2.8倍。石川県で薬局が8軒以上ある12市町に広げても、最少は野々市市・最多は津幡町で、県内の両端がどちらもこの圏内にあります。しかも野々市市は圏内でいちばん速く厚くなる側(+17.9%)、津幡町もさらに厚くなる側(+11.9%)です。「いま薄いところがこれから厚くなる」とも「いま厚いところがこれから薄くなる」とも言えません。広さもこの圏内で大きく違います。野々市市は13.6km²に41軒(0.33km²に1軒・石川県で最も密)、白山市は753.8km²に48軒(15.7km²に1軒)です。機能の届出では、かかりつけ薬剤師指導料の届出率が圏全体で62.2%(県64.9%)、石川県4医療圏で3位。在宅患者訪問薬剤管理指導は45.2%で4位=県内最低です。圏内でも内灘町の72.7%からかほく市の33.3%まで開きます(ただしかほく市の分母は18店です)。閉局については、この12ヶ月に圏内で出た廃止届8件は1市町(金沢市)にすべて集中しており、うち4件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは4軒でした。4件という数は市町ごとの比較に耐える量ではありません。閉局は圏の合計としてだけお読みください。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが野々市市(+17.9%)、いちばん赤いのがかほく市(-8.5%)で、同じ石川中央医療圏の中に26.4ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要は+16.1%増える推計で、赤い市町も絶対量では減りません。

かほく市:薬局18/1軒あたり処方せん -8.5%ほく市白山市:薬局48/1軒あたり処方せん -6.7%白山市内灘町:薬局11/1軒あたり処方せん -3.6%内灘町金沢市:薬局248/1軒あたり処方せん 0.0%金沢市津幡町:薬局12/1軒あたり処方せん +11.9%津幡町野々市市:薬局41/1軒あたり処方せん +17.9%々市市
色=経営体力の変化(→2045・圏内での相対値)
減る(-8%)増える(+18%)
市区町村そのものの形で塗り分けています。

人口動態 ── 需要の源石川中央医療圏は「人は減るが、お年寄りは増える」

なぜ市町で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。石川中央医療圏全体では、総人口は71.5万→65.6万人(-8.3%)と減る一方、65歳以上は19.9万→23.2万人(+16.1%)と増えます。高齢化率は27.9%→35.3%へ。65歳以上のピークは2045年です。圏内6市町のうち、65歳以上人口が2045年までに減る市町は0、すでにピークを過ぎた市町も0。逆に2050年になってもまだ増え続けるのは1市町(野々市市)です。石川県全体では4医療圏のうち2圏(能登北部・能登中部)がすでにピークを過ぎ、19市町のうち10市町が減少局面です。この圏域は、石川県の中では例外的に「まだ増える側」にいます。

総人口65歳以上
0万20万40万60万80万20252030203520402045205064万23万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口は右肩下がり、65歳以上は2045年まで増加。2024年の能登半島地震より前に公表された推計です。

ランキング ── 市町の差経営が楽になる市町・相対的にしんどくなる市町

かほく市(-8.5%)から野々市市(+17.9%)まで26.4ポイントの開き。マイナスは3市町で、残る3市町はプラスか±0です。この圏域は6市町とも薬局が11軒以上あり、石川県4医療圏で唯一「薬局8軒未満の市町」を含みません(県内には薬局1軒の町・0軒の市もあり、そこでは1軒あたりの数値が意味を持ちません)。だからこのページでは市町どうしを並べられます。

かほく市
-8.5%
白山市
-6.7%
内灘町
-3.6%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
金沢市
0.0%
津幡町
+11.9%
野々市市
+17.9%

くわしい数字6市町データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
金沢市24828.3%10,891 → 10,8930.0%
白山市4829.7%14,270 → 13,311-6.7%
野々市市4120.4%6,184 → 7,288+17.9%
かほく市1829.6%12,179 → 11,144-8.5%
津幡町1226.7%17,294 → 19,355+11.9%
内灘町1129.1%14,535 → 14,017-3.6%

※処方せん需要は石川中央医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町別は件数が少なすぎます)。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 石川県(ひとつ上・Lv1)=4つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 石川中央医療圏(このページ・Lv2)=6市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】石川中央医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間4,226,133枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。この圏の院外処方率は70.5%です。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。マイナスでも、その市町の処方せんが絶対量で減るという意味ではありません。この圏の6市町は、65歳以上人口が2045年までにすべて増えます(+6.2%〜+36.8%)。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(石川県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に116.1)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市町別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】東海北陸厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(石川中央医療圏で4件)。廃止届は全部で8件出ていますが、そのうち4件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。集計期間は2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)です。
  • ★【この閉局率を、他の地方の県と比べないでください】東海北陸厚生局の廃止名簿は画像PDF(OCR)由来で、捕捉率が構造的に低いことが分かっています。同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届の数を都道府県別に出すと、東海北陸6県は1.42〜2.65%で、他の厚生局の県の最小値をブロックごと下回ります。石川県・この医療圏の閉局率を、近畿や関東の地域と直接比べることはできません。比べられるのは同じ厚生局(富山・岐阜・静岡・愛知・三重)までです。また『廃止届が0件』は『薬局が閉じなかった』ことの証明ではありません。
  • 【閉局は市町別に読まないでください】この圏域の真の閉局4件は石川県全体でも7件しかない事象の一部です。市町ごとに割ると0〜4件となり、1件の増減で率が数ポイント動きます。市町別の閉局数はJSONには入れていますが、市町どうしの順位づけや「この市は閉局が多い」という読み方には使えません。
  • 【閉局の位置は住所から割り当てています】石川県の廃止名簿はOCR由来で座標の付いていない件があり、同一座標に複数件が固まるジオコードのフォールバック点もあります。そのため住所文字列を優先して市町を割り当てています(詳細はLv1ページの注記)。閉局を地図に点で描く場合、描けるのは座標のある分だけです。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
  • 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきます。この圏では全378店に申告データがあり、分母も378店です。届出=実際の提供実績ではありません。市町によっては分母が小さく(最小は11店)、数ポイントの差は誤差の範囲です。
  • 【面積の使い方】面積は国土数値情報の行政区域(2024年1月1日)から算出しています。1軒あたり面積は「その市町の面積÷薬局数」で、実際に住民が歩く距離ではありません。石川県は250mメッシュの人口基盤が未投入のため、千葉県版で出した「徒歩10分以内カバー率」は算出できません。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。2024年1月の能登半島地震より前に公表された推計で、震災後の人口移動は織り込まれていません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません(Lv1と同じ理由・石川県は供給の統計モデルの学習対象外のため)。

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