令和9年度予算編成と地方財政の新たな局面:消費税率引き下げと支援金導入、拡大する地域間格差の行方
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財政制度分科会(令和8年9月30日開催)資料一覧
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財務省は2026年9月30日に、財政総論および地方財政に関する検討資料を公表しました。
我が国の経済社会は、物価や賃金、金利が変動する新たなステージに本格的に移行しています。
これに伴い、令和9年度の予算編成や今後の地方財政運営のあり方について、重要な方針が示されました。
今回は、社会保障や医療政策にも深く関わる主要な合意事項と今後の展望についてお伝えいたします。
これまでの建議でも述べられているとおり、我が国の経済社会は構造的な転換が進行し、物価・賃金・金利が変動する経済・金融環境に本格的に移行している。
(財政総論(PDF_6207KB).pdf, Page 3)
主要な論点・合意事項
1. 就業者負担軽減支援金の導入と飲食料品消費税率の臨時的引き下げ
政府は、中低所得者の税や社会保険料の負担を軽減するため、新たな制度として「就業者負担軽減支援金」を導入することを閣議決定しました。
この本格的な導入は令和11年4月からを予定しています。
それまでの「つなぎ」として、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品に係る消費税率を臨時的に1%へと引き下げることが決定されました。
さらに、本格導入までの間、中低所得者層への十分な支援を確保するため、令和9年6月以降に所得に連動した給付を先行導入する方針も示されています。
この消費税率の引き下げに伴う地方消費税の減収等に対しては、地方の財政運営に支障が生じないよう、適切な財源確保の措置が講じられる予定です。
これまでにない「所得に応じたきめ細かな給付」を行う新たな制度として、就業者負担軽減支援金(支援金)を導入する。
その際、令和11年度の本格導入までの「つなぎ」として、まずは、2年間に限って飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げと飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲で実施する支援金制度を組み合わせて行い、その後の支援金制度の本格導入に円滑に接続していくこととする。
(財政総論(PDF_6207KB).pdf, Page 42)
①まずは、「全所得階層」に負担軽減が及ぶ「飲食料品の消費税率」1%への引下げを、令和9年4月より2年間先行させる。
②その後、「税・社会保険料」の負担に苦しむ、真に支援の必要な「中所得」・「低所得」の方の負担を集中的に軽減できる「所得に連動したきめ細かな給付」を、令和11年4月から「本格導入」することに合わせて、
③「飲食料品の消費税率」は元の税率(8%)に戻して行く。
(財政総論(PDF_6207KB).pdf, Page 45)
2. 令和9年度概算要求基準と社会保障関係費の動向
令和9年度の一般会計概算要求額は、合計で143.1兆円となりました。
これは、令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計額である140.6兆円と比較して、2.5兆円の増加となっています。
予算編成においては、賃金や調達価格の上昇を的確に反映することが求められています。
社会保障関係費の分野では、高齢化に伴う自然増として3,900億円(0.39兆円)が示されました。
さらに、こども・子育て支援については「こども未来戦略」に基づき、特別会計分を含めて要求が行われることになります。
令和9年度の一般会計の概算要求額は合計143.1兆円。
補正予算依存から脱却し、恒常的な施策は当初予算で措置するという予算編成改革の方針の下要求が行われていることを踏まえ、令和7年度補正及び令和8年度当初予算の合計額140.6兆円と比べると、+2.5兆円となっている。
(財政総論(PDF_6207KB).pdf, Page 31)
年年・医療等:自然増(+0.39兆円)
*予算編成過程で、高齢化による増加分に相当する伸びに、経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算
*こども・子育て:特別会計への計上分も含め、「こども未来戦略」に基づいて要求。
(財政総論(PDF_6207KB).pdf, Page 30)
3. 地方交付税等の推移と東京都・道府県の財政力格差
地方財政においては、地方交付税交付金等の額が税収動向を反映して大きく伸びています。
令和8年度予算(補正後)における地方交付税交付金等は20.9兆円となり、社会保障関係費に次いで国の政策的経費(基礎的財政収支対象経費)の中で2番目に大きな規模を占めています。
しかし、税収が増加する局面において、地方税源の偏在による地域間の財政力格差の拡大が顕著になっています。
特に東京都と道府県の財政力格差は、偏在是正の取り組みが始まる前の平成20年度以前の水準まで再び拡大しました。
令和8年度における東京都(23区を含む)の財源超過額と留保財源の合計は4.1兆円に達しており、これは基準財政需要額である4.2兆円とほぼ同額です。
この結果、東京都は標準の概ね2倍の行政サービスを提供することが可能な状況となっています。
地方交付税交付金等(地方交付税交付金+地方特例交付金)は、国の政策的経費(基礎的財政収支対象経費)の中で2番目に大きい20.9兆円となっている。地方交付税交付金等の額は、この数年、税収 of 動向を反映し、大きな伸びを見せている。
(地方財政(PDF_1880KB).pdf, Page 3)
足もとの令和8年度と、地域間の財政力格差が縮小していた平成23年度を比較すると、東京都(23区を含む)が標準以上のサービスにつかえる財源(財源超過額+留保財源)は、1.4兆円から4.1兆円に拡大。
これは、基準財政需要額の4.2兆円とほぼ同額であり、東京都は標準の概ね2倍のサービスが可能と言える状況。
(地方財政(PDF_1880KB).pdf, Page 14)
結び
今後は、令和9年度予算の編成プロセスを通じて、各省庁が提出した概算要求の精査が進められます。
特に、就業者負担軽減支援金の制度設計や、消費税率引き下げに伴う地方財政への影響、そして地域間の財政力格差を是正するための税制改正の議論が本格化します。
これらの政策が医療や福祉、地方の行政サービスにどのような変化をもたらすのか、今後の動向を注意深く見守る必要があります。
各種基準額や閾値について、物価・賃金上昇や経済社会の変化を踏まえ、必要な点検・見直しを進める。
(財政総論(PDF_6207KB).pdf, Page 32)
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