血液事業の未来を拓く大きな一歩、vCJD献血制限撤廃と安全対策の最新動向
令和8年9月28日に、令和8年度第2回薬事審議会血液事業部会運営委員会が開催されました。
この委員会は、我が国における血液事業の円滑な実施と、血液製剤の安全かつ安定的な供給を目指して、様々な重要事項を審議する組織です。
今回の会議では、長年続いてきた献血制限の大幅な見直しや、前年度の事業実績、そして最新の安全対策について、極めて重要な報告が行われました。
特に安全性と安定供給の確保に向けた、具体的な施策の進捗状況が詳しく示されています。
第1条 この規程は、薬事審議会規程(以下「規程」という。)第2条第1項に基づき設置される血液事業部会(以下「部会」という。)に置かれる運営委員会(以下「委員会」という。)の運営に関し必要な事項を定め、審議の円滑な実施を図ることを目的とする。
(運営委員会規程[122KB].pdf, Page 1)
最も大きな変更点として、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、いわゆるvCJDの感染状況を踏まえた献血制限の撤廃が報告されました。
令和8年10月1日より、特定の海外地域における滞在歴や、プラセンタ注射剤の使用歴がある方からの献血受入れが開始されます。
これは、国内外の発生状況や感染リスクの評価、諸外国の動向などを総合的に勘案して決定された方針です。
日本赤十字社はこれに伴い、ホームページでの周知や、ポスター掲示、会員サービスを通じた広報活動を積極的に展開しています。
また、各血液センターに対しては、この見直しの趣旨を十分に周知し、献血者へ適切に説明を行うよう求められています。
つきましては、この方針に基づき、特定の海外地域における滞在歴及びプラセンタ注射剤の使用歴に関する献血制限の撤廃を速やかに実施できるよう、貴職において必要な体制整備を行うとともに、準備が整い次第、速やかに実施してください。
(【資料4】変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の感染状況を踏まえた献血制限に該当する献血者受入れ開始について(日本赤十字社提出資料)[2.0MB].pdf, Page 2)
併せて、貴管下の各血液センターに対し、当該措置の趣旨及び内容を十分に周知し、採血に御協力いただいている献血者等に対しても適切に説明がなされるよう、特段の御配慮をお願いいたします。
(【資料4】変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の感染状況を踏まえた献血制限に該当する献血者受入れ開始について(日本赤十字社提出資料)[2.0MB].pdf, Page 3)
次に、令和7年度の血液事業の概況について詳細な実績が報告されました。
輸血用血液製剤の供給実績は、赤血球製剤が652万単位、血漿製剤が215万単位、血小板製剤が884万単位となり、合計で1,752万単位に達しました。
採血実績においては、献血者数が合計500万人を数えています。
若年層への献血推進活動の成果として、10代の献血者数が21.5万人となり、前年度から0.3万人の増加を記録しました。
一方で、20代は65.1万人、30代は69.3万人となり、それぞれ前年度から減少しているため、引き続き若年層への働きかけが重要課題となっています。
赤血球製剤 652万単位(333万バッグ)
血漿製剤 215万単位(90万バッグ)
血小板製剤 884万単位(85万バッグ)
合計 1,752万単位(507万バッグ)
(【資料3】令和7年度血液事業への取り組みについて(日本赤十字社提出資料)[754KB].pdf, Page 2)
10代 21.5万人(前年度+0.3万人)
20代 65.1万人(前年度-1.1万人)
30代 69.3万人(前年度-1.5万人)
(【資料3】令和7年度血液事業への取り組みについて(日本赤十字社提出資料)[754KB].pdf, Page 4)
安全性の向上と業務効率化に向けた、新たなシステムの導入成果も報告されました。
安全対策の強化として、令和7年7月30日より、細菌スクリーニングを導入した血小板製剤の供給が開始されました。
これにより、輸血後の細菌感染リスクをさらに低減する体制が整えられています。
また、血液事業の運営基盤を支える基幹システムが、令和8年4月1日から稼働を開始しました。
新システムの稼働により、調達や購買業務における各種帳票のやり取りがオンライン化され、照合作業や紙媒体の受領保管作業が削減されるなど、大幅な効率化が図られています。
令和7年7月30日から細菌スクリーニングを導入した血小板製剤の供給開始
(【資料3】令和7年度血液事業への取り組みについて(日本赤十字社提出資料)[754KB].pdf, Page 7)
令和8年4月1日から基幹システム稼働開始
(【資料3】令和7年度血液事業への取り組みについて(日本赤十字社提出資料)[754KB].pdf, Page 8)
今回の委員会で報告された内容は、献血者の受入れ拡大と、血液製剤の安全性のさらなる向上を示す極めて重要な進展です。
特に、長年制限の対象となっていた方々が再び献血に協力できるようになることは、今後の安定供給において大きな意義を持ちます。
今後は、新システムの安定的な運用と、新しい献血基準の丁寧な周知活動が継続して行われることが期待されます。
国民の善意に支えられた血液事業が、より安全で強固なものとなるよう、今後の推移が注目されます。
血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保に加え、適正使用の推進を法律で規定すること、また血液事業に関わる関係者(国、地方公共団体、採血事業者、製造・輸入業者、医療関係者)の責務が明確化されるに至った。
(【資料5-2】令和8年度第1回適正使用調査会の概要について[18.9MB].pdf, Page 176)
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