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CrossHealth / 薬局持久度レポート
県内で唯一、65歳以上人口がすでに減りはじめた圏
県西医療圏2市の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
県西医療圏は、鹿沼市・日光市の2市からなる圏域です。薬局は77軒(県内5位)。栃木県6医療圏のうち、65歳以上人口のピークが2025年=すでに減少局面に入っているのは県西医療圏だけです。2045年までに65歳以上は-7.0%、総人口は-26.2%。高齢者の数さえ減っていく圏で、薬局の需要は絶対量として細っていきます。2市のうち1市は65歳以上人口がすでにピークを過ぎています。
圏を構成するのは鹿沼市と日光市の2市だけです。鹿沼市は薬局39軒・65歳以上人口のピークは2040年、日光市は薬局38軒・ピークは2025年。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)は鹿沼市+9.0%、日光市-9.5%です。65歳以上人口の絶対量では鹿沼市+1.4%・日光市-15.8%と動きます。閉局の面では、暦年2025(2025年1月〜12月)の真の閉局は2件(廃止届5件)しかなく、市町ごとに語れる粒度ではありません。そのため閉局の話は暦年2022〜2025の4年窓でそろえています。4年間に出た廃止届16件のうち8件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは8軒。薬局77軒に対する年平均の真の閉局率は2.6%です。消えた8軒は2市(日光市・鹿沼市)に分かれています。薬局数に対する4年の比率がいちばん高いのは日光市の13.16%(38軒中5軒)です(比較は薬局8軒以上の市に限ります)。4年に広げてもこの規模なので、市どうしの閉局率を順位として読むことはできません。件数そのものをご覧ください。なお栃木県全体では、廃止届の中に「ある調剤チェーンが同じ日にまとめて機関コードを付け替えたもの」(法人の一斉付け替え・関東信越ブロック全体で機械検出)が3件混ざっていますが、県西医療圏には1件も含まれていません。この圏域の承継の数字は、そのまま読んで差し支えありません。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが日光市(-9.5%)、いちばん緑なのが鹿沼市(+9.0%)で、同じ県西医療圏の中に18.5ポイントの開きがあります。
徒歩のものさし ── 薬局までの距離徒歩10分圏に住む人は46.8%(直線近似)
最寄りの薬局まで徒歩10分(直線近似)以内に住む人は、この圏域の推計人口の46.8%(県全体58.2%)、徒歩20分では64.7%です。徒歩10分を超える場所に住む人は約8.6万人、圏の中央値は徒歩11.3分。市ごとには日光市の43.4%から鹿沼市の49.4%まで開きます。この徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路をたどった実測(OSRM)ではありません。また最寄りの薬局は県内の薬局だけから探しているため、県境沿いで隣県の薬局が近い地区では実際より低め(下限)に出ます。
人口動態 ── 需要の源県西医療圏は「人も減り、お年寄りも減る」
もとをたどると人口の動きです。県西医療圏全体では、総人口は16.1万→11.9万人(-26.2%)、65歳以上は5.7万→5.3万人(-7.0%)と推移します。高齢化率は35.5%→44.8%。65歳以上のピークは圏全体で2025年——つまり起点の年で、すでに減少局面です。圏内2市のうち1市(日光市)では、そのピークがすでに2025年——これから減っていく局面に入っています。65歳以上人口が2045年までに減る市は1あります。総人口が増える市は、この圏にはひとつもありません。栃木県全体では65歳以上が+4.7%とわずかに増える推計ですから、この圏域は県の平均とは逆を向いています。
医療計画 ── 県の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
また、県西医療圏については、北部に広大な地域を有しており、他圏域との統合(広域化)により拠点となる医療機関の整備や病床機能の分化・連携を進めた場合、アクセスが困難となる県民が生じる恐れがあります。
栃木県保健医療計画 第3章 保健医療圏と基準病床数 PDF 2ページ並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
4年の推移 ── この圏域の閉局は4年でしか語れませんこの圏域で、4年間に閉じた薬局と、引き継がれた薬局
県西医療圏の暦年2025(2025年1月〜12月)の真の閉局は2件、廃止届でも5件しかありません。単年では市ごとの比較になりませんので、閉局の話は4年ぶん(2022〜2025年)でそろえています。4年の真の閉局は1件→2件→3件→2件、移転・承継は0件→2件→3件→3件。4年合計では真の閉局8件・移転承継8件で、引き継がれなかった割合は50.0%(県全体は26.1%)です。なお栃木県全体では、廃止届の中に「ある調剤チェーンが同じ日にまとめて機関コードを付け替えたもの」(法人の一斉付け替え・関東信越ブロック全体で機械検出)が3件混ざっていますが、県西医療圏には1件も含まれていません。この圏域の承継の数字は、そのまま読んで差し支えありません。
2市の対比 ── ランキングは作りません鹿沼市と日光市
この圏は2市のみで構成されるため、圏内ランキングは作っていません(順位が事実以上の意味を持ってしまうため)。経営体力は日光市-9.5%・鹿沼市+9.0%です。
くわしい数字2市データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 鹿沼市 | 39 | 32.7% | 12,069 → 13,153 | +9.0% |
| 日光市 | 38 | 39.1% | 11,726 → 10,613 | -9.5% |
※処方せん需要は県西医療圏全体の実績(NDB)を市の高齢人口で按分した推計です。薬局が8軒に満たない市では1軒あたりの値が大きく振れます。閉局は4年(2022〜2025年)の列で見てください。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 栃木県(ひとつ上・Lv1)=6の二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 県西医療圏(このページ・Lv2)=2市で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。県西医療圏にいまある77軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.34です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-26.2%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が32%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は94.9%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。県西医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は79軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 75軒=94.9%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 55軒=69.6%、在宅薬学総合体制加算 29軒=36.7%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 68軒=86.1%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回69.6%/これまで71.4%(差-1.8ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回94.9%/これまで44.2%(差+50.7ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回36.7%/これまで45.5%(差-8.8ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】県西医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間916,274枚)を、市ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。院内で処方されている分は含みません。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(栃木県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に93.0)。
- 【薬局数は2025年で固定】市町別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】関東信越厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の集計期間は暦年2025(2025年1月〜12月)で、県西医療圏の真の閉局は2件(廃止届5件・うち移転承継3件)でした。1圏・1年では件数が少なすぎるため、本文では暦年2022〜2025の4年合計(真の閉局8件・移転承継8件)で述べています。件数は2026年7月29日時点の名簿によるもので、名簿の掲載遅れにより今後も増えることがあります。
- 【法人の一斉付け替え】保険薬局の廃止情報には、1つの法人が同じ日にまとめて機関コードを付け替える動きが混ざります(関東信越10都県の合計で「同じ廃止日・同じ屋号の承継が20件以上」という条件で機械的に検出しています)。県西医療圏には1件も含まれていません。このページの承継・引き継がれなかった割合は、差し引きの前後で変わりません。
- 【単年と4年で印象が変わります】1医療圏・1年あたりの廃止届は多くて十数件です。単年の数字(とくに0件)を地域の固定的な性質として読まないでください。本文の市町比較は暦年4年の合計だけで行っています。
- 【名簿に欠号はありません】栃木県の名簿は2021.11号〜2026.7号の57ヶ月が連続してそろっており、薬局の行が0件の号は「名簿が無い」のではなく「その月に廃止届が無かった」ことを、同じ名簿の医科・歯科の行で確認しています(詳細はLv1ページ)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町コードで割り当てています。閉局は座標の点内判定で割り当てていますが、全件について届出住所と一致することを確認済みです。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきます。この圏域は全77店に届出データがあり、分母は薬局数と一致します。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率46.8%は、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路をたどった実測(OSRM)ではありません(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。実測化すると数ポイント下がる傾向があります。また最寄りの薬局は県内からだけ探しているため、県境沿いで隣県の薬局が近い地区では実際より低め(下限)に出ます。冬期の通行止め・公共交通は含みません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【薬局が0軒の自治体】この圏域にはありません(栃木県には薬局0軒の自治体がひとつもありません)。
- 【座標が誤っている薬局が1店】この圏域(鹿沼市)の1店は、届出住所と登録座標が約6.4km食い違っています(座標のほうが誤り・詳細はLv1ページの geocode_anomalies)。薬局数・閉局数・届出率・需要推計は届出住所で数えているため影響ありませんが、地図の重心と徒歩カバー率の供給点からはこの1店を除いています。
- 【この圏は薄型レポートです】構成が2市のみで、圏内の順位付け・ランキングは行っていません(順位が事実以上の意味を持ってしまうため)。数値表・地図・人口動態・徒歩カバー率は他圏と同じ基準で掲載しています。
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