滋賀県 › 東近江(二次医療圏)
CrossHealth / 薬局持久度レポート
増える市と、減りはじめた町が、同じ圏にいる
東近江医療圏4市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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東近江医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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東近江医療圏(東近江市・近江八幡市・日野町・竜王町)は、薬局119軒。65歳以上人口は2045年までに圏全体で+7.6%増えますが、市町ごとに見ると増える市町が2つ、減る市町が2つ。日野町(-2.2%)は、県内19市町で65歳以上人口がすでにピークを過ぎている4市町のひとつです。同じ圏域の中に、増える市と減りはじめた町が同居しています。
東近江医療圏の65歳以上人口は圏全体で+7.6%増える推計です。ただし中身は一枚岩ではありません。東近江市は+11.7%増えて2045年にピークを迎える一方、日野町は2025年にすでにピークを過ぎ、竜王町も2030年のピークを境に減少へ向かう推計で、2045年の65歳以上人口は日野町-2.2%・竜王町-3.5%と、いずれも2025年を下回ります。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)は竜王町の-10.3%から東近江市の+3.8%まで14.1ポイント開きます。ただし竜王町は薬局4軒と分母が小さく(日野町も8軒)、1軒あたりの数値は1店の出入りで大きく動く点に注意が必要です。徒歩10分圏(直線距離からの近似)に住む人の割合は圏全体で57.0%(県全体65.1%)。機能の届出では、かかりつけ薬剤師指導料の届出率が67.9%で県平均(65.7%)を上回ります。閉局については、この12ヶ月の廃止届は圏全体で7件、うち4件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは3軒でした。市町別の内訳はJSONにありますが、この件数では市町どうしの比較には使えません。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが東近江市(+3.8%)、いちばん赤いのが竜王町(-10.3%)です。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要は+7.6%増える推計です。薬局が8軒未満の町(竜王町)の色は、分母が小さく1店の出入りで大きく動きます。
医療計画からの引用県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。 並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
ランキング ── 市町の差経営が楽になる側・相対的にしんどくなる側
竜王町(-10.3%)から東近江市(+3.8%)まで14.1ポイントの開き。ただしこの圏には薬局8軒未満の市町が1つあり(竜王町)、その1軒あたりの数値は順位として読めません。比較に耐えるのは薬局8軒以上の日野町・近江八幡市・東近江市です。
くわしい数字4市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 東近江市 | 54 | 28.6% | 12,342 → 12,812 | +3.8% |
| 近江八幡市 | 53 | 28.8% | 9,192 → 9,098 | -1.0% |
| 日野町 | 8 | 32.6% | 17,447 → 15,862 | -9.1% |
| 竜王町 | 4 | 31.2% | 18,729 → 16,798 | -10.3% |
※処方せん需要は東近江医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町別は件数が少なすぎます。圏どうしの閉局率の順位づけも意味を持ちません——滋賀県の真の閉局は12ヶ月で県計13件です)。個店のランキングは作りません。
人口動態 ── 需要の源東近江医療圏の人口はこう動く
東近江医療圏全体では、総人口は22.1万→19.1万人(-13.6%)、65歳以上は6.5万→6.9万人(+7.6%)と動きます。高齢化率は29.2%→36.3%へ。65歳以上のピークは2045年です。圏内で見ると、65歳以上人口がすでにピークを過ぎた市町が1つ、2050年になっても増え続ける市町はありません。滋賀県全体では7医療圏のうち1圏(湖西)がすでにピークを過ぎており、県の中に大きな時間差があります。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 滋賀県(ひとつ上・Lv1)=7つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 東近江医療圏(このページ・Lv2)=4市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。東近江医療圏にいまある119軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.36です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-13.6%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が20%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は94.5%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。東近江医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は110軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 104軒=94.5%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 72軒=65.5%、在宅薬学総合体制加算 42軒=38.2%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 101軒=91.8%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回65.5%/これまで67.9%(差-2.4ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回94.5%/これまで37.5%(差+57.0ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回38.2%/これまで47.3%(差-9.1ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】東近江医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間1,368,139枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。マイナスでも、その市町の処方せんが絶対量で減るという意味ではありません。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(滋賀県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に107.6)。
- 【薬局数は2025年で固定】推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】近畿厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(東近江医療圏で3件)。廃止届は全部で7件出ていますが、そのうち4件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。滋賀県の廃止名簿は2025年7月号からの収録のため、集計期間は暦年ではなく完全な12ヶ月がそろう2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)としています。大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)と件数を直接並べることはできません。
- 【閉局件数は2026年7月29日時点の値】2026年6月号までの名簿にもとづきます。名簿には掲載の遅れがあり、この期間の件数は今後さらに増える可能性があります(下限値としてお読みください)。
- 【閉局は市町別・圏別に読まないでください】この圏域の真の閉局3件は滋賀県全体でも13件しかない事象の一部です。市町ごと・圏ごとの閉局率や「承継されなかった割合」は1件の増減で数ポイント〜数十ポイント動くため、順位づけには使えません(数値はJSONに保持していますが、本文では県計のみを語っています)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある112店を分母にしています(圏内全119店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率(57.0%)は、最寄り薬局までの直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した参考値です(fallback法・access_method="fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります。最寄りは市町・医療圏の境界を越えて県内の薬局から探しています(県境は越えないため、県境沿いは下限側に振れます)。公共交通は含みません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【小さい分母】竜王町は薬局4軒で、1軒あたりの数値は1店の出入りで大きく動きます(small_n_muni)。
- 【沖島について】近江八幡市の沖島(琵琶湖内の有人島)には薬局がありません。250mメッシュ人口の基盤には島内のセルが無く(島の人口は市内の他セルに計上)、徒歩カバー率はこの島の実際の到達性(船便が前提)を映していません。
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